国際ニュース:中国「ウルムチ宣言」2025年立法者フォーラムを読む
2025年9月14日、新疆ウイグル自治区ウルムチで開かれた「2025立法者友好交流フォーラム」で採択された「ウルムチ宣言」の全文が公表されました。世界各地の議員が参加したこの国際ニュースは、多極化、経済グローバル化、人権、グリーン開発など、2025年現在の国際社会の焦点を一つにまとめています。
ウルムチ宣言とは何か
「2025立法者友好交流フォーラム」は、世界5大陸からの現職・元議員60人余りと、中国の全国人民代表大会(National People's Congress)および各級人民代表大会の代表60人余りが参加した会合です。会場は新疆ウイグル自治区のウルムチで、テーマは「共通かつ持続可能な発展のためのグローバル・パートナーシップ」でした。
Forumの期間中には、中国全国人民代表大会常務委員会のChairmanであるZhao Leji氏が北京で参加者と会見し、Vice ChairmanのShohrat Zakir氏が開会式で基調演説を行いました。
議論のトピックは次のように多岐にわたりました。
- ハイレベルで質の高い「一帯一路」協力
- 生態保護とグリーン開発
- 地域の民族区域自治と人権保護
- 少数民族文化の保護
- 民族団結と共同発展
あわせて、EU諸国の議員との対話「Dialogue with Legislators of EU Countries」や、「Global South Legislators Dialogue」も開催されました。こうした議論を踏まえた参加者の主要な視点を、中国側が整理したものが「ウルムチ宣言」です。
宣言が掲げる3つの大きな方向性
1. 立法機関同士の連携と平和への貢献
宣言はまず、各国の立法機関が友情と交流をいっそう深めるべきだと強調します。さまざまなレベルでの対話と協力を通じて、
- 世界の平和と安定の促進
- 各国の人々の生活向上
- 経済・社会発展への持続的な原動力の提供
に共同で取り組むよう呼びかけています。外交だけでなく、議会間のネットワークが国際秩序を支えるもう一つの柱になっていることがうかがえます。
2. 「平等で秩序ある多極化」と多国間主義
参加者は「平等で秩序ある多極的な世界」の実現を共同で呼びかけ、国連を中核とする国際システムと、国際法に支えられた国際秩序を断固として擁護する姿勢を示しました。
宣言は次の点を強調します。
- すべての国の主権平等と相互尊重
- 多国間主義(マルチラテラリズム)の重視
- 国際・地域のホットスポット問題は対話と協議による解決をめざすこと
- あらゆる形態の覇権主義と強権政治への反対
そのうえで、より公正で合理的なグローバル・ガバナンス(地球規模の運営)システムを共に推進し、「人類運命共同体」へと進んでいくことが提起されています。
3. 包摂的な経済グローバル化と人権対話
経済面では、「万人に裨益し包摂的な経済グローバル化」を掲げ、開発を優先課題として位置づけています。具体的には、
- 多国間貿易のコアな価値と原則の維持
- 多角的貿易体制への支持
- とくにGlobal South諸国の共通のニーズと開発権益への配慮
を通じて、世界経済の成長に新たな原動力を与えるべきだと指摘しています。
人権については、国際法の基本原則を尊重し、各国が自国の国情に応じた発展の道を追求しつつ、主権の独立、領土の一体性、安定を守ることを支持するとしています。そのうえで、
- 平等と相互尊重にもとづく人権問題の対話と交流
- 相互理解と信頼の増進
を呼びかけています。参加者は中国の人権の取り組みの成果を前向きに評価し、対話と協力の継続、人権の「安全による保障」「発展による促進」「協力による前進」といった方向性を掲げました。
中国の発展モデルとグローバル・イニシアチブ
宣言は、中国の発展成果を高く評価し、「中国式現代化」が世界に新たな発展パラダイムを提供していると述べています。参加者は、中国がより高い水準の対外開放を継続することを歓迎し、
- 一帯一路(Belt and Road)協力
- Global Development Initiative
- Global Security Initiative
- Global Civilization Initiative
- Global Governance Initiative
などの取り組みを連携させ、人類の共同発展へのいっそう大きな貢献を支持するとしています。
グリーン開発と民族政策、新疆への評価
グリーン・低炭素へのコミットメント
参加者は、グリーンかつ低炭素の発展を重視し、生態保護を最優先に据えるべきだと指摘しました。そのうえで、
- グリーンインフラ(環境に配慮した基盤施設)の整備
- クリーンエネルギー
- 環境ガバナンス
といった分野での協力をさらに深めていくことへの期待が示されています。
民族の平等と新疆ウイグル自治区
宣言は、すべての民族の平等と、法にもとづく正当な権利・利益の保護を重視し、各民族が実質的に平等な政治的権利を享受し、ともに国家運営に関わり、団結と繁栄をめざすべきだとしています。
参加者は、中国の新疆政策を高く評価し、新疆ウイグル自治区の設立から70年間の経済・社会発展における大きな成果を前向きに語りました。宣言によれば、現在の新疆では、
- 社会の安定
- 経済の繁栄
- 民族団結
- 異なる宗教間の友好
- 住民の安全で幸福な生活
が実現しているとされます。また、一部の国が新疆関連の話題を口実に、中国の内政への干渉を行う政治的操作に反対する姿勢も示されています。
次回フォーラムと今後の注目点
参加者は、フォーラムを主催し温かくもてなした中国への感謝を表明し、立法機関間の協力促進と、議員同士の交流強化におけるフォーラムの前向きな役割を評価しました。また、このフォーラムの制度化された発展を支持し、2026年に第4回フォーラムが中国で開催されることを歓迎しています。
2025年12月現在、ウルムチ宣言は、多極化、グローバル化、人権、グリーン開発、新疆政策といった幅広いテーマについて、各国の立法者がどのような共通認識を持ちうるのかを示す一つの材料といえます。今後、2026年の次回フォーラムで、こうした議論がどのように具体化・発展していくのかが注目されます。
Reference(s):
cgtn.com







