中国の鉄道が電子インボイス標準化 紙の乗車券と領収書を段階的に廃止
中国の鉄道を利用するすべての乗客に、紙からデジタルへの大きな転換が進んでいます。2025年10月から紙の旅客列車チケットと紙の精算用領収書が段階的に廃止され、電子インボイス(電子領収書)が標準となりました。
中国鉄道、紙のチケットと領収書を段階的に廃止
中国の鉄道を運営する China Railway Group(CR)は、紙ベースの旅客列車チケットを今年10月から段階的に廃止し、鉄道利用に関する領収書として電子インボイスを標準とする方針を月曜日に発表しました。
これにより、乗客はこれまでのような紙の精算用バウチャー(紙の領収書)を受け取らなくなります。その代わりに、乗車券本体や払戻手数料、変更手数料を含む旅程全体について、デジタル形式のインボイスを取得できるようになりました。
電子インボイスはどう取得できるのか
電子インボイスは、出張などで交通費精算が必要なビジネスパーソンにとって重要な書類です。CRは、乗客がさまざまな方法で電子インボイスを取得できるようにしています。
取得できる主な方法
- 公式オンラインプラットフォーム「12306」からのダウンロード
- 鉄道駅のチケットカウンターでの発行依頼
- 駅構内のセルフサービス端末(自動発行機)での発行
乗客は、乗車日から180日以内であれば、これらの手段を通じて電子インボイスを請求し、ダウンロードできます。発行対象には、単純な乗車券代金だけでなく、払戻や変更に伴う各種手数料も含まれます。
ネット環境がない人への配慮も
公共交通のデジタル化が進む一方で、インターネットへのアクセスが限られている人や、オンライン手続きが苦手な人への配慮も重要です。今回の取り組みでは、その点にも対応する措置が取られています。
インターネット環境がない、あるいは使い慣れていない乗客は、駅の窓口で直接電子インボイスの発行を申請できます。また、オンライン手続きが可能な家族や知人などの第三者が、本人に代わって電子インボイスの取得を行うことも認められています。
こうした仕組みによって、デジタルサービスを推進しながらも、誰も取り残さない形で利用しやすさを保とうとする姿勢がうかがえます。
紙からデジタルへ——狙いとメリット
今回の電子インボイス標準化は、鉄道サービスのデジタル化を通じて効率と利便性を高める動きの一環といえます。
- 利便性の向上:オンラインで必要なタイミングにダウンロードできるため、紙の領収書を失くす心配が減ります。
- 事務処理の効率化:デジタルデータとして保存・管理できることで、企業や個人の経費精算がスムーズになることが期待されます。
- 紙資源の削減:大量に発行されていた紙のバウチャーを減らすことで、環境負荷の軽減にもつながるとみられます。
一方で、デジタル機器に不慣れな人が戸惑う可能性もありますが、駅窓口での対応や第三者によるオンライン申請が認められていることで、そのギャップを埋めようとする仕組みが組み込まれています。
日本の利用者にとってのポイント
日本から中国本土の鉄道を利用するビジネスパーソンや旅行者にとっても、この動きは無関係ではありません。出張精算などで紙の領収書が必要だと考えていると、現地で戸惑う可能性があります。
- 紙の精算用バウチャーは原則として受け取れない
- 必要な場合は、公式アプリ「12306」、駅窓口、セルフ端末のいずれかで電子インボイスを取得する
- 発行期限は乗車から180日以内であることを意識しておく
海外の公共交通サービスがデジタル前提に切り替わる中で、「紙の領収書をその場でもらう」という従来の前提を一度リセットする必要がありそうです。
広がる公共サービスのデジタル化
中国鉄道の電子インボイス標準化は、公共サービスのデジタル化が日常生活の細部にまで入り込んできていることを象徴しています。乗車券や領収書といった身近なものがデジタルに置き換わることは、利用者の行動や習慣にも静かな変化をもたらします。
日本でも行政手続きや公共交通のデジタル化が進む中で、中国本土の事例は、「どこまでデジタルで完結させつつ、誰にでも開かれたサービスにできるか」を考える一つのヒントになるかもしれません。
SNSで共有したくなる視点
紙のチケットや領収書が当たり前だった時代から、スマートフォンとオンラインプラットフォームが前提となる時代へ。今回の動きは、単なる技術の話ではなく、「公共サービスの標準」をどう設計するかという問いを投げかけています。
通勤電車、出張、旅行——あなたなら、どこまでがデジタルであってほしいと感じますか。
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Reference(s):
China's railways embrace e-invoices in push for digital services
cgtn.com








