新疆ウイグル自治区の文化遺産保護が前進 白書が示す数字
新疆ウイグル自治区の文化遺産保護が前進 白書が示す数字
中国・新疆ウイグル自治区で文化遺産の保護がどこまで進んでいるのか。最近発表された中国国務院の白書は、博物館の数から世界遺産、無形文化遺産まで、現状を示す具体的な数字を明らかにしています。
白書が伝える「新疆の文化遺産保護」
中国国務院新聞弁公室が金曜日に公表した白書「新時代における新疆治理の中国共産党の方針:実践と成果」によると、新疆ウイグル自治区では、文化遺産の総合的な保護が一段と進んでいるとされています。
白書は、新疆が地域の文化遺産保護に関する計画を策定し、関連する地方条例を整備して、文化遺産を守るための法的な裏付けを強化してきたと指摘しています。
数字で見る新疆の文化遺産
博物館と保護機関のネットワーク
白書によると、2024年までに新疆ウイグル自治区には、あらゆるレベルの文化遺産保護機関が195カ所設置されました。また、登録された博物館は150館に達しています。
こうした機関や博物館は、文化財の保護だけでなく、展示や教育活動を通じて地域の歴史や多様な文化を次世代に伝える役割も担っているとみられます。
不動産文化財と世界文化遺産
新疆には、建築物や遺跡などの「動かせない文化財(不動産文化財)」も多数存在します。白書によると、2024年までに確認・登録された不動産文化財は9,545件に上りました。
- 世界文化遺産:6件
- 中国国家級の重要文化財保護単位:133カ所
世界文化遺産に登録された遺産や、国家レベルで保護される文化財は、新疆の歴史的・文化的価値が国内外で認められていることの表れとも言えます。
無形文化遺産の保護も前進
無形文化遺産とは、伝統芸能、祭礼、口承(口伝えの物語や音楽)、工芸技術など、形としては残りにくいものの、地域のアイデンティティを支える文化的な営みを指します。
白書によると、新疆ウイグル自治区では、この無形文化遺産の保護も進んでいます。
- ユネスコの無形文化遺産リストに登録された項目:3件
- 中国の国家級代表リストに登録された項目:141件
- 新疆ウイグル自治区レベルのリストに登録された項目:567件
地域レベルから国際レベルまで、多層的なリストに掲載されることで、こうした文化が記録され、保護・継承の取り組みが進めやすくなります。
計画と法整備で「包括的な保護」を目指す
白書は、新疆が文化遺産保護のための計画づくりと、地方条例による法的な枠組みの整備を進めてきたと評価しています。
計画を通じて、どの文化財を優先的に保護するのか、どの地域で整備を急ぐべきかといった全体の方向性が示されます。一方で、条例などの法制度は、文化財の破壊や不適切な開発を防ぎ、長期的に保護を続けるための基盤になります。
博物館や保護機関の拡充、世界文化遺産や無形文化遺産の登録とあわせて見ると、新疆では「文化遺産を守るための仕組みづくり」と「現場での保護・活用」が並行して進められていることがうかがえます。
これからの焦点:保護と活用のバランス
文化遺産の保護が進む一方で、観光や地域振興とのバランスをどのように取るかは、今後の重要な論点になりそうです。
例えば、観光客を呼び込むことで地域経済に貢献しつつ、遺跡や伝統文化への過度な負荷を避けるためには、入場者数の管理や、デジタル技術を活用した展示・記録など、さまざまな工夫が求められます。
新疆ウイグル自治区の文化遺産保護は、地域の歴史と多様な文化を未来につなぐ取り組みとして、これからも国際社会の関心を集めていきそうです。
Reference(s):
Cultural heritage in Xinjiang under effective protection: white paper
cgtn.com








