AIが主役に 第22回中国ASEAN博覧会で初の専用パビリオン登場
第22回中国ASEAN博覧会で、人工知能(AI)がこれまでになく前面に出ています。今年は初めてAI専用エリアが設けられ、アジアのデジタル経済の現在地を示す場となっています。
第22回中国ASEAN博覧会、南寧で開幕
今年の中国ASEAN博覧会は、中国南部の広西チワン族自治区の区都・南寧で開幕しました。会場面積は16万平方メートルに及び、60の国と地域から約3,200社が出展しています。
今回初めて、人工知能、新質生産力、ブルーエコノミー、対外貿易製品といったテーマごとの専用エリアが設けられました。デジタル技術から海洋産業まで、成長分野を一つの会場で俯瞰できる構成になっています。
最大規模のAIパビリオン、約1万平方メートル
とりわけ注目を集めているのが、約1万平方メートルのAIパビリオンです。単一テーマとしては博覧会史上最大規模の展示エリアで、約200社のハイテク企業が最新のAI技術やサービスを紹介しています。
出展品目のうち、半分以上がAIそのもの、もしくはAIを組み込んだ製品です。開幕初日から、このAIパビリオンには多くの来場者が詰めかけ、実演やデモンストレーションに見入る姿が目立ちました。
新質生産力やブルーエコノミーもテーマに
AIと並んで、「新質生産力」やブルーエコノミーといったキーワードも博覧会の焦点になっています。新質生産力とは、デジタル技術やグリーン技術、人材などを組み合わせて生み出される新しいタイプの生産力を指す言葉です。
またブルーエコノミーは、海洋資源を環境に配慮しながら利用し、持続可能な成長につなげようとする考え方です。中国とASEAN各国は、港湾開発や海洋エネルギー、海洋環境保護などで協力の余地が大きく、今回の博覧会でも関連分野の展示が強化されています。
なぜ今、中国とASEANがAIに注目するのか
中国とASEAN諸国は、ここ数年でデジタル技術の導入を急速に進めてきました。電子商取引やスマートシティ、製造業の自動化など、多くの分野でAI活用が広がっています。
今回の中国ASEAN博覧会でAIが大きく取り上げられた背景には、次のような狙いがあるとみられます。
- 域内の企業どうしがAI技術やサービスを披露し、新たなビジネスパートナーを見つける場とすること
- 製造業や物流、金融など、幅広い産業にAIを組み込むことで、生産性を高めること
- スタートアップや研究機関を含むイノベーション・エコシステムを強化し、長期的な競争力を高めること
約60の国と地域から企業が集まる今回の博覧会は、AIを通じた国際協力の動きを映し出す場にもなっています。
日本の読者への示唆
国際ニュースとして見ると、今回の中国ASEAN博覧会は、アジアにおけるAIとデジタル経済の重みが増していることを示しています。日本の読者にとっては、次のような点がポイントになりそうです。
- AI専用パビリオンが「主役」になったことで、アジア全体でAI投資や実装競争が一段と激しくなっていること
- 新質生産力やブルーエコノミーといったテーマが前面に出たことで、環境や持続可能性とデジタル技術を組み合わせる流れが加速していること
- 中国とASEAN企業の連携が進むなかで、日本企業や日本発の技術がどのように関わっていけるかを考える必要があること
スマートフォン一つで世界の動きを追える今、南寧で開かれている中国ASEAN博覧会は、アジアの次の10年を占う「ショーケース」の一つと言えます。AIやデジタル経済の行方を考えるうえで、今後も注目しておきたいイベントです。
Reference(s):
cgtn.com








