中国映画を支えるベテラン小道具師チョン・キムワイの38年 video poster
中国映画を裏側から支えるプロップマスターの仕事
中国映画の世界には、観客の目に直接映らないところで作品を支える職人たちがいます。その一人が、映画のセットや小道具を総合的に管理するプロップマスター、チョン・キムワイさんです。38年間にわたり現場で経験を積んできたベテランは、中国映画の進化とともに歩んできました。
38年で100本以上の作品に参加
チョンさんは、これまでに100本を超える映画作品に携わってきました。代表的な作品には、武侠映画の人気作『New Dragon Gate Inn』や、SF大作『The Wandering Earth 2』などがあります。ジャンルも時代も異なる作品の中で、物語の世界観を支える小道具やセットを作り上げてきました。
彼が大切にしているのは、よく作り込まれたセットが観客を物語の中に引き込むという信念です。背景の一つひとつ、机の上の小さな道具までが、登場人物の人生や物語の空気を伝えると考えています。
手作りから高度な工業製造へ
映画の現場では、かつては多くの小道具が職人の手作業で作られていました。チョンさんは、その時代から現在に至るまで、手作りの小道具から、より高度な工業的な製造プロセスへと移り変わる中国映画の現場を、目の前で見てきました。
素材や技術が進化し、工業製造の比重が高まる一方で、作品ごとに求められる質感やリアリティを見極める目は、今も人の経験と感性に支えられています。チョンさんは、そうした変化の中で、自らも工夫を重ねながら、中国映画の表現を形づくってきました。
若い世代へ技と経験をつなぐ
現在、チョンさんが強く意識しているのは、次の世代への継承です。長年培ってきたノウハウを惜しみなく伝えたいと語り、「自分の知っていることは何でも共有したい。若い人たちが自分と同じように映画を愛し、中国映画に貢献してくれることを願っている」と話します。
中国映画の制作現場は、技術革新とともに変化し続けています。その中で、経験豊かな職人が若い人材を育てることは、作品の質だけでなく、産業全体の持続性にとっても重要です。中国映画の成功や受賞が国際ニュースとして取り上げられるとき、その背後には、こうした見えない努力が積み重なっています。
観客としてできること
映画を観るとき、私たちはついストーリーや俳優に目を向けがちですが、背景にあるセットや小道具にも意識を向けてみると、新たな発見があります。一つの椅子、一枚の紙、壁の質感までが、物語の説得力を支えています。
チョン・キムワイさんのようなプロップマスターの存在を知ることは、中国映画だけでなく、アジアの映画文化を見る視点を少し広げてくれます。次に中国映画を観るとき、画面の端にある小さな小道具にも、職人たちの物語が宿っていることを思い出してみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
Prop master crafts sets, objects over 38 years for Chinese cinema
cgtn.com







