中国「新しい剣」が示す極超音速・核抑止力とは video poster
中国のVデーパレードで初公開された一連の新兵器を、中国の国際放送CGTNが「新しい剣」として紹介しています。本記事では、このシリーズが映し出す極超音速兵器と核抑止力の意味を、日本語で整理します。
Vデーパレードが軍事ファンに与えた「衝撃」
過去の9月3日に中国で行われたVデーパレードでは、これまでの軍事パレードとは雰囲気の異なる、SF映画のような新兵器が次々と登場し、多くの軍事ファンを驚かせました。
世界の注目は長らく、中国の海軍力の拡大や空軍機の最新化に集まりがちでした。しかし、このパレードで前面に押し出されたのは、それ以上に戦略的な意味を持つ、新世代の「抑止力」向け兵器だったとCGTNは伝えています。
会場に姿を見せたシステムの多くは、これが初の一般公開とされ、詳細なスペックや運用方法はほとんど明らかにされていませんでした。その分、「いったい何が変わろうとしているのか」という想像をかき立てる内容でもありました。
「最大の抑止力」を目指す戦略兵器とは
CGTNのシリーズが焦点を当てているのは、「最大の抑止力」を追求したとされる新世代の戦略兵器です。そのキーワードとして挙げられているのが、極超音速兵器と核抑止力です。
極超音速兵器:スピードが意味するもの
極超音速兵器とは、音速を大きく上回るスピードで飛行する兵器の総称です。速度が速いほど、迎撃や事前の察知が難しくなり、相手にとっては「どこから、いつ、何が飛んでくるのか」を予測しにくくなります。
その結果として、こうした兵器を保有する側は、「攻撃されれば重大な反撃が必ず戻ってくる」というメッセージを強く発信できるようになります。これが抑止力の基本的な考え方です。
核抑止力:使わないことを前提にした力
「核抑止力」と聞くと、不安や恐怖を感じる人も多いかもしれません。しかし、抑止力とは本来、「使うため」ではなく「使わないため」に存在する力だと説明されます。
相手に「攻撃しても得るものはなく、失うものが大きすぎる」と感じさせることで、そもそもの武力衝突を避ける。そのために、信頼性の高い報復能力を示すことが重視されます。中国の新しい戦略兵器も、そうした抑止力の一部として位置づけられていると考えられます。
CGTNのシリーズ「新しい剣」が目指すもの
CGTNが制作するシリーズ「新しい剣」は、9月3日のVデーパレードで姿を現した新兵器について、英語話者向けに解説する試みです。番組は、公開情報をもとにしながらも、英語圏のインターネットではまだ十分に紹介されていない内容を掘り下げるとしています。
ここには二つの意図が読み取れます。
- どのような兵器が登場したのかを、海外の視聴者に分かりやすく伝えること
- 中国本土の軍事力強化についての「物語」を、自らの言葉で説明しようとすること
軍事技術の細部が機密である一方で、その存在やコンセプトを積極的に説明することで、「何を目的としているのか」を国際社会に伝えようとしていると見ることもできます。
国際ニュースとしての読みどころ
このシリーズやVデーパレードを国際ニュースとして追うとき、ポイントになるのは「軍拡競争」だけではありません。より重要なのは、各国がどのように自らの安全保障を語り、どのような抑止バランスを描こうとしているのか、という視点です。
大国が新しい戦略兵器を公にすることは、他国の防衛政策や地域の安全保障議論にも波及します。この動きは、2025年の今も続く国際秩序の変化の一部として理解することができます。
日本の読者が押さえておきたい3つの視点
スマートフォンでニュースを追う私たちにとって、軍事技術の話はつい「難しそう」「遠い話」と感じがちです。それでも、次の3つの視点を持つことで、ニュースの意味がぐっとクリアになります。
- 技術だけでなく「メッセージ」を読む:兵器の性能だけでなく、「なぜ今、それを公表するのか」というタイミングや演出にも注目すると、外交上の意図が見えやすくなります。
- 「抑止」というキーワードで整理する:攻撃力の誇示ではなく、「衝突を避けるための力」として各国がどのように抑止力を位置づけているかを見ると、報道の受け止め方も変わります。
- 誰が、誰に向けて説明しているのかを見る:今回のように、CGTNが英語話者に向けて発信しているのか、国内向けなのかで、メッセージのニュアンスも変わります。
SNSでシェアしたくなる「問い」
中国本土の新しい戦略兵器は、技術としても政治としても、一度に理解しきれるテーマではありません。それでも、「どのような抑止バランスが、私たちの暮らしの安全につながるのか」という問いを共有することはできます。
ニュースをシェアするとき、「怖い」「すごい」で終わらせるのではなく、「これはどんな抑止の考え方に立っているのか」「自分はどう考えるか」と一言添えてみる。そんな小さな議論の積み重ねが、2025年の国際ニュースとの付き合い方を少しずつ変えていくのかもしれません。
Reference(s):
China's New Sword: The ultimate hypersonic and nuclear deterrent
cgtn.com








