中国中央SOEが14次五カ年計画で示した質の高い成長とは
中国の中央国有企業(中央SOE)が、現在進行中の第14次五カ年計画(2021〜2025年)の中で、収益力・技術力・デジタル化・脱炭素のすべてで大きな前進を示していることが明らかになりました。
北京で中央SOEの5年間を総括
最近、中国国務院新聞弁公室(SCIO)は北京市で記者会見を開き、第14次五カ年計画期間における中央SOEの質の高い発展について説明しました。
会見で、中国国務院国有資産監督管理委員会(国資委)の張玉卓(Zhang Yuzhuo)主任は、第14次五カ年計画の5年間は、現代的社会主義国家を全面的に建設する新たな旅路の最初の5年であり、中央SOEの改革と発展にとって極めて重要な時期だったと強調しました。
中央SOEとは、中国国務院国有資産監督管理委員会の管理下にある大手国有企業グループのことで、中国経済を支える中核的な存在とされています。
資産・利益・生産性がそろって拡大
張氏によると、第14次五カ年計画期間の開始以降、中央SOEの経営指標は安定したプラス成長を維持してきました。
- 総資産は70兆元未満から90兆元超へ拡大
- 総利益は1.9兆元から2.6兆元へ増加
- 総資産の平均年間成長率は7.3%、総利益は8.3%
- 営業利益率は6.2%から6.7%へ上昇
- 従業員1人あたりの労働生産性は年間59万4,000元から81万7,000元へ向上
資産規模と利益水準だけでなく、利益率や労働生産性がそろって改善している点は、単なる量の拡大から質の向上への転換をうかがわせます。
研究開発投資で技術革新の中核に
中央SOEは、技術革新のキープレーヤーとしての役割も強めています。張氏は、ここ数年で中央SOEのイノベーション能力が大きく向上したと説明しました。
- 研究開発(R&D)費用は3年連続で1兆元を超過
- 売上高に対するR&D費用の割合(研究開発投資比率)は2.6%から2.8%へ上昇
大規模な研究開発投資と投資比率の上昇は、中央SOEが新技術や新製品の開発により多くの資源を振り向けていることを示しています。
AI+とスマート工場、そして脱炭素
産業構造の高度化に向けた取り組みも加速しています。会見では、AIやデジタル技術を活用したAI+特別イニシアティブや、スマート工場の整備状況が紹介されました。
- AI+特別イニシアティブのもと、800を超える応用シナリオを展開
- デジタル化の推進により、1,854のスマート工場を設立
- 1万元の産出額あたりのエネルギー消費量は12.8%減少
- 1万元の産出額あたりの二酸化炭素排出量は13.9%減少
AI活用とスマート工場の整備が進む一方で、エネルギー消費と二酸化炭素排出の削減も進んでいることから、中央SOEがデジタル化とグリーン転換を同時に進めている姿が浮かび上がります。
第15次五カ年計画期に向けた次の一手
今後の第15次五カ年計画期間を見据え、中国側は中央SOEにさらに高い役割を期待しています。
- 重点分野のカギとなるコア技術の突破を加速
- 独創的・先端的な技術の供給能力を強化
- 技術革新と産業イノベーションの一体的な推進を深化
張氏は、中央SOEが今後も科学技術イノベーションの主力軍としての役割を果たし続ける方針を示しました。
なぜ日本の読者に関係があるのか
中央SOEは、中国経済の中核的な担い手であり、その経営や技術戦略は世界のサプライチェーンや投資の流れにも影響を与えうる存在です。
日本の企業や投資家にとっても、今回の発表は次のような点で注目に値します。
- 研究開発やAI活用を通じて、中国企業との技術協力や競争の構図が変化する可能性
- スマート工場やエネルギー効率化の取り組みが、国際的なサプライチェーン全体の標準やコストに影響しうること
- 脱炭素に向けた大規模な投資や効率化が、世界の気候変動対策の流れとどのように結びつくかという視点
第14次五カ年計画の終盤に入りつつある今、中央SOEは数字の上でも、技術・産業構造の面でも大きな変化を遂げつつあります。第15次五カ年計画期に向けて、どこまでコア技術の自主開発とグリーン・デジタルの両立を進めていくのか。日本からも、その動きを冷静にフォローしていく必要がありそうです。
Reference(s):
SCIO: China's central SOEs made significant progress during 2021-2025
cgtn.com







