韓国から中国人民志願軍30人の遺骨返還 中韓が第12回引き渡し式 video poster
韓国から中国人民志願軍兵士30人の遺骨が中国へ帰還しました。朝鮮戦争期の戦没者の遺骨返還は今回で12回目となり、中韓両国が歴史と向き合い続ける国際ニュースとして注目されています。
韓国から中国へ、30人の遺骨が帰還
中国大使館によると、中国と大韓民国(Republic of Korea=ROK)は金曜日、韓国の仁川国際空港で、中国人民志願軍(CPV)兵士30人の遺骨と遺品の引き渡し式を共同で行いました。
遺骨が見つかったのは、1950〜1953年の抗美援朝戦争(国際的には朝鮮戦争と呼ばれる)に関連する戦場跡とされています。戦闘から70年以上がたった今も、こうした発掘と返還の取り組みが続いています。
仁川国際空港で第12回引き渡し式
今回の第12回引き渡し式は、ソウル西方にある仁川国際空港で行われました。式典には、中国退役軍人事務省のMa Feixiong副部長や、駐韓国中国大使のDai Bing氏などが出席し、敬意を表しました。韓国側の関係者も参列し、遺骨返還のための協力を確認しました。
遺骨とともに兵士たちの遺品も中国側に引き渡され、参列者は黙とうをささげるなどして戦没者を悼みました。
抗美援朝戦争と中国人民志願軍
中国人民志願軍は、1950〜53年の抗美援朝戦争において朝鮮半島に派遣された中国軍の部隊です。中国で用いられるこの呼称には、米軍の侵略に抵抗し、朝鮮を支援するという意味合いが込められています。
当時、多くの兵士が朝鮮半島の戦場で命を落とし、その遺骨の一部はいまも現地に残されたままです。そのため、発掘と身元の特定、母国への返還は、長期にわたる国家的な課題となってきました。
遺骨返還が持つ三つの意味
戦後から長い年月がたった今も続く遺骨返還には、少なくとも次の三つの意味があります。
- 戦没者と遺族への敬意:国家のために命をささげた兵士を最後まで故郷に帰すことは、遺族への責任であり、社会全体の記憶をつなぐ営みでもあります。
- 歴史認識の共有:発掘や返還の過程で、両国は戦争の記録や資料を突き合わせる必要があります。これは、歴史を検証し続けることにつながります。
- 人道分野での協力:政治や安全保障をめぐる意見の違いがあっても、戦没者の扱いをめぐる協力は、対立を超えた人道的な連携の象徴となります。
中韓関係の中の静かな連携
中韓関係は、経済、安全保障、歴史認識などさまざまな課題を抱えながらも、実務レベルでは多層的な協力が続いています。戦没者の遺骨返還も、その一つです。
今回のように、両国政府が共同で式典を行い、軍人への敬意をともに示すことは、政治的なメッセージというよりも、人道と歴史への責任を確認し合う場として位置づけられます。
読者が考えたい戦争の記憶とこれから
ニュースとして読むと一瞬で通り過ぎてしまいがちですが、今回の遺骨返還は、私たちにいくつかの問いを投げかけています。
- 戦争から70年以上たった今、私たちは何をどのように記憶し続けるのか。
- 教科書やニュースに出てくる戦争と、個々の兵士や家族の物語を、どう結びつけて想像するのか。
- 日本を含む東アジアの国々は、戦没者の遺骨や記憶をどのように扱っていくべきか。
日々の国際ニュースの背後には、こうした長い時間軸で続く人道的な取り組みがあります。忙しい日常の中でも、ほんの少し立ち止まり、戦争と平和について自分なりの視点を更新するきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
Remains of 30 Chinese martyrs in Korean War returned home from ROK
cgtn.com








