中国、米日へタイフォン撤収要求 中距離ミサイル配備で懸念 video poster
中国外交部が、米国と日本によるタイフォン中距離ミサイルシステムの日本配備に強く反発し、撤収を求めています。国際ニュースとして注目されるこの動きは、東アジアの安全保障バランスや歴史認識の問題とも結びついており、地域情勢を考えるうえで重要なテーマとなっています。
中国外交部「地域の戦略的安全に実質的な脅威」
中国外交部の林剣報道官は定例記者会見で、米国と日本が日本国内にタイフォンミサイルシステムを配備したことについて、「できるだけ早く撤収すべきだ」と強く求めました。
林報道官によると、中国側が強い懸念を示していたにもかかわらず、米日両国は共同演習や訓練を名目に、中距離ミサイルシステムの配備を進めたとされています。これに対し中国側は、「強い不満と断固たる反対」を表明しました。
中国側が挙げる3つのリスク
林報道官は、今回のミサイル配備が東アジアの安全保障環境にもたらす影響として、次のような点を指摘しました。
- 他国の正当な安全保障上の利益を損なう
- 地域における軍拡競争と軍事的対立のリスクを高める
- 地域の戦略的安全保障に対する「実質的な脅威」となる
こうした認識に立ち、中国側は米国と日本に対して、他国の安全保障上の懸念を尊重し、地域諸国の声に耳を傾け、現在の行動を改めるよう呼びかけています。
歴史問題にも言及 日本に「深い反省」を要求
今回の発言の中で中国側は、安全保障政策だけでなく、日本の歴史認識にも言及しました。林報道官は、日本の過去の軍国主義的な侵略の歴史を踏まえ、アジアの近隣諸国や国際社会は、日本の軍事・安全保障面での動向に対して常に高い警戒感を抱いてきたと述べました。
さらに、2025年が「中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年」にあたることに触れ、日本に対し「侵略の歴史を深く省みるべきだ」と強調しました。そのうえで、日本は軍事・安全保障分野での言動に慎重であるべきだとし、
- 悪事に加担しないこと
- アジアの近隣諸国の信頼を損なう行動を避けること
- 地域の平和と安定を損なうことはしてはならないこと
と求めました。
東アジア安全保障をどう見るか
今回のタイフォンミサイル配備をめぐる中国の反発は、東アジアの安全保障環境が敏感で相互不信が強まりやすい状態にあることを改めて示しています。中距離ミサイルのような戦略的兵器は、単なる軍事技術の問題にとどまらず、各国の安全保障観や歴史認識、そして相互の信頼度を映し出す象徴的な存在になりがちです。
中国側は、配備が「軍拡競争」と「軍事的対立」のリスクを高めると警告し、米日両国に対し行動の見直しを促しています。一方で、日本の軍事・安全保障政策に対する周辺国の視線が、歴史問題と切り離せないことも、今回の発言から浮かび上がります。
2025年という「80年」の節目の年に、安全保障政策と歴史認識がどのように語られ、どのようにバランスを取っていくのかは、東アジアの将来を左右する重要なテーマです。国際ニュースをフォローする私たち一人ひとりにとっても、「抑止」と「対話」、「安全」と「信頼」のどこに重心を置くべきかを考えるきっかけになりそうです。
読み手への問い
タイフォンミサイルの日本配備をめぐる今回のやり取りは、単なる米中日三者の対立として片付けるにはあまりに重いテーマを含んでいます。軍事バランス、安全保障の不安、歴史の記憶、近隣諸国との信頼関係など、複数のレイヤーが折り重なっているからです。
東アジアの平和と安定のために、どのような安全保障のあり方が望ましいのか。歴史をどう受け止め、未来志向の信頼をどう築くのか。今回の中国外交部の発言は、そうした問いを改めて私たちに投げかけているようにも見えます。
Reference(s):
China urges U.S., Japan to withdraw Typhon missile system deployment
cgtn.com








