フランス発ミュージカルの魔法 中国の観客を魅了した「モーツァルト」スター video poster
フランス発の人気ミュージカル『Mozart, L'Opéra Rock(モーツァルト、ロック・オペラ)』で知られるメリッサ・マーズさんとノエミー・ガルシアさんが、この夏、中国の観客を魅了しました。2025年8月に上海と北京で行われたコンサートの舞台裏や、中国の観客への印象について、2人がCGTNの取材に語りました。
フランス発ミュージカルスターの中国公演
『Mozart, L'Opéra Rock』で世界的な人気を獲得した2人は、これまで世界各地で観客を魅了してきました。中国でも例外ではなく、彼女たちの歌声とステージは、多くのファンの心をつかんでいます。
今年8月の上海と北京公演は、「Noémie Garcia and Melissa Mars: Wonder Power」と題されたコンサートでした。フランスのミュージカル曲からブロードウェイ作品まで、幅広い楽曲が披露され、フランス発のミュージカルカルチャーと世界の名曲が一つのステージに並んだ形です。
上海と北京での「Wonder Power」
ステージでは、それぞれの個性を生かしたソロ曲やデュエットが織り交ぜられました。メリッサ・マーズさんは、同じミュージカル作品を通じて観客とつながる手応えをこう語ります。
「観客は、同じミュージカルの中で、私たち一人ひとりを別々に知ることができました。観客にはミュージカルが好きな傾向があります。だからこそ、それが私たちとつながる方法になったのだと思います」とマーズさんは話します。
フランス語圏の作品と英語圏の作品が並ぶセットリストは、中国の観客にとっても新鮮でありながら、どこか親しみを感じられる構成だったと言えます。言語は違っても、メロディーや物語、そしてライブならではの熱量が、会場の空気を一つにしていきました。
観客が「セットリストで予習」する文化
ノエミー・ガルシアさんが特に印象的だったと語るのは、中国の観客の熱量です。彼女は、観客が公演前からセットリストをチェックし、知らない曲を積極的に覚えてくる様子に驚いたといいます。
- 事前にセットリストを確認している
- 知らない曲があれば覚えてから来場する
- その熱意が、公演中の深い一体感につながる
ガルシアさんは「観客は事前にセットリストを手にしています。知らない曲があれば、前もって覚えてきてくれるんです」と話し、その熱意がステージ上での強い結びつきを生むと続けます。「本当に特別な時間です」とも語りました。
観客が受け身で鑑賞するのではなく、「一緒に歌い、一緒に盛り上げる」ために準備をしてくる。このスタイルは、オンラインで楽曲にすぐアクセスできる時代ならではの楽しみ方とも言えます。ステージと客席の境界が少しずつ溶けていく感覚を、2人も強く感じていたようです。
「新顔」と「旧友」がつくるつながり
取材記事の見出しには「A 'newcomer' and an 'old friend'」という言葉も添えられています。新しくその音楽に出会う人と、すでに作品をよく知る人。その両方が同じ空間に集まることで、コンサートは単なるライブを超えた「出会いの場」になります。
中国の会場でも、初めてフランスのミュージカルに触れる観客と、すでに『Mozart, L'Opéra Rock』をきっかけに2人を知っていた観客が混ざり合い、さまざまなレベルの「初めまして」が生まれていたことが想像できます。そこにあるのは、「どこから来た誰か」ではなく、「同じ音楽を好きになった仲間」という感覚です。
音楽がつなぐ国境を越えた共感
メリッサ・マーズさんとノエミー・ガルシアさんの中国公演は、フランスのミュージカルカルチャーと中国の観客の熱量が出会う場となりました。セットリストを事前に学び、ステージとともに歌い、物語に入り込もうとする姿は、ライブ文化の一つの成熟した形とも言えます。
音楽や舞台芸術は、言葉や国境を越えて共有される数少ない体験の一つです。今回の公演で語られたエピソードは、「作品をどう受け取るか」という観客側の姿勢が、ステージのクオリティやアーティストの感情にも大きく影響することを示しています。
スクリーン越しのコンテンツがあふれる2025年にあっても、同じ会場で同じ時間を共有するライブ体験は、なお特別な意味を持ち続けています。フランスからやってきた2人のミュージカルスターと中国の観客が生み出した、この「特別な時間」は、国際ニュースとしてだけでなく、私たち自身の観劇の向き合い方を考えるヒントにもなりそうです。
Reference(s):
French stars of 'Mozart, L'Opéra Rock' bring their magic to China
cgtn.com







