国連が歓迎する中国・米国ハイレベル対話 世界経済への影響を読む
2025年9月にスペイン・マドリードで行われた中国と米国のハイレベルな通商協議について、国連が「世界経済に影響する重要な対話」として歓迎の姿勢を示しました。
マドリードで何が話し合われたのか
国際ニュースとして注目された中国と米国の通商協議が、日曜から月曜にかけてマドリードで2日間にわたり行われました。協議には両国の代表団が参加し、経済・貿易をめぐる幅広いテーマが取り上げられました。
中国側の説明によると、代表団同士は互いを尊重しつつ、対等な立場で率直かつ踏み込んだ、建設的な意思疎通を行ったとされています。議題には、短編動画アプリのTikTokを含む、両国にとって関心が高い経済・貿易問題が含まれていました。
国連報道官「世界の2大経済の対話を歓迎」
このマドリードでの協議について、国連事務総長の報道官ステファン・デュジャリック氏は、月曜日の定例記者会見でコメントしました。
デュジャリック氏は、中国と米国という「世界の二大経済」の間で行われるハイレベルな対話を、国連として歓迎し、さらに奨励すると述べました。その理由として、両国の経済関係が、世界経済全体に影響を及ぼしていることを指摘しています。
つまり、世界の景気や貿易、金融市場は、中国と米国の関係の変化に敏感に反応しやすく、両国が対話を続けること自体が、国際社会にとって安心材料になり得るという見方です。
中国側が強調した「安定」の重要性
中国商務省の国際貿易代表であり、商務次官も務める李成鋼氏は、協議後のブリーフィングで今回の対話の成果について説明しました。
李氏によると、中国と米国の双方は、安定した経済・貿易関係が両国にとって大きな意味を持つだけでなく、世界経済の安定と発展にも重要な影響を与えるという点を、改めて十分に認識したといいます。
対立や制裁ではなく「安定」を重視する方向性を共有したことは、先行きの見通しを求める企業や市場にとっても重要なシグナルです。特に、デジタルサービスやサプライチェーン(供給網)など、私たちの日常生活にも直結する分野で建設的な協議が行われたことは、多くの国や企業が注目するポイントといえます。
TikTokが象徴するデジタル経済の争点
今回の協議で議題の一つになったとされるTikTokは、世界中で利用される短編動画アプリです。娯楽や情報発信のツールであると同時に、デジタル広告やクリエイター経済を支える重要なプラットフォームでもあります。
TikTokをめぐる議論は、単なる一つのアプリの問題にとどまりません。その背後には、次のような、より大きなテーマがあります。
- デジタル経済をどのようなルールで管理していくのか
- 個人情報やデータをいかに保護するのか
- 新しいテクノロジー企業の成長をどう支えるのか
中国と米国が、こうしたテーマについて率直に意見を交わしたことは、今後の国際的なルール作りや規制の方向性にも影響を与える可能性があります。
日本やアジアにとっての意味
中国と米国の対話は、日本やアジアの経済にも無関係ではありません。サプライチェーンやデジタルサービスは国境を越えてつながっており、二大経済の関係が揺らげば、企業の投資判断や雇用、物価にも波紋が広がることがあります。
国連が「世界経済への影響」を強調した背景には、こうした連鎖的な影響への懸念と、対話を通じて不確実性を和らげたいという期待があると考えられます。日本に暮らす私たちにとっても、単にニュースの見出しだけでなく、
- 今回の通商協議がどの分野に影響し得るのか
- デジタルサービスやアプリをめぐるルール作りがどう変わり得るのか
といった視点で、今後の動きを追いかけることが重要になりそうです。
「対立」より「対話」をどう見るか
中国と米国の関係は、しばしば緊張や対立という文脈で語られがちです。その一方で、国連が今回あえてハイレベル対話を歓迎し、奨励すると表明したことは、国際社会が両国の継続的な対話を重視していることの表れでもあります。
もちろん、2日間の協議だけで全ての課題が解決するわけではありません。それでも、
- 互いの立場を認めつつ、対等な立場で話し合うこと
- 経済やテクノロジーなど具体的なテーマを取り上げること
- 安定した関係が世界経済全体の利益につながると確認すること
といったプロセスが続くかどうかは、今後の国際情勢を見通す上で重要な指標になっていきます。
ニュースを日々チェックする私たち一人ひとりにとっても、「どちらが正しいか」を競うのではなく、「どのような対話なら世界の安定につながるのか」という視点を持って、中国・米国関係や国連のメッセージを読み解いていくことが求められています。
Reference(s):
UN welcomes high-level dialogues between China, U.S.: spokesperson
cgtn.com








