中国・公共安全テック博に見る「守る人を守る」未来型素材 video poster
中国東部・江蘇省連雲港市で開かれた第2回公共安全テック博覧会で、消防や警察など現場で働く人を守るための先端素材や装備が披露されました。耐熱1200度の難燃素材からナノ膜生地、折りたたみ式警察犬用ケージまで、公共安全を支えるテクノロジーが一堂に会しました。
公共安全テック博覧会とは
第2回公共安全テック博覧会は、中国東部の江蘇省連雲港市で開催されたイベントで、公共の安全を高めるための最新テクノロジーや設備が紹介されました。出展者は、現場の運用効率と安全性を向上させることを狙いとした素材や携帯型機器を展示しました。
1200度に耐える難燃素材
会場で注目を集めたのが、新しい難燃素材です。この素材は約1200度の高温にさらされても変形しない性能を持ちます。高温下での形状維持は、防護服やシールドなどの信頼性を左右する重要なポイントです。
こうした難燃素材が実用化されれば、次のような現場での活用が期待されます。
- 火災現場に入る消防隊員の防護服
- 化学工場や高温設備周辺で働く作業員の保護具
- 高温環境で使用される防護カーテンやシールド
極限状態でも装備が変形しにくくなることで、前線で活動する人たちの安全確保につながります。
防水・防風・透湿を両立するナノ膜生地
もう一つの目玉が、ナノ膜技術を用いた新しい生地です。この生地は、水を通さず風も遮りながら、人の汗や熱は外へ逃がす透湿性を両立しているとされています。
一般的に、防水性や防風性を高めるとムレやすくなり、長時間の着用で負担が増えます。ナノレベルの薄い膜を使うことで、
- 雨や雪などの水は通さない
- 冷たい風は遮断する
- 内部の水蒸気や熱は外へ逃がす
という、相反しがちな性能のバランスを取ろうとする試みです。公共安全の現場では、悪天候の中で長時間活動しなければならない場面も多く、快適性の向上は集中力や持久力の維持にもつながります。
数分で展開できる折りたたみ式警察犬用ケージ
会場では、素材だけでなく携帯型の公共安全設備も紹介されました。その一つが、折りたたみ式の警察犬用ケージです。
このケージは現場までコンパクトに持ち運ぶことができ、到着後は数分ほどで頑丈な構造に展開できます。最大で約200キログラムまで支えられる設計とされ、素早い展開と高い安定性の両立を目指しています。
こうした折りたたみ式ケージは、
- 警察犬や救助犬を伴う捜索・救助活動
- 一時的な指揮所や待機スペースの確保
- 必要な場所へ素早く移動できるモバイル指揮ユニット
といった用途での活躍が想定されています。車両スペースを節約しながら、現場で必要な設備を短時間で整えられることは、公共安全における機動力の向上につながります。
なぜ今「素材」が公共安全のテーマなのか
2025年現在、各国で災害対応や治安維持の現場は複雑化しています。現場の負担を軽くし、安全性と効率を高めるためには、大型設備だけでなく「何で作られているか」という素材の進化が重要になりつつあります。
今回の公共安全テック博覧会で見られたような、
- 高温にも耐える難燃素材
- 防水・防風と快適性を両立させるナノ膜生地
- 短時間で展開できる折りたたみ構造
といった工夫は、どれも現場で働く人の負担を減らし、より安全に任務を遂行するためのものです。装備が進化すれば、危険な場所に踏み込む決断もしやすくなり、救える命が増える可能性があります。
日本の防災・防犯へのヒント
自然災害の多い日本でも、消防、警察、自衛隊、医療関係者など、さまざまな現場で人々の安全を守る活動が続いています。耐熱性や耐久性に優れた素材、悪天候でも動きやすいウェア、素早く展開できるモバイル設備などは、日本の防災・防犯分野にとっても参考になる視点です。
海外の公共安全テクノロジーの動向を追うことは、日本社会にとっても、自分たちの装備や仕組みを見直すきっかけになります。今回紹介された未来型の生地や折りたたみ構造は、「守る人をどう守るか」という共通の問いに対する、一つの答えだと言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








