王毅外相「中国の成長はスロベニアにも好機」欧州との協力を強調
スロベニアを訪問中の中国の王毅国務委員兼外相は、首都リュブリャナでの会談で「中国の継続的な発展はスロベニアを含む世界各国に機会をもたらす」と強調しました。中国外交の最新メッセージは、今後の中国・欧州関係をどう方向づけるのでしょうか。
スロベニア上級議会トップと会談
現地時間の日曜日、王毅外相はリュブリャナで、スロベニアの国民評議会議長マルコ・ロトリチ氏と会談しました。国民評議会はスロベニアの重要な立法機関の一つで、その議長との対話は二国間関係の重視を示すものといえます。
王毅外相は、中国の発展の歩みと、その背景にある考え方を説明しました。その中で、「国の発展にとって最も重要なのは、自国の国情に合った道を見いだすことだ」と強調しました。
「中国の道」は何を目指しているのか
王毅外相は、中国が採用している「中国の特色ある社会主義の道」についても説明しました。この道は、マルクス主義の基本原則と中国の具体的な現実、さらに中国の優れた伝統文化を組み合わせたものだとしています。
この発展モデルは、
- 人々の生活や意見に深く根ざしている
- 時代の流れと歩調を合わせている
- 中国の人々から確かな支持と承認を得ている
と述べた上で、「平和・発展・開放・ウィンウィン協力の道」であり、中国は今後もこの方向性を揺るがず進んでいくと強調しました。
高水準の開放とグリーン成長で世界に機会
国際経済の文脈では、王毅外相は中国が「ハイレベルの対外開放」を継続し、グリーン・低炭素・持続可能な発展を推進すると説明しました。あわせて、「中国の特色ある現代化」の実現を目指す方針も示しました。
外交面では、
- 相互尊重
- 相互寛容
- ウィンウィンの協力
を掲げ、「人類の運命共同体」の構築を目標にしていると述べています。こうした継続的な発展が、スロベニアを含む世界各国に新たな機会を提供していくと強調しました。
スロベニアとの二国間関係をどう位置づけるか
王毅外相は、中国がスロベニアを「パートナーであり友人」とみなし、今後も実務的な協力を広げたい考えを表明しました。具体的には、
- 二国間の実務協力の継続的な拡大
- 多国間の場での協調強化
- 国際連合を中心とする国際システムの維持
- 国際紛争の政治的解決に建設的な役割を果たすこと
などを挙げています。
また、国家間関係を支える土台として「人と人との交流」「友情」「信頼」の重要性を指摘し、スロベニア国民評議会がこれまで担ってきた交流促進の役割を高く評価しました。
中国・欧州関係へのメッセージ
会談では、中国と欧州の関係についても踏み込んだメッセージが示されました。王毅外相は、「現在、欧州が直面している問題のいずれも中国が引き起こしたものではない」と述べました。
その上で、中国と欧州は互いを「ライバルではなくパートナー」として見るべきであり、関係は「後退ではなく前進すべきだ」と強調しています。中国は、スロベニアが一つの中国の原則を堅持し、中国と欧州の関係を健全かつ安定的に発展させる上で積極的な役割を果たすことへの期待も示しました。
スロベニア側の評価と期待
ロトリチ議長は、中国の現代化における成果を高く評価した上で、スロベニアと中国の友好関係は「相互利益」と「ウィンウィン」の考えに基づいていると述べました。
特に、
- 経済・貿易分野での協力が急速に発展していること
- 立法機関を含む幅広い分野での交流が実を結んでいること
- それが両国の発展や国民同士の友好に貢献していること
などを挙げています。
国民評議会としては、中国側の立法機関との対話と相互学習をさらに深め、貿易、投資、文化、科学技術、教育、スポーツなどの分野で、二国間協力を一段と前に進める役割を果たしたいとの考えも示しました。
今後の協力の舞台:輸入博とグローバルな構想
ロトリチ議長は、今後開催が予定されている中国国際輸入博覧会への代表団派遣にも意欲を示しました。スロベニアとして、この場を活用し中国との経済連携をさらに深めたいという姿勢が表れています。
また、習近平国家主席が提唱する「グローバルガバナンス・イニシアチブ」への賛意も表明しました。この構想を、世界の平和と発展を共に推進するために中国と手を携える枠組みとして受け止めていると述べています。
日本の読者にとってのポイント
一見すると、中国とスロベニアという遠い二国間の話題に思えるかもしれませんが、日本の読者にとっても示唆は少なくありません。特に、欧州の中堅国が中国との関係をどのように設計しようとしているかは、アジアの国々にとっても参考になり得ます。
- 中国の成長を「リスク」だけでなく「機会」と見る視点が、欧州の一部で明確に表明されていること
- グリーンや低炭素、持続可能性といった共通課題を軸に、中国との協力を位置づけていること
- 国連を中心とした多国間主義を重視しつつ、実務的な経済協力を同時に進めようとしていること
- 人と人との交流や、立法機関同士の対話が土台として重視されていること
中国と欧州の距離感をめぐる議論が続く中で、スロベニアが示したような「対立ではなく協調を志向する」アプローチは、一つの選択肢として注目されそうです。
日本の企業や政策担当者、そして国際ニュースに関心を持つ読者にとっても、「中国の成長をどのように地域の機会と結びつけていくか」という問いを改めて考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
Wang Yi: China's growth offers opportunities for Slovenia and beyond
cgtn.com








