レバノン南部で地雷除去 中国ブルーヘルメットが歩くナイフの刃 video poster
レバノン南部で、国連平和維持活動(PKO)の「ブルーヘルメット」として活動する中国の多機能工兵部隊が、命がけの地雷除去にあたっています。前線の位置が絶えず変わるなか、隊員のQing Shenghe さんは、一歩ごとに生死を分けるかもしれない現場に立ち続けています。
ブルーヘルメットに国境なし――中国工兵部隊の役割
地雷除去にあたる部隊は、中国の「多機能工兵部隊」と呼ばれるチームです。彼らはレバノン南部で、道路や施設の修復、爆発物の処理、住民の生活インフラの支援など、幅広い任務を担っています。
国連の青いヘルメットをかぶる隊員たちにとって、ここは自国から遠く離れた中東の地です。それでも、国境を越えて住民の安全を守るという使命は変わりません。この姿勢を象徴する言葉が「ブルーヘルメットに国境なし」です。
なぜ今も地雷が脅威なのか
レバノン南部の土地には、過去の武力衝突で埋められた地雷や不発弾が今も残っています。地雷は土の中に隠れているため、時間がたっても危険性が消えることはありません。特に農地や村の周辺に残された地雷は、次のようなリスクを生みます。
- 農業や放牧ができず、住民の生計を長期的に奪う
- 子どもを含む一般の人びとが誤って踏み、重大な被害につながる
- 道路やインフラ整備の妨げとなり、地域の復興を遅らせる
こうした「見えない脅威」を取り除くことが、平和な日常を取り戻すための前提条件になっています。
動く前線、見えなくなる地雷
Qing Shenghe さんが所属するチームが直面しているのは、特に難度の高い地雷除去作業です。レバノン南部では、前線の位置や緊張の度合いが変化してきました。その結果、かつての戦闘地域が移動し、次のような問題が生まれています。
- 過去の地雷原の記録と、現在の地形が一致しない
- 雨や土砂崩れで地雷の位置がわずかに移動している可能性がある
- 新たに埋設された爆発物が、古い地雷と混在しているおそれがある
地図や旧資料に頼るだけでは、もはや十分とは言えません。隊員たちは、金属探知機や特殊な器具を使いながら、一つひとつ慎重に地雷を探し出していきます。
「ナイフの刃先で踊る」ような毎日
このような状況の中での地雷除去は、まさに「ナイフの刃先で踊る」ような緊張感の連続です。Qing Shenghe さんのチームは、次のような基本手順を繰り返しながら前進します。
- 一歩進むごとに地面を確認し、金属反応や異常な土の盛り上がりをチェックする
- 怪しい場所を見つけたら、一度後退し、安全を確保したうえで慎重に掘り進める
- 地雷や爆発物を確認したら、専門の手順で安全に処理する
数メートル進むだけでも、長い時間と集中力が必要です。一つの判断ミスが命に関わる可能性があるため、隊員たちは互いに声をかけ合いながら、緊張と向き合っています。
地元住民の「当たり前の生活」を守るために
地雷除去の成果は、目に見えにくいものです。しかし、一つの地雷原が安全だと確認されるたびに、そこに住む人びとの暮らしは少しずつ変わっていきます。
- 子どもたちが自由に遊べる空き地や通学路が増える
- 農地が再び使えるようになり、収入の道が広がる
- 道路や電力などのインフラ整備が進み、地域の復興が加速する
2025年現在も、レバノン南部ではこうした地道な作業が続いています。Qing Shenghe さんたちのような工兵部隊の働きは、ニュースの見出しにはなりにくい一方で、地域社会の未来を静かに支えています。
私たちがこの国際ニュースから考えたいこと
日本から遠く離れたレバノン南部での地雷除去のニュースは、一見、自分たちの日常とは関係がないように感じられるかもしれません。しかし、この出来事は次のような問いを私たちに投げかけています。
- 紛争が終わったあとも続く「見えない危険」と、そこに向き合う人びとの存在をどう捉えるか
- 国境を越えた国際協力や平和維持活動に、私たちはどんな期待や役割を見いだせるか
- 「安全であること」がどれほど多くの努力に支えられているのかを、日常の中でどう意識できるか
スマートフォンの画面越しに読む国際ニュースの向こう側には、ナイフの刃先で踊るような緊張のなかで、一歩ずつ前に進む人びとがいます。そうした現場を想像しながらニュースを読むことが、世界との距離を少しだけ縮めてくれるのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








