新疆ウイグル自治区の彩り:サッカーとイチジクがつなぐ村の暮らし
新疆ウイグル自治区の彩り:サッカーとイチジクがつなぐ村の暮らし
中国本土の新疆ウイグル自治区にあるキジルス・キルギス自治州は、サッカーとイチジクという少し意外な組み合わせで注目を集めています。100年以上続く村のフットボール文化と、「中国イチジクの里」と呼ばれる果樹の村。その二つの物語を、日本語で分かりやすく紹介します。
キジルス・キルギス自治州という舞台
キジルス・キルギス自治州は、新疆の中でもサッカーと果樹栽培が暮らしの中心にある地域として描かれています。村のグラウンドやイチジク畑は、地域の人びとの日常と誇りを象徴する場所になっています。
1908年から続くイエクサク村のフットボール
アルトゥシュ市にあるイエクサク村では、サッカーは単なるスポーツではなく、100年以上受け継がれてきた生活の一部です。記録によると、この村では1908年からフットボールが行われてきました。
村の特徴は、今もなお手作りの道具でプレーを続けていることです。
- 綿を詰めた革製の手作りボールを使用
- 中国でも最も古いサッカーグラウンドの一つとされるピッチ
- 子どもから高齢者まで、世代を超えてボールを追いかける姿
村人にとって、サッカーは世代をつなぐ共通言語のような存在です。強い日差しの下でもピッチに集まり、プレーを楽しむ姿は、「パミールの太陽」のようにあたたかい情景として語られています。
「中国イチジクの里」アジハン村の甘い実り
一方、アジハン村は「中国イチジクの里」として知られています。ここには6,200ムー(約413ヘクタール)ものイチジク畑が広がり、中国でも最も甘く、糖度の高いイチジクが実るとされています。
村では、この自然の恵みを生かして多彩な商品づくりが進んでいます。
- 採れたての生イチジク
- イチジクジャムやペースト
- 乾燥イチジクなどの加工品
- イチジク入り月餅といった菓子類
これらの製品は、コールドチェーン(低温管理された物流)を通じて、中国本土各地へ出荷されています。果物そのものだけでなく、加工・流通まで含めた「産業」として村の経済を支えている点が特徴です。
サッカーと果樹が映し出す地域の今
サッカーに熱中するイエクサク村と、イチジク産業で知られるアジハン村。一見まったく違う二つの村ですが、共通しているのは、地域の人びとが自分たちの手で暮らしを形づくっているという点です。
前者は、1908年から続くフットボール文化を大切に守りながら、世代を超えたつながりを育んでいます。後者は、土地がもたらす甘い果実を起点に、加工や物流へと付加価値を広げています。
2025年のいま、新疆ウイグル自治区のこうした物語は、国際ニュースの大きな見出しにはなりにくいかもしれません。しかし、地域に根ざしたスポーツと産業の組み合わせが、人びとの暮らしをどのように豊かにしているのかを知ることで、中国本土の多様な姿を少し立体的にイメージできるようになります。
通勤時間の数分で読める小さなニュースかもしれませんが、次に「新疆」という地名を目にしたとき、サッカーのボールと甘いイチジクの実が並ぶ風景が頭に浮かぶ──そんな新しいイメージを持てるきっかけになるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








