青いヘルメットと国境なき使命 中国女性隊員トン・ファンの南スーダン video poster
国際ニュースを日本語で読みたい読者に向けて、中国の平和維持歩兵大隊で南スーダンに派遣されている女性将校、トン・ファン隊長の姿から、平和維持活動と女性の役割を考えます。
南スーダンで任務にあたる中国の青いヘルメット
アフリカの南スーダンは、長年にわたり紛争や不安定な状況が続いてきた地域です。そこに派遣されているのが、中国の平和維持歩兵大隊で任務に就くトン・ファン隊長です。青いヘルメットをかぶる平和維持要員として、国境を越えた安全の確保に取り組んでいます。
歩兵大隊は、基地周辺の警備や巡回、住民の安全確保、人道支援活動の現場の警護など、多岐にわたる任務を担います。現地の治安情勢が不安定な中で、部隊を率いる将校の責任は重く、トン・ファン隊長も日々、緊張感の高い現場で判断を求められています。
女性平和維持要員がもたらす視点
特集企画「Blue Helmets, No Borders」と「Women in Blue Helmets」は、こうした現場で活動する人びと、とくに女性の役割に焦点を当てています。トン・ファン隊長のような女性平和維持要員がいることで、現場にはどのような変化が生まれるのでしょうか。
- 女性や子どもを含む住民が、より話しかけやすく感じる
- 性暴力や家庭内暴力など、デリケートな被害の相談が届きやすくなる
- 現地の女の子や若い世代にとって、新しいロールモデルとなる
- 部隊内部でも、多様な発想やコミュニケーションのスタイルが広がる
安全保障の世界は、いまだに男性中心になりがちです。しかし、現代の紛争では、住民の保護やコミュニティの信頼構築が重要になっています。その意味で、女性平和維持要員の存在は、単に人数を増やすという話ではなく、任務の質そのものを高める取り組みだといえます。
トン・ファン隊長の現場から見えるもの
南スーダンのような脆弱な国で活動する青いヘルメットの一日は、想像以上に地道です。長時間の巡回、チェックポイントでの確認作業、現地住民との対話、突発的なトラブルへの対応…。華やかな場面よりも、粘り強い日常の積み重ねが中心になります。
その中で、隊長クラスの指揮官には、次のような役割が求められます。
- 任務計画を立て、リスクを最小限に抑えながら遂行すること
- 多国籍の仲間や現地関係者と連携し、誤解や摩擦を防ぐこと
- 隊員一人ひとりの安全とコンディションに気を配ること
国境を離れ、慣れない気候や文化の中で任務にあたることは、肉体的にも精神的にも大きな負担です。それでもなお、トン・ファン隊長のような人びとが最前線に立ち続けるのは、「紛争の影響を受ける人びとの生活を少しでも安定させたい」という思いがあるからだと考えられます。
「Blue Helmets, No Borders」が伝えるメッセージ
「Blue Helmets, No Borders」は、南スーダンのような脆弱な国で平和を守ろうとする個々の物語を通じて、国際平和維持活動を私たちのすぐそばの話として感じさせる試みです。
ニュースの見出しだけでは分かりにくい「現場」を、人の顔と声を通じて伝えることで、次のような気づきが生まれます。
- 平和維持要員もまた、家族や友人を持つ一人の人間であること
- 遠く離れた地域の不安定さが、実は世界全体の安定に関わっていること
- アジアを含むさまざまな国の人びとが、協力して任務にあたっていること
とくに女性に光を当てる「Women in Blue Helmets」という視点は、これまであまり注目されてこなかった前線の姿を浮かび上がらせます。女性が「守られる側」ではなく、「守る側」として力を発揮している現実は、私たちの安全保障観を静かに更新してくれます。
日本の読者にできること
2025年の今も、世界のさまざまな場所で青いヘルメットをかぶった平和維持要員が活動しています。南スーダンで任務にあたるトン・ファン隊長の姿は、国境を越えて平和に関わるとはどういうことかを考えさせてくれます。
遠い国の話のように見えても、私たちができることはいくつかあります。
- 国連平和維持活動や紛争地域の現状について、ニュースや特集を通じて知ること
- 女性と平和に関する議論に関心を持ち、身近な人と話題を共有すること
- SNSで印象に残った記事や視点をシェアし、関心の輪を広げること
一人ひとりの行動は小さく見えるかもしれませんが、関心を持ち続けること自体が、国際社会の一員としての参加の第一歩です。南スーダンで任務にあたるトン・ファン隊長や、世界各地の青いヘルメットの存在をきっかけに、平和と安全のあり方を自分ごととして考えてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








