中国がEU産豚肉に暫定アンチダンピング措置
中国商務省は、EU(欧州連合)産の一部の豚肉および豚副産物に対し、9月10日から暫定的なアンチダンピング(不当廉売)措置を導入しました。保証金率は15.6〜62.4%で、最終判断を控え、中国とEUの経済・貿易関係に新たな注目が集まっています。
何が決まったのか
今回の暫定アンチダンピング措置は、EU産の特定の豚肉および豚副産物について、中国への輸入時に保証金を預託させる形で実施されます。中国商務省の予備決定によると、これらの輸入品にはダンピングが存在し、関連する国内産業に実質的な損害を与えていると判断されました。
輸入企業は、会社ごとに設定された税率に応じて保証金を中国の税関に預ける必要があります。保証金率は15.6%から62.4%まで幅があり、企業ごとに異なる水準が適用されます。
国内産業の申請から始まった調査
中国商務省によると、今回のアンチダンピング調査は、国内産業からの申請を受けて開始されました。その後、調査期間が延長されるなど、段階を踏んで現在の暫定措置に至っています。
- 2024年6月17日:国内産業からの申請を受け、EU産豚肉などを対象とするアンチダンピング調査を開始。
- 2025年6月10日:調査期間を2025年12月16日まで延長することを決定。
- 9月10日:予備決定に基づき、暫定アンチダンピング措置として保証金の徴収を開始。
調査期間は2025年12月16日までとされており、その結果に基づいて最終判断が下されることになっています。
中国が示す慎重姿勢と対話の余地
商務省の報道官は、中国はこれまでも貿易救済措置の行使について慎重で節度ある姿勢を保ってきたと強調しました。また、こうした措置の乱用には断固反対する立場を示し、対話と協議を通じてEUと貿易摩擦を適切に処理し、中国とEUの経済・貿易協力の全体的な安定を維持したい考えを示しています。
同報道官はさらに、調査は中国の法律および世界貿易機関(WTO)のルールに厳格に従って進められ、関係するすべての当事者の権利を保障しつつ、客観的かつ公正な最終決定が行われると説明しました。
アンチダンピング措置とは何か
アンチダンピング措置とは、輸入品が国内市場で不当に安いと判断された場合に、輸入国が追加の関税や保証金を課すことで、国内産業への過度な打撃を防ぐための仕組みです。今回のように、予備決定の段階で暫定措置として保証金を徴収し、最終判断で措置の継続や見直しが決められることが一般的です。
一方で、アンチダンピング措置は相手国との貿易摩擦を高める可能性もあるため、各国はWTOルールの枠内で、どこまで措置を講じるか慎重な判断が求められます。
日本やアジアの読者が注目すべきポイント
中国とEUという大きな経済圏の間で起きる通商措置は、豚肉市場だけでなく、食料安全保障やサプライチェーンのあり方にも影響を及ぼし得ます。特に、食肉や飼料の価格は国境を越えて連動しやすく、長期的な貿易摩擦は市場の不確実性を高める要因となります。
- 暫定措置がどの程度の期間・範囲で適用されるのか
- 中国とEUがどのような形で対話や協議を進めるのか
- 豚肉価格や調達先の多様化など、世界の食肉市場への波及がどこまで広がるのか
調査期間の期限とされる2025年12月16日が近づくなか、中国が国内産業の保護と国際協調のバランスをどのように取るのかが問われています。今後の発表や中国とEU双方の動きは、国際ニュースとして引き続き注目しておきたいテーマだと言えるでしょう。
Reference(s):
China to impose temporary anti-dumping measures on EU pork imports
cgtn.com








