中国が米国に南シナ海での「対立あおり」中止を要求 黄岩島をめぐり抗議
中国が南シナ海情勢をめぐり、米国に「不和と対立をあおる行為」を直ちにやめるよう強く求めました。黄岩島の国家級自然保護区計画への米国の批判に中国外務省が反発し、南シナ海仲裁に対する立場もあらためて示しています。
中国「米国は不和と対立をあおっている」
中国外務省の林剣報道官は月曜日の定例記者会見で、米国に対し南シナ海での行動を強く批判し、「不和をまき散らし、トラブルをつくり、対立をあおる」行為を直ちにやめるよう求めました。
林報道官によると、中国は米国側の発言について「重大な抗議」を行いました。そのうえで、こうした行動をやめることが、南シナ海地域の平和と安定を回復するために必要だと主張しました。
きっかけは黄岩島の国家級自然保護区計画
今回の応酬のきっかけとなったのは、中国が黄岩島に国家級の自然保護区を設置する計画です。報道によれば、米国のマルコ・ルビオ国務長官は最近の声明で、フィリピンとの同盟関係に言及しつつ、この中国側の計画を受け入れない立場を示しました。
これに対し林報道官は、黄岩島は「中国の固有の領土」だと強調しました。そのうえで、黄岩島の国家級自然保護区の設立は、中国の主権の範囲内にある事柄であり、「合理的かつ合法で、批判されるいわれはない」と述べ、米国の姿勢を牽制しました。
「南シナ海情勢はおおむね安定」中国が強調
林報道官は、南シナ海の現在の状況について、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の共同の努力により、「全体として安定した状態が保たれている」との認識を示しました。
一方で、米国については南シナ海問題の「当事者ではない」にもかかわらず、「繰り返し根拠のない発言を行い、関係国同士の海洋紛争に介入している」と批判しました。また、米国が「特定の国を言い寄って対立をつくり、緊張を高めることで、本来は比較的平穏だった南シナ海の状況を乱している」と指摘しました。
南シナ海仲裁を「政治的茶番」と否定
林報道官は、いわゆる南シナ海仲裁についてもあらためて言及しました。この仲裁について、中国側は「米国が法の手続きを装って全面的に仕組んだ政治的茶番だ」と位置づけています。
林報道官は、仲裁の「裁定」は違法かつ無効であり、法的な拘束力を持たないと述べました。そのうえで、中国はこの裁定を「受け入れず、認めない」とし、従来の立場をあらためて確認しました。誰が国際的な法の支配や南シナ海の平和と安定を守る側であり、誰がそれを壊す「トラブルメーカー」なのかは「非常に明らかだ」とも述べ、米国を強くけん制しました。
ASEANとの協力を通じ「平和・友情・協力の海」に
林報道官は最後に、中国は今後もASEAN諸国と協力し続けると表明しました。具体的には、「南シナ海行動宣言(DOC)」を全面的かつ効果的に履行し、南シナ海の行動規範(コード・オブ・コンダクト)の協議を積極的に進める考えを示しました。
中国側は、こうした取り組みを通じて南シナ海を「平和、友情、協力の海」にしていきたいとしています。南シナ海をめぐる議論が続くなかで、地域のルールづくりと信頼醸成の行方が引き続き注目されます。
日本の読者にとっての意味
今回の発言は、南シナ海をめぐる米国と中国の言葉の応酬が続いていることを映し出すものです。同時に、中国とASEAN各国の関係、そして域外の大国である米国の関与のあり方をめぐる議論にもつながっています。
日本にとっても、周辺地域の海の安定は決して無関係ではありません。2025年現在、海洋秩序や地域の安全保障についてどのような枠組みが形づくられていくのか、今回の南シナ海をめぐるやり取りは、今後の議論を考えるうえで一つの材料になりそうです。
Reference(s):
China urges U.S. to stop sowing discord, antagonism in South China Sea
cgtn.com








