中国のジャオヘ遺跡で文化財を守る 家族三代が受け継ぐ思い video poster
中国北西部トルファンの古代都市ジャオヘ遺跡。そのすぐそばで生まれ育ち、今は文化財の守り手として遺跡を未来へつなぐ女性がいます。グルバクラム・ムミンさんです。
家族三代にわたって遺跡を見守ってきた彼女の歩みは、国際ニュースとしての派手さはなくても、「今、何を残すのか」を静かに問いかけてきます。
遺跡の隣で始まった日常
グルバクラムさんは、古代都市ジャオヘの遺跡のすぐそばで育ちました。世界から見ると特別な観光地に見える場所も、彼女にとっては子どものころから日常の風景でした。
風や砂にさらされた城壁や建物の跡が、朝夕の光の中で少しずつ表情を変える。その変化を見つめながら育ったことが、歴史や文化財への関心を自然に育てていったと考えられます。
祖父・父から受け継いだ「守る」という仕事
グルバクラムさんの祖父と父も、ジャオヘ遺跡で文化財の守り手として働いてきました。家族の誰かが欠けても成り立たないような、静かなリレーのように、この仕事は受け継がれてきました。
遺跡を傷つけないように見守り、変化があれば気づき、必要な対応につなぐ。その積み重ねは、目立たない一つ一つの作業ですが、長い時間の中で遺跡を守る大きな力になります。
大学で歴史と文化財保護を学ぶ
高校卒業後、グルバクラムさんは遺跡から離れ、大学で歴史と文化財保護を学びました。現場で家族から受け継いだ感覚に加え、専門的な知識や考え方を身につけるためです。
歴史の背景を理解し、文化財をどのように保存し、どのように次世代へ伝えていくのか。教室での学びは、彼女にとって「故郷を見つめ直す」時間でもあったはずです。
学びを持ち帰り、故郷へ戻る選択
大学を終えたあと、グルバクラムさんは大都市でのキャリアではなく、あえて故郷トルファンへ戻る道を選びました。そして祖父と父の足跡をたどるように、ジャオヘ遺跡の文化財の守り手となりました。
歴史や文化財保護について学んだ知識を、育ちの場である遺跡に返していく。その選択には、「家族が守ってきた場所を自分も守りたい」「この古代都市を未来へつなぎたい」という思いがにじみます。
古代都市の謎を、子どもから高齢者までに伝える
現在、グルバクラムさんは、遺跡の保存に関わる仕事をしながら、子どもから高齢者まで幅広い世代に、この古代都市ジャオヘの「謎」と魅力を紹介しています。
「なぜここに都市が築かれたのか」「どんな人びとが暮らしていたのか」「なぜ今は遺跡として残っているのか」。そうした問いを共有しながら、訪れる人や地域の人に、遺跡をただの観光地ではなく「過去からのメッセージ」として感じてもらおうとしているのです。
文化財保護が地域にもたらすもの
文化財の保護は、石や土の壁を守るだけの仕事ではありません。そこに刻まれた記憶や物語を守り、次の世代へ手渡す営みです。
グルバクラムさんのように、地元で育ち、学びを経て戻ってきた人が文化財保護に関わることには、いくつかの意味があります。
- 家族三代にわたり、同じ遺跡を守り続けるという継承
- 大学で得た知識を、故郷の現場に生かすという姿勢
- 遺跡を通じて、地域の子どもから高齢者までをつなぐ役割
こうした積み重ねが、遺跡そのものだけでなく、地域の誇りや一体感を支えています。
過去と未来をつなぐ物語としての国際ニュース
ジャオヘ遺跡の物語は、中国北西部の一つの古代都市の話であると同時に、世界各地で続く文化財保護の取り組みと響き合う話でもあります。
グルバクラム・ムミンさんが、祖父と父のあとを継ぎ、専門的な学びを経て「文化財の守り手」となったことは、過去と未来をつなぐ一つの回答です。静かで地道な仕事の中にこそ、私たちが共有できる「遺すべきもの」が見えてきます。
通勤時間やスキマ時間の一瞬でも、遠く離れたジャオヘ遺跡の風景と、そこに生きる人の選択に思いを馳せてみると、自分の足元にある歴史や場所との向き合い方も、少し違って見えてくるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








