CIFTIS 2025で広がるアフリカと中国のサービス貿易協力
CIFTIS 2025(中国国際サービス貿易交易会)は、アフリカと中国のサービス貿易やテクノロジー協力の最前線を映し出す国際ニュースとして注目されています。今年も世界の対話とパートナーシップを促す重要なプラットフォームとなりました。
テーマは「Embrace Intelligent Technologies, Empower Trade in Services」。デジタル技術を取り入れてサービス貿易を強化することが掲げられ、アフリカと中国の関係も、モノの売買を超えて、文化交流や技術協力、持続可能な開発へと広がりつつあります。
会場では、ナミビア商工会議所のティタス・ナンパラ氏や、ルワンダのコーヒー輸出企業フェニックス・ベンチャーズ・リミテッド(Phoenix Ventures Limited)CEOのエマ・ムティジマ氏など、アフリカのビジネスリーダーが、中国とのサービス貿易をどう活用し、どのような未来を描いているのかを語りました。
CIFTIS 2025とは? アフリカと中国をつなぐサービス貿易の場
CIFTISは、サービス分野の貿易に特化した国際的な見本市であり、世界各地から多様な参加者が集まり、協力の可能性を探る場です。2025年の会合でも、デジタル技術や文化交流、観光、グリーン技術など、サービス産業に関わる多様なテーマが取り上げられました。
特に注目されたのが、アフリカと中国がサービス貿易を通じて、単なる「買い手と売り手」の関係から、技術や人材、文化を共有する長期的なパートナーシップへと進もうとしている点です。
現場の声:ルワンダとナミビアから見た可能性
ルワンダ・コーヒーが運ぶ「物語」とサプライチェーン
エマ・ムティジマ氏は、ルワンダ産コーヒーを世界に届ける輸出企業の経営者として、CIFTISへの参加を「ブランドと物語を伝える機会」と位置づけています。今回が2回目の参加で、初回からすでに有力なパートナーと出会い、中国市場にルワンダのコーヒーを紹介する成果があったと振り返ります。
初めて参加したときから成功でした。価値あるパートナーと出会い、ルワンダのコーヒーを中国の新しいお客さまに紹介できたのです。今年はさらに、展示会全体が一段と多様でダイナミックになっていると感じます。
ムティジマ氏が強調するのは、単にバイヤーを探すのではなく、農家や地域社会も含めた「持続可能なサプライチェーン」を一緒に築いてくれる長期的なパートナーを見つけることです。
私たちが持ち込んでいるのはコーヒー豆だけではありません。農家の物語、文化の物語、人々のレジリエンス(しなやかな強さ)そのものです。CIFTISのような場は、アフリカのブランドが、自分たちの製品にアイデンティティと誇りが込められていることを示せる強力なプラットフォームだと思います。
私たちにとって大事なのは、単に取引を成立させることではなく、橋をかけることなのです。
ナミビア企業が重視する「生産」と「技術移転」
ナミビア商工会議所CEOのティタス・ナンパラ氏は、こうした国際見本市を活用する際に「どう両国をつなぐのか」「どのように自国の文化を輸出するのか」という視点が欠かせないと語ります。
このような博覧会に参加するとき、鍵となる問いの一つは「二つの国をどうつなぐのか」「文化をどう輸出するのか」です。それにはさまざまな形があり得ます。
ナンパラ氏はまた、アフリカが「他国の製品を消費するだけの存在」であることから脱却し、自ら生産し、地域として付加価値を生み出す必要性を指摘します。持続可能性や食料安全保障を重視しつつ、中国のパートナーから学び、投資案件に技術移転と地元企業の参加を組み込むことが重要だと強調します。
アフリカは、自分たちでものを生産し始めなければなりません。ときには、それは自国や地域ブロックから始まります。他の国の製品をただ消費するだけではいけません。持続可能性と食料安全保障が極めて重要です。中国のパートナーから学びつつ、投資案件には技術移転と地元ビジネスの関与を必ず含めるべきです。
5つの論点で見るアフリカと中国のサービス貿易
今回の議論からは、アフリカと中国のサービス貿易協力を考えるうえで、次の5つのポイントが浮かび上がります。
- 文化交流を経済戦略に
アフリカの参加者たちは、CIFTISのような国際見本市を、単なる商品展示の場ではなく、自らの物語や歴史、アイデンティティを伝える機会として活用しています。これによってブランド価値が高まり、人と人とのつながりも深まります。 - 資源輸出から「付加価値」へ
コーヒーや鉱物、農産物などの一次産品をそのまま輸出するのではなく、現地で加工し、付加価値を高めた製品として輸出していこうとする動きが強まっています。アフリカの企業は、バリューチェーン(価値の連鎖)の上流から下流まで、より広い部分を自ら担おうとしています。 - 技術移転とイノベーション
中国とのパートナーシップは、知識の共有やグリーン技術、デジタル・イノベーションにますます焦点が当てられています。ルワンダやナミビアなどは、すでにモバイルマネー、電子政府、再生可能エネルギーといった分野で先行しており、こうした強みを生かしながら新しいサービスを共に生み出そうとしています。 - 観光と地域統合
サービス貿易のなかでも観光は重要な分野です。ビザ制度を緩和し、物流を改善し、「アフリカ全体」を一つの観光地として発信していくことが、地域の統合とサービス貿易の拡大にとって鍵になるとされています。 - アフリカを「イノベーションの相手」として位置づける
アフリカは単に技術を導入する側ではなく、地域の実情に合った解決策を共に生み出す「イノベーションパートナー」としての存在感を高めています。電動モビリティやAI(人工知能)応用などの分野でも、アフリカの起業家や技術者が、中国のパートナーと並んで未来を形づくりつつあります。
「リープフロッグ」への期待と今後
議論の締めくくりとして、ナンパラ氏は、アフリカがパートナーシップを通じて「リープフロッグ」(段階を飛び越えた成長)を遂げる可能性に言及しました。
車輪を発明し直す必要はありません。大事なのは、ゴールから逆算して考えることです。自分たちの資源、若者たち、そしてパートナーシップをどう活用すれば、未来へと飛躍できるのか。それを考えなければなりません。
CIFTIS 2025は、アフリカと中国の関係が、多面的でイノベーション重視のパートナーシップへと進化していることをあらためて示しました。互恵性、持続可能性、そして共通の成長を重んじながら、サービス貿易とテクノロジーを通じて「共に未来をつくる」動きが、今後どこまで広がっていくのか。2025年の議論は、その行方を占う重要な手がかりになっています。
Reference(s):
CIFTIS 2025: How Africa benefit from China's trade in services
cgtn.com








