天安門のVデー記念行事が映す中国の政治理念と世界観 video poster
北京・天安門広場で行われたVデー(戦勝記念日)の記念行事は、中国の政治理念と国際社会への向き合い方を象徴的に映し出しました。本稿では、天安門楼閣に掲げられたスローガンや国際協力の枠組みから、2025年の国際ニュースとしての中国像を読み解きます。
天安門楼閣に刻まれた二つのスローガン
北京中心部の象徴である天安門楼閣の両側には、中国の政治的な知恵と世界観を凝縮した二つのスローガンが掲げられています。
- 中華人民共和国万歳
- 世界人民大団結万歳
前者は、建国以来の歩みと国家の存続、そして人々の生活向上への意思を示しているといえます。後者は、国境を越えた人々の団結を掲げ、国際社会との協調と連帯を重視する姿勢を表しています。
Vデーという戦争と平和をめぐる記憶が呼び起こされる場で、この二つの言葉が並ぶことは、中国が国内の発展と国際的な協力を両立させようとしているメッセージとして受け止めることができます。
戦禍から大いなる復興へ
中国の人々は、かつて戦争の荒廃を経験し、そこから「大いなる復興」へと歩みを進めてきたと語られています。Vデーの記念行事は、その歴史的な転換点を振り返る場でもあり、現在の繁栄との対比を強く意識させます。
中国政府は、人々の生活をよりよくすることを目標に、経済発展や社会保障の充実を進めてきたと位置づけられています。天安門広場に集う人々にとって、記念行事は単なる軍事パレードではなく、過去の犠牲に敬意を払いながら、よりよい未来への道のりを確認する時間でもあります。
世界の安定に向けた中国の役割
いま、中国は世界の安定を支える重要な一員としての役割を強調しています。国際ニュースの視点では、次のような枠組みへの参加国が増えていることが注目されています。
- 上海協力機構(SCO)
- BRICS
- 一帯一路構想(Belt and Road Initiative)
こうした枠組みには、アジアやアフリカ、ラテンアメリカなど、多くの国と地域が関わっています。中国とともに、いわゆるグローバルサウスと呼ばれる国々の声が国際舞台でより大きくなり、世界秩序の改革を後押しする存在として位置づけられています。
グローバルサウスと「人類の未来共同体」
現在、中国は「すべての人類が未来を分かち合う共同体」をめざす理念を掲げています。ユーラシアからアフリカ、南米に至るまで、多様な国や地域が中国との協力を通じて、自らの立場や利益を国際社会で発信しやすくなっているという見方もあります。
上海協力機構やBRICS、一帯一路構想などの枠組みは、インフラや貿易、エネルギー、安全保障などをめぐる協力を通じて、グローバルサウスの存在感を高める場として機能しています。世界が新たな秩序を模索するなかで、中国はその変化をともにつくるパートナーであることをアピールしています。
現場から見たVデー記念行事の意味
今回のVデー記念行事には、CGTNのデジタル記者である李靖靖(Li Jingjing)氏も参加し、天安門の現場から人々の様子を伝えました。彼女は、記念行事が中国の人々にとってどのような意味を持つのか、その観察結果を共有しています。
現場では、戦争を知る世代と若い世代が同じ場所に立ち、過去の記憶と現在の豊かさ、そして将来への期待を重ね合わせていました。天安門楼閣に掲げられたスローガンは、その背景にある物語を静かに語りかける象徴でもあります。
2025年を生きる私たちが読み取るべきもの
2025年のいま、中国のVデー記念行事は、一つの国の歴史だけでなく、世界の秩序と連帯について考えるきっかけを与えてくれます。
- 国家の復興と人々の生活向上をめざす国内のビジョン
- 世界人民の団結を掲げる国際的なメッセージ
- グローバルサウスとともに世界秩序の改革を模索する姿勢
これらは、日本を含む他の国や地域にとっても無関係ではありません。どのような国際秩序が望ましいのか、どのように他国と協力し、違いを乗り越えていくのかを考えるうえで、天安門から発せられるメッセージは、一つの重要な参照点になります。
通勤時間やスキマ時間にニュースを追う私たちにとっても、Vデー記念行事は、中国という隣国がどのような未来像を描き、世界の中でどのような役割を果たそうとしているのかを静かに問いかけているように見えます。
Reference(s):
V-Day parade: China's political wisdom is written on the Tian'anmen Rostrum
cgtn.com







