東京で中国映画『Dead To Rights』上映 南京事件と向き合う日中の観客
1937年の南京事件を描いた中国の歴史映画『Dead To Rights』の上映会が、東京で開かれました。重いテーマにもかかわらず、約150人の中国と日本の観客からは「歴史と正面から向き合いたい」という声が相次ぎ、戦争の残酷さと平和の大切さを改めて考える場になりました。
中国映画『Dead To Rights』が東京で上映
水曜日に東京都内で開かれたこの上映会は、在日本中国大使館が主催し、中国と日本のコミュニティから約150人が参加しました。南京事件を題材にした中国映画が日本の首都で上映される今回の機会に、参加者たちは鑑賞後、歴史から学び、未来を共に考えていく必要性を口々に語りました。
「加害の歴史」を語る難しさ
NHKの元翻訳者であるTamiko Kanzakiさんは、作品の内容について「胸が締め付けられるように重い」と感想を述べました。日本社会は被害について語ることには比較的慣れている一方で、日本が戦時中に行った加害の側面を語ることには今も難しさがあると指摘します。
そのうえでKanzakiさんは、「もし加害者としての歴史を完全に忘れてしまったら、日本と中国の間に真の友情はあり得ません。私たちはその歴史を決して忘れてはならないのです。そうして初めて、二つの国は本当に共に前に進むことができます」と強調しました。
軍事ジャーナリストが感じた痛みと懸念
自衛隊出身で軍事ジャーナリストのMakoto Konishiさんは、上映後に「強い痛みを感じた」と話しました。その痛みは、南京事件の真実に触れたことだけでなく、いまの日本でこうした事実についてオープンに書くことの難しさからも来ているといいます。
Konishiさんはまた、日本が特定の地域で軍事的な配備を強めようとしている現在の動きに強い懸念を示しました。過去の歴史を直視しないまま、安全保障だけを議論することへの危うさをにじませた発言と言えます。
若い世代に歴史を伝え、対話を広げるには
Japan-China Friendship Association of Tokyoの副会長であるMasayuki Inoueさんは、日中関係を本当に前に進めるためには、若い世代が歴史を理解し、対話と交流を強めることが欠かせないと訴えました。
「若い世代には、鑑賞前に歴史への理解を深めてもらい、鑑賞後には感情を整理し、両国の未来を一緒に考えるための議論の場を用意すべきだ」と述べ、作品をきっかけにした継続的な対話の重要性を示しました。
中国大使「歴史は最良の教科書」
在日本中国大使のWu Jianghaoさんは、「歴史は最良の教科書であり、最も優れた醒め薬だ」と語りました。
「もしそれを避けたり、さらには否定したりするなら、私たちは決して本当の意味で啓発されず、心の和解も達成できません。私たちは、日本の各界の有識者の皆さんと共に歴史から学び、未来を見据え、歴史の悲劇を二度と繰り返さないようにしたい」と呼びかけました。
過去と向き合い、未来を語るための場に
今回の上映会で繰り返し語られたのは、「歴史を直視することなしに、真の和解も友好もあり得ない」というメッセージでした。作品の重さに圧倒されながらも、参加者たちは、加害と被害の両方の歴史を共有し、若い世代に伝えていくことの必要性を改めて確認しました。
戦争の残酷さを描いた中国映画が、東京での日中対話のきっかけとなった今回の上映会。歴史と向き合う取り組みが、今も現在進行形の課題であることを静かに示す出来事となりました。
Reference(s):
Chinese film on Nanjing Massacre resonates with audience in Tokyo
cgtn.com








