中国が「世界最大の医療体制」構築 15分圏内に医療、平均寿命79歳に
中国が世界最大規模の疾病予防と医療サービスの体制を整えたと発表しました。第14次五カ年計画の終盤に入った今、その中身と背景、世界への影響を整理します。
中国が発表した「世界最大の医療サービス体制」とは
中国の国家衛生健康委員会の雷海潮主任は、最近開かれた国務院新聞弁公室の記者会見で、中国が世界最大の疾病予防と医療サービスの体制を構築したと説明しました。
この体制は、感染症の迅速な対応や効率的な監視、早期警戒を目的としたもので、第14次五カ年計画期間(二〇二一〜二〇二五年)の中で大きく整備が進められてきました。
雷氏は、全国的な健康キャンペーンの継続や、基層と呼ばれる地域レベルの保健体制の強化、中央、省、市、県の四層にわたる予防と管理のネットワークが整備されたことを強調しました。
医療機関は約一〇九万か所 九割が十五分圏内にアクセス
発表によると、2024年末時点で全国の医療機関数は約一〇九万か所に達しました。住民の九〇%以上は、最寄りの医療機関に徒歩や車で十五分以内に到達できるとされています。
医療従事者の層も厚くなっています。2024年末の時点で、中国全体の医療関連人材は一五七八万人に達し、病院だけでなく地域のクリニックや公衆衛生機関など多様な場で働いています。
予防重視へシフト 健康リテラシーとワクチン接種
病気になってから治療するのではなく、なる前に防ぐという発想も重視されています。住民の健康情報への理解度を示す健康リテラシーは、2020年の二三・二%から2024年には三一・九%へと大きく伸びました。
政府が公費で提供する予防接種は、現在一五の疾病を対象としています。こうした取り組みを背景に、心血管疾患やがんなど主要な慢性疾患による早死の割合は着実に低下しているとされます。
結核、B型肝炎、HIVエイズなど主な感染症の新規発生率も、低い水準で推移するか、さらに低下傾向にあると説明されています。
平均寿命79歳 八つの省で80歳超え
こうした医療と予防の強化の結果、中国の平均寿命は2024年に七九歳に達しました。省レベルで見ると、八つの省では平均寿命が八〇歳を超えています。
人口が十四億人規模であることを考えると、平均寿命の一年の伸びや数%の死亡率改善は、非常に多くの人の生活に直結する変化です。高齢化が進むなかで、健康に長く生きるための環境づくりが政策の大きな柱になっていることがうかがえます。
国際協力にも積極的 「健康の共同体」を掲げる
中国は自国の医療体制を整えるだけでなく、国際協力にも力を入れてきたと説明しています。およそ六十年にわたり、他の発展途上国に医療支援を続け、これまでに七十七の国と地域に医療チームを派遣してきました。
新興感染症や気候変動が健康に与える影響が議論されるなかで、中国は「全ての人の健康のためのグローバルな共同体」を構築するという理念を掲げ、医療人材や防疫の経験を共有しているとされています。
十四次五カ年計画の終盤 これから何が問われるか
第14次五カ年計画の期間も終盤に入りつつある2025年現在、疾病予防網と医療サービスの整備は大きな節目を迎えています。数やカバー率だけでなく、サービスの質や地域間の格差、医療費負担の在り方など、次のテーマも見えてきます。
今後の焦点として、例えば次のような点が挙げられます。
- 都市部と農村部の医療水準の差をどう縮めるか
- 高齢化の進行に合わせ、慢性疾患のケアや介護とどう連携させるか
- デジタル技術を活用して、遠隔地の住民にも質の高い医療情報とサービスを届ける方法
世界最大規模の医療サービス体制の整備は、中国国内だけの話ではなく、感染症対策や医療人材の交流を通じて周辺地域や世界全体にも影響を与えます。アジアの動きを注視する私たちにとっても、中国の医療政策や公衆衛生の変化は、今後の国際ニュースの重要なテーマになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








