中国の李強国務院総理が甘粛・青海視察 イノベーションとグリーン成長を強調
中国の李強国務院総理は、甘粛省と青海省を視察し、地域の特色を生かしたイノベーションとグリーン成長を軸に、現代的な産業体系づくりを加速する重要性を強調しました。本稿では、そのポイントを日本語で整理しながら、中国西部で進む経済・環境政策の方向性を読み解きます。
甘粛・青海視察で何が語られたのか
今回の視察は、月曜から火曜にかけて中国北西部の甘粛省・青海省で行われました。李強総理は、地方の比較優位を生かしながら、イノベーションとグリーン開発を軸にした現代産業の構築を急ぐよう呼びかけました。
蘭州ではハイテクと人材育成にフォーカス
甘粛省の省都・蘭州では、ハイテク企業と工業団地を視察しました。李強総理は、次のような点を重視する姿勢を示しました。
- 国際的な技術フロンティアの動きに遅れず対応すること
- 企業や研究機関による研究開発投資を一層後押しすること
- 人材育成の仕組みを改善し、イノベーションを支える土台を強化すること
中国西部の省である甘粛が、ハイテク産業と人材戦略を前面に打ち出している点は、中国全体の産業高度化が沿海部だけでなく内陸部へも広がっていることを示していると言えます。
黄河沿いで確認したエコ保護の取り組み
蘭州では、黄河沿いの植林や生態系保護プロジェクトも視察しました。李強総理は、これまでの生態回復の成果を評価した上で、山・水・森林・農地・草地・砂漠を一体として守る、総合的で体系的なアプローチを取る必要性を強調しました。
黄河流域の保護は、中国における長期的な環境政策の一つの柱であり、水資源や農業、生態系をまとめて守るという考え方は、気候変動対策とも結び付くテーマです。
青海で議論されたクリーンエネルギーとグリーンコンピューティング
続いて訪れた青海省の省都・西寧では、生態保護の現状に加え、再生可能エネルギーなどのグリーン電力とコンピューティング能力の活用状況について報告を受けました。
李強総理は、青海が生態保護において重要な位置を占めていること、そして清潔なエネルギーとグリーンコンピューティングの分野で優位性を持つことを指摘しました。その上で、次のような方針を示しました。
- グリーン開発を一貫して追求すること
- データセンターなどのグリーンコンピューティングと、クリーン電力の供給を一体的に発展させること
デジタル経済の成長で電力消費が増える中、クリーンエネルギーと計算資源をどう組み合わせるかは、世界各地で共通の課題です。青海での議論は、その一つの解の方向性を示すものと言えます。
食料企業の視察から見える農業・牧畜の変化
李強総理は、青海省内の食品企業も訪問しました。ここでは、企業がグリーン農業や畜産により深く関わることで、次のような効果を期待できると述べました。
- 農産物や畜産物の品質と生産効率の向上
- 農民や牧畜に従事する人々の雇用拡大と収入増加
環境に配慮した農業・牧畜を推進しつつ、地域の所得向上も図るという発想は、持続可能な成長を目指す世界的な流れとも重なっています。
西部大規模開発とグリーン成長の関係
李強総理は、甘粛省と青海省の経済・社会発展の成果を肯定的に評価した上で、中国西部地域の大規模な開発をさらに進めるよう求めました。その際のキーワードとして、やはりグリーン開発が位置付けられています。
エネルギー資源の豊富な西部で、環境保護と産業育成をどのように両立させるかは、中国の全体的な発展戦略に直結するテーマです。今回の視察は、そのバランスの取り方を探るプロセスの一部と見ることができます。
日本の読者が押さえておきたい視点
今回の甘粛・青海視察からは、次のようなポイントが浮かび上がります。
- イノベーションと人材育成を地方レベルでも重視していること
- 黄河流域や青海での生態保護を通じて、環境政策を長期視点で進めようとしていること
- クリーンエネルギーとデジタル経済を結び付けるグリーンコンピューティングへの期待
- 農業・牧畜など一次産業のグリーン化を、所得向上とセットで捉えていること
日本やアジアの読者にとって、中国西部の動きは、気候変動対策、エネルギー転換、地域格差是正といった共通課題を考えるヒントにもなります。今後、甘粛省や青海省がどのようにグリーン成長モデルを具体化していくのかは、引き続き注目すべきテーマと言えます。
Reference(s):
Premier Li highlights innovation, green growth in Gansu, Qinghai visit
cgtn.com








