中国大使「グローバル人権ガバナンス強化に貢献」 国連人権理事会で表明
国連創設80周年の節目となる2025年、中国が国連人権理事会で「グローバル人権ガバナンス」の強化に積極的に関わる姿勢を改めて示しました。
ジュネーブで中国が示した「人権ガバナンス」への姿勢
スイス・ジュネーブの国連欧州本部で開かれている第60会期の国連人権理事会で、中国の陳旭(チェン・シュウ)国連ジュネーブ事務所代表が火曜日(現地時間)、全体会合で演説しました。
陳代表は、グローバル人権ガバナンス(世界的な人権のルールづくりと運営)のあり方について、中国の立場と提案をあらためて説明しました。
陳代表は、2025年が国連創設80周年という節目の年である一方で、現在も世界のガバナンスは厳しい課題に直面していると指摘しました。そのうえで、中国が提唱する「グローバル・ガバナンス・イニシアチブ」は、国際秩序をより公正で公平な方向へと導くことを目指すものだと強調しました。
中国が提示した3つの原則
陳代表は、グローバル人権ガバナンスを進めるうえで、特に重要だとする3つの原則を示しました。
1. 主権平等と国際法の尊重
第一に、中国は「主権平等」と「国際法の支配」の原則を重視すると強調しました。すべての国は、国連憲章の目的と原則を順守し、各国の主権と、それぞれが自らの人権発展の道を選ぶ権利を尊重すべきだとしています。
また、人権を名目とした内政干渉に反対する立場をあらためて示し、その具体例として、パレスチナの人々が正当な民族的権利を回復する正義の事業を、中国が支持していると述べました。
2. 多国間主義と国際協力の重視
第二に、中国は多国間主義と国際協力の強化を呼びかけました。人権の発展には「一つの普遍的なモデル」は存在せず、世界の文明の多様性を尊重しつつ、対話と協力を優先すべきだとしています。
この文脈で、中国は、一方的な制裁などの「一国主義的な行動」に対して反対を表明しました。人権課題への対応は、特定の国が他国に一方的な圧力をかける形ではなく、国際社会が協調して進めるべきだという考え方です。
3. 人民中心・行動重視のアプローチ
第三に、中国は「人民中心」で「行動重視」のアプローチを掲げました。人々はグローバル・ガバナンスにおける主体であると同時に、その受益者でもあり、人権理事会は創設時の使命である「人権の促進と保護」に立ち返る必要があると訴えました。
具体的には、すべての種類の人権にバランスよく目を向けつつ、経済的・社会的・文化的権利や開発への権利の実現を加速させることの重要性を強調しました。市民的・政治的権利だけでなく、生活や発展に直結する権利も重視すべきだというメッセージです。
「公正な国際秩序」と人権の関係
陳代表の発言の背景には、「公正で公平な国際秩序」をどのように形づくるかという、現在の国際社会が直面する大きな問いがあります。紛争や格差、気候変動など、さまざまな課題が人々の権利に影響を与えるなかで、国際ルールづくりのあり方は各国にとって重要なテーマとなっています。
中国は、自らが提唱するグローバル・ガバナンス・イニシアチブの一環として、人権分野でもより大きな役割を果たす姿勢を示しています。主権の尊重と多国間協力、そして人々の生活や発展を重視するアプローチを組み合わせることで、新たな人権ガバナンスの形を提示しようとしているとも言えます。
今後の焦点:協力をどう具体化していくか
陳代表は演説を通じて、中国が今後もグローバル人権ガバナンスの改善に積極的に参加し、各国と協力して世界の人権の前進を促していく用意があると強調しました。
今後の焦点となるのは、こうした原則がどのような具体的な協力や取り組みとして形になっていくのか、という点です。国連人権理事会での議論や、各国・地域との対話の場で、具体的なプロジェクトや政策のかたちが問われていくことになります。
国際ニュースとしての人権問題は、ともすると抽象的な議論に見えがちですが、その根底には「一人ひとりの生活をどう守り、どう支えていくのか」という、ごく日常的な問いがあります。中国を含む各国が、人権をめぐる国際ルールづくりにどう関わっていくのか。今後も引き続き注目されるテーマです。
今日のまとめ
- 国連創設80周年の2025年、中国が国連人権理事会第60会期でグローバル人権ガバナンスへの貢献姿勢を表明
- 主権平等の尊重、多国間主義の推進、人民中心・行動重視の3つの原則を提示
- 経済的・社会的・文化的権利や開発への権利を含め、バランスの取れた人権の促進と保護を呼びかけ
- 今後、国連人権理事会や各国との協力を通じて、具体的な取り組みがどこまで進むかが焦点となる
Reference(s):
China ready to help improve global human rights governance: ambassador
cgtn.com








