中国の公共法律サービスが前進 第14次五カ年計画で1.7億件相談
中国の公共法律サービスが、この5年間で大きく拡大しています。中国司法省によると、第14次五カ年計画期間(2021〜2025年)に提供された公共の法律相談は延べ1億7千万件を超えました。司法アクセスの拡充は、社会の安定や経済活動の基盤にも直結するテーマです。
本記事では、司法相He Rong氏が月曜日の記者会見で明らかにしたポイントを軸に、中国の公共法律サービスの現状と国際的な広がりを整理します。
第14次五カ年計画で進む「身近な法律サービス」
中国司法省は、第14次五カ年計画期間(2021〜2025年)に、公的な法律相談を延べ1億7千万件以上提供したと発表しました。これは、多くの人が日常生活のさまざまな場面で法律にアクセスしていることを示します。
He Rong司法相は、過去5年間の司法分野の取り組みを振り返る記者会見で、地域によるサービス格差の是正と、誰でも相談しやすい環境づくりを重視してきたと強調しました。
弱い立場の人への法的支援を重視
発表によると、中国の公共法律サービスは、社会的に脆弱になりやすい人々のニーズに重点的に応えてきました。対象となるのは、次のような人々です。
- 出稼ぎ労働者などの移動労働者
- 障害のある人
- 高齢者
- 未成年者
- 軍人とその家族
賃金未払い、福祉や年金の手続き、家庭内のトラブル、いじめや非行、軍人やその家族に関わる法律問題など、こうした層が抱える悩みは多岐にわたります。司法当局は、これらの人々が早い段階で相談できるよう、サービスのバランスとアクセスしやすさの向上を進めているとしています。
83万人の弁護士と年間4,000万件超の案件処理
中国の司法インフラを支える人材の層も厚みを増しています。司法省によると、現在の人員は次の通りです。
- 弁護士:83万人
- 仲裁人(民間紛争を裁定する専門家):6万7,000人
- 公証人(契約や文書の公的な証明を行う専門家):1万5,000人
- 司法鑑定人(専門知識を用いて鑑定を行う専門家):4万人
- 法律扶助の専任職員:1万2,000人
これらの専門家が取り扱う案件は、年間4,000万件を超えるとされています。数だけを見ても、紛争解決や法律相談を受け止める体制が大きく拡充されていることが分かります。
国際司法協力と「海外展開」を支える法務ネットワーク
中国は、国内の公共法律サービスの強化と並行して、国際的な法的ネットワークも広げています。司法省の発表によれば、同期間に次のような成果がありました。
- 司法共助(法的支援)に関する条約:91本を締結
- 受刑者移送に関する条約:19本を締結
- 国際司法共助案件:1万6,000件以上を処理
これに加えて、中国の法律事務所は、37の国と地域に計207の海外拠点を設けています。現地のネットワークを通じて、中国の人々や企業の「海外進出」を法的側面から支える体制づくりが進んでいる形です。
なぜ今、公共法律サービスの拡充が注目されるのか
多様な経済活動や社会の変化が続く中で、労働、消費、インターネット、家族など、法的なトラブルの形も複雑化しやすくなっています。公共法律サービスの整備は、こうした変化に対応し、社会の安定と権利保護を両立させる鍵の一つといえます。
国際ニュースの視点から見ると、中国が国内で法的インフラを整えつつ、国際的な司法共助や法務ネットワークを広げていることは、ビジネスや人の往来が増える中で、紛争解決のルールづくりにも影響を与える動きです。
第14次五カ年計画が最終年度を迎える中、公共法律サービスと国際司法協力の両面で、中国がどのような制度づくりを進めていくのか。今後も注目していく必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








