中国、朝鮮戦争の志願軍兵士30人の遺骸を瀋陽で埋葬 韓国から12回目の返還 video poster
中国東北部の遼寧省瀋陽市で土曜日、朝鮮戦争(中国名「抗美援朝戦争」)で戦死した中国人民志願軍(CPV)兵士30人の遺骸が埋葬されました。韓国(大韓民国、ROK)から返還された遺骸を祖国で手厚く弔う儀式は、国際ニュースとしてだけでなく、戦争の記憶をどう引き継ぐかという問いも投げかけています。
瀋陽で営まれた静かな埋葬式
埋葬式が行われたのは、中国東北部・遼寧省瀋陽市にある中国人民志願軍烈士陵園です。朝鮮戦争(1950〜1953年)に参戦し命を落とした兵士たちを顕彰する場所として知られています。
今回埋葬されたのは、戦死後、これまで韓国にとどまっていた中国人民志願軍の兵士30人の遺骸です。式典では、儀仗兵が最高礼遇とされる12発の礼砲を放ち、倒れた兵士たちに敬意を表しました。
その後、軍楽隊が追悼曲「追悼歌」を演奏するなか、兵士たちが棺を静かに運び、烈士陵園の一角に丁重に納めました。埋葬の前には、祖国への「帰還」を象徴するかたちで、中国国歌も演奏されています。
韓国からの返還と「ウォーターサルート」
これに先立ち、30人の遺骸と267点の遺品は金曜日の朝、韓国での引き渡し式を経て中国側に正式に引き渡されました。その後、中国空軍の大型輸送機Y-20によって瀋陽まで空輸されています。
瀋陽桃仙国際空港に到着した際には、「ウォーターサルート」と呼ばれる特別な儀式で迎えられました。これは、滑走路の両側に並んだ放水車が水のアーチをつくり、その下を航空機が通過するもので、英雄や特別な任務に対する敬意の表現とされています。
空港での出迎え式の後、遺骸は厳重な護衛のもとで烈士陵園へと運ばれ、翌日の埋葬式につながりました。
2014年から続く12回目の返還
今回の返還は、2014年に中国と韓国が締結した協定に基づく取り組みの一環です。協定のもとで両国は、韓国で発見・収容された中国人民志願軍兵士の遺骸を中国に引き渡すことに合意してきました。
今回で返還は12回目となり、これまでに引き渡された遺骸は合計1,011人分に上ります。戦後70年以上を経てもなお、身元の分からない兵士たちを故郷の土に帰そうとする取り組みが、粘り強く継続されていることが分かります。
こうした人道的な協力は、中国と韓国の関係が政治や経済の面で揺れる場面があったとしても、戦争犠牲者への敬意という共通の土台があることを示す取り組みといえます。
戦争の記憶をどう引き継ぐか
朝鮮戦争(抗美援朝戦争)が終結してから、すでに70年以上が経ちました。当時前線に立った兵士たちの多くはすでにこの世を去り、戦争体験を直接語れる人は少なくなっています。
その一方で、今回のように戦没者の遺骸が丁重に扱われ、国を挙げて追悼される光景は、若い世代にとって戦争の記憶を考えるきっかけにもなります。
- なぜ彼らは戦地に向かったのか
- その犠牲は、現在の地域秩序や安全保障とどのようにつながっているのか
- 戦没者を悼むことと、平和を守るために何ができるのか
こうした問いを静かに投げかけるからこそ、今回の埋葬式は中国国内だけでなく、国際ニュースとしても注目されています。
国境を越える「弔い」の意味
遺骸の返還は、単に過去の整理ではなく、現在と未来に向けたメッセージでもあります。戦場となった韓国で見つかった遺骸を、中国へと送り返すプロセスには、国境を越えた「弔い」の共同作業という側面があります。
今回、韓国での引き渡し式から瀋陽での埋葬式まで、軍や関係者が一貫して厳粛な雰囲気の中で儀式を行ったことは、戦没者を国を問わず尊重する姿勢を物語っています。
中韓両国によるこうした取り組みが続くことは、東アジアの緊張緩和や信頼醸成を考えるうえでも、小さくない意味を持つといえるでしょう。
Reference(s):
Chinese martyrs from Korean War laid to rest in solemn ceremony
cgtn.com








