国連総会、第79回会期で上海協力機構との協力強化決議を採択
第79回国連総会は金曜日、国連と上海協力機構(SCO)の協力を強化する決議を採択しました。中国などが共同提出したこの決議は、地域協力と多国間主義のあり方を映す国際ニュースとして注目されています。
なぜこの決議が重要なのか
今回の決議は、国連と上海協力機構という二つの枠組みの連携を制度的に強めようとするものです。平和や持続可能な開発、地域協力を進めるうえで、グローバルな国連システムと地域機構がどう役割分担し、連携していくのかという問いに、一つの方向性を示したと言えます。
採択された決議の主なポイント
決議の内容は多岐にわたりますが、重要な点は次の通りです。
- SCOの役割を評価:決議は、上海協力機構が平和と持続可能な発展の確保、地域協力の促進、善隣友好関係と相互信頼の強化において「建設的な役割」を果たしていると明記しました。
- 国連との対話と協調を強調:国連システムとSCOの間で、対話・協力・調整を一層強化することの重要性が強調されています。これは、国際課題に対して単独ではなく、連携して対応していく方針を示すものです。
- 事務総長同士の定期協議:国連事務総長が、既存の機関間フォーラムや仕組みを通じて、SCO事務総長と定期的に協議を行うよう提案しています。その枠組みには、国連事務総長と各地域機構トップとのハイレベル対話も含まれます。
- 国連機関レベルでの連携:国連システムに属する専門機関、関連組織、各種プログラムや基金が、SCOと協力して、共通の目標達成に向けた関連プログラムを共同で実施することが推奨されています。
共同提案国としての中国などの役割
この決議案は、中国を含む複数の国によって共同で提出されました。グローバルな枠組みである国連と、地域に根ざした協力機構との橋渡しを図ろうとする動きの中で、中国などの国々が連携強化の枠組みづくりを後押しした形です。
上海協力機構(SCO)とは
上海協力機構(SCO)は、安全保障や経済協力、文化交流などを通じて、参加国同士の信頼醸成と地域の安定を目指す地域協力機構です。今回の決議でも、SCOが地域の平和や持続可能な発展に貢献している点が評価されました。
国連総会がSCOとの協力を公式文書で位置づけたことで、今後、テロ対策、越境犯罪、エネルギーやインフラ協力、環境・開発などの分野で、国連とSCOが連携して取り組む余地が広がると見られます。
国連と地域機構の連携が意味するもの
近年の国際課題は、単一の国や一つの国際機関だけでは対応が難しくなっています。今回の決議は、次のような点で意味を持つと考えられます。
- 多層的な国際協力:グローバルな国連と、地域のSCOが役割を分担しながら協力することで、より現場に近い視点を国際ルールづくりや支援策に反映しやすくなります。
- 善隣友好と信頼醸成:決議文が「善隣友好」と「相互信頼」をキーワードとしている点は、地政学的な緊張が続く中で、対話を通じた安定を重視するメッセージとも受け取れます。
- 実務レベルの協力強化:事務総長同士の定期協議や国連専門機関との共同プログラムが進めば、単なる声明にとどまらない、実務レベルの連携が期待されます。
私たちがこのニュースから考えたいこと
国連総会で採択された決議は、すぐに目に見える変化を生むとは限りません。しかし、国連と上海協力機構の協力を正式に強化する流れは、国際秩序が「対立か協力か」の二択ではなく、さまざまなレベルの対話と連携を組み合わせていく方向にあることを示しています。
国際ニュースを追うとき、誰と誰が対立しているかだけでなく、「どの枠組み同士が、どのように連携しようとしているのか」という視点を持つことで、世界の動きが少し立体的に見えてきます。今回の国連とSCOの協力強化決議は、その一例と言えそうです。
Reference(s):
UN General Assembly adopts resolution to boost cooperation with SCO
cgtn.com







