中国と韓国が「反貿易保護主義」で連携へ 北京で外相会談
中国と韓国(ROK)の外相が北京で会談し、貿易保護主義に共同で反対し、自由貿易と国連中心の国際秩序を守る方針を確認しました。東アジア経済と日本にも波及しうる動きとして注目されます。
北京で中韓外相が会談 焦点は「貿易保護主義」
中国の王毅(Wang Yi)外相は、中国を訪れた韓国外相のCho Hyun氏との会談で、両国は経済のグローバル化から大きな恩恵を受けてきたと述べたうえで、貿易保護主義に共同で反対するべきだと強調しました。
王毅氏は、中国共産党中央政治局委員も務めており、発言には外交だけでなく対外政策全体の方向性がにじみます。会談は北京で水曜日に行われました。
王毅外相が示したメッセージ
- 中国と韓国は経済グローバル化の「受益者」である
- 世界では一方的な行動や「いじめ」とも言える動きが目立っている
- だからこそ、両国は貿易保護主義に共同で反対し、自由貿易の国際システムを守る必要がある
王毅氏は、中国の韓国に対する政策は「安定性と継続性」を維持していると述べました。そのうえで、両国が互いに誠意を持って向き合い、相互信頼を高め、協力を深めることで「ウィンウィンの結果」を実現すべきだと呼びかけました。
同時に、両国関係には敏感な問題も存在することを認め、そうした課題を「適切に扱う」ことの重要性にも言及しています。安全保障や経済安全保障をめぐる対立を避け、対話で管理していこうというメッセージと受け取れます。
韓国外相「関係改善のモメンタムを重視」
韓国側のCho Hyun外相は、両国関係の改善が進んでいる「モメンタム(勢い)」を大切にしたいと述べ、中国とのハイレベルな交流をさらに強化する意向を示しました。
具体的には、次のような協力分野が挙げられました。
- 貿易分野での協力の一層の強化
- 文化など人的・社会的交流の拡大
- 韓国・中国の自由貿易協定(FTA)の協議加速
- 韓国・中国・日本の3カ国によるFTA協議の加速
とくに韓国・中国・日本による3カ国の自由貿易協定は、日本にとっても関わりが深いテーマです。実現すれば、関税の削減や投資ルールの明確化を通じて、東アジアのサプライチェーン(供給網)に大きな影響を与える可能性があります。
国連中心の国際秩序と戦後体制を守る協力
会談では、経済だけでなく、国際秩序をめぐる連携についても議論されました。王毅氏は、中国が韓国を含む国際社会と共に、国連を中心とする国際システムを守る用意があると述べました。
あわせて、「第二次世界大戦の勝利の成果」を守ることにも言及し、戦後に築かれてきた国際秩序を尊重する姿勢を強調しました。これは、歴史認識や戦後体制をめぐる議論が続くなかで、国連憲章や戦後の国際合意にもとづく枠組みを重視するというメッセージといえます。
APEC首脳会議での連携 今年と来年に開催国を担当
両国は、アジア太平洋地域の経済協力を話し合うAPEC(アジア太平洋経済協力)の枠組みでも歩調を合わせることで一致しました。
韓国と中国は、それぞれ今年と来年にAPEC Economic Leaders' Meeting(APEC首脳会議)を開催する予定で、会議の成功に向けて「相互に調整し、支え合う」と確認しました。
APECは、貿易自由化や投資促進、デジタル経済や環境など幅広いテーマを扱う場です。その議長国となる韓国と中国が、貿易保護主義に反対する立場を明確にしたことは、アジア太平洋全体の議論にも影響を与える可能性があります。
日本の読者にとっての意味 何に注目すべきか
今回の中韓外相会談は、日本から見るとやや距離のあるニュースに感じられるかもしれません。しかし、いくつかの点で日本と直接関わるテーマを含んでいます。
- 東アジアのサプライチェーン:中国と韓国は、日本企業にとっても重要な生産・市場拠点です。両国が自由貿易を重視する姿勢を示したことは、地域の貿易ルールや投資環境にも影響します。
- 日中韓FTAの行方:韓国側が「韓国・中国・日本」のFTA交渉加速に前向きな姿勢を示したことで、日本としても今後の三国間協議の動きが注目されます。
- APECでの議論:今年と来年にかけて、韓国と中国がAPEC首脳会議を主催することで、アジア太平洋の貿易・投資ルールづくりで両国の役割が増す可能性があります。
世界的に保護主義的な動きや一方的な制裁措置が増えるなか、「自由貿易を守る」というメッセージは、単なる外交レトリックにとどまるのか、それとも実際の政策や協定の形で具体化していくのか。日本としても、自国の通商戦略とあわせて、今後の中韓の動きを見ていく必要がありそうです。
通勤時間やスキマ時間にニュースを追う私たちにとっても、「貿易保護主義にどう向き合うか」というテーマは、最終的に自分たちの仕事や生活コスト、地域の安定に直結する問題です。中韓外相会談は、その一つの「試金石」として位置づけられます。
Reference(s):
Wang Yi: China, ROK should jointly oppose trade protectionism
cgtn.com








