中国国防相ドン・ジュン「グローバル・ガバナンス」強化を各国に呼びかけ
2025年9月17〜19日に北京で開かれた第12回北京シャンシャン・フォーラムに合わせて、中国の国防相ドン・ジュン氏が「グローバル・ガバナンス」への強い支援と、人類の前途を共有する「人類運命共同体」の構築を呼びかけました。マレーシア、カンボジア、ミャンマー、ナミビア、ルワンダ、セネガルの国防トップとの個別会談の場での発言です。この動きは、中国の安全保障外交の方向性を知るうえで注目される国際ニュースです。
北京シャンシャン・フォーラムで何が語られたか
ドン氏は、各国の国防相との会談で、国際社会が直面する安全保障上のリスクや課題に触れながら、「グローバル・ガバナンス」を支える取り組みを強化する必要性を強調しました。ここでいうグローバル・ガバナンスとは、気候変動や紛争、テロなど地球規模の問題に対し、国際社会が協調してルールや枠組みをつくり、運営していく仕組みを指します。
フォーラムについてドン氏は「歴史的な意義と現実的な重要性がある」と述べ、この場が安全保障分野での対話と信頼醸成を進めるうえで重みを増していることを示しました。
アジアとアフリカから6カ国の国防トップ
今回ドン氏と会談したのは、マレーシア、カンボジア、ミャンマーというアジアの国々に加え、ナミビア、ルワンダ、セネガルというアフリカの国々の国防トップです。いずれも第12回北京シャンシャン・フォーラムに参加するため北京を訪れていました。
多様な地域から国防トップが集まり、中国の国防相と個別に意見交換する場が設けられたことは、安全保障対話のネットワークを広げる動きと見ることができます。
中国軍が示した4つのメッセージ
会談のなかでドン氏は、中国軍として次のような姿勢を示しました。
- 各国との長年の友好関係を受け継ぎ、さらに発展させていくこと
- 戦略的なコミュニケーション(安全保障に関する意思疎通)を強化すること
- より高いレベルの安全保障協力に踏み出すこと
- 共通のリスクや課題に、協調して対応していくこと
ドン氏は、中国軍がこうした方針のもとで各国と協力する用意があると強調し、軍事・安全保障分野での連携を通じて、国際秩序の安定に貢献したい姿勢を示しました。
各国も軍事協力強化に前向き
中国側の呼びかけに対し、会談に出席した各国の国防トップはいずれも、中国との軍事協力を強化したい考えを表明しました。今回伝えられている内容からは具体的な協力分野は明らかではありませんが、国防トップ同士が軍事協力強化への意欲をそろって示したこと自体が、一つのメッセージといえます。
「人類運命共同体」というキーワード
ドン氏が強調した「人類運命共同体」とは、各国が協力して人類共通の未来を築いていこうとする考え方を示す言葉です。国同士が競い合うだけでなく、安全保障や経済、環境など幅広い分野で運命を共有するという発想は、多国間協力を重視する姿勢とも重なります。
軍事対話の場でこの理念が繰り返し示されることは、中国が自らの安全保障政策を国際協調の文脈の中で位置づけようとしている表れとも考えられます。
日本の読者にとってのポイント
日本にとっても、中国が軍事・安全保障分野でどの国と、どのような言葉で協力を打ち出しているかは、地域情勢を読み解くうえで重要な情報です。今回の北京シャンシャン・フォーラムで示されたのは、二国間の軍事同盟ではなく、多国間の枠組みを通じてグローバル・ガバナンスを支えるというメッセージでした。
今後、こうした場での合意や対話が、具体的な共同訓練や平和維持活動、人道支援などの形でどこまで進むのか。アジアやアフリカの安全保障環境にどのような影響を与えるのか。フォーラム後の各国の動きに引き続き注目していく必要があります。
Reference(s):
Chinese defense chief calls for strong support for global governance
cgtn.com








