観光は人と人の対話の架け橋に China Tourism Academy 会長が提起 video poster
今年開催される Silk Road (Dunhuang) International Cultural Expo を前に、中国の観光研究機関である China Tourism Academy の会長 Dai Bin 氏が、観光を通じた人と人の対話の重要性を改めて強調しました。国際ニュースとしても、観光の意味を問い直すメッセージとしても、注目したい発言です。
観光は人と人の対話を生み出す橋
Dai Bin 氏は、観光を人と人の対話を進めるための架け橋として位置づけています。旅行先での出会いや会話、文化や生活習慣に触れる体験は、統計や報道だけでは見えてこない相手国・地域への理解につながります。
観光客にとっては、現地の人との何気ない会話や、地域の食文化、日常の風景に触れることが、相手を知るきっかけになります。一方、受け入れる側にとっても、訪れる人の価値観やニーズを知ることで、自国や地域を見つめ直す機会になります。この双方向のプロセスこそが、Dai 氏の言う「人と人の対話」と言えます。
観光事業者に求められる連帯
Dai Bin 氏は、世界の観光オペレーター、つまり旅行会社やオンライン予約サービス、ホテル、観光施設、地域の事業者などに対し、「連帯」を呼びかけています。観光市場での競争は激しい一方で、観光が抱える課題の多くは、一社や一地域だけでは対応しきれません。
例えば、次のようなテーマは、協力があってこそ前に進むものです。
- 観光客の安全と安心を守る仕組みづくり
- 地域社会と観光産業のバランスを取るルールづくり
- 観光地の魅力を長期的に守るための取り組み
こうした課題に向き合ううえで、観光事業者同士が対立ではなく連携の発想を持つことが重要だ、というのが Dai 氏のメッセージです。観光は人と人をつなげる産業だからこそ、業界そのものも「つながり」を前提にした協力が求められていると言えます。
世界最大の観光市場としての中国の役割
Dai Bin 氏は、中国が世界最大の観光市場であることに触れつつ、その役割は「数」や「規模」だけにとどまらないと強調しています。中国は観光客を送り出し、受け入れる市場としてだけでなく、観光の未来像についてアイデアや解決策を示す立場にあるという考え方です。
その視線の先にあるのが、「グローバルな観光コミュニティ」という発想です。これは、旅行者、観光事業者、行政、地域社会など、多様な主体が国境を越えてつながり、観光を通じて共通のルールや価値観を形づくっていくネットワークだと理解できます。
Dai 氏が示すのは、中国がその一員として、観光に関する経験や知見を共有し、アイデアと実践の両面で貢献していくという方向性です。世界の観光を取り巻く課題が複雑になるなかで、各国・各地域が学び合うための枠組みづくりが意識されていることがうかがえます。
日本の読者への示唆
日本にとっても、観光は経済だけでなく、国際交流や地域づくりを支える重要な柱となっています。観光を「人と人の対話のインフラ」と捉える視点は、日本の自治体や企業、観光に関心を持つ一人ひとりにとってもヒントになりそうです。
旅行先を選ぶとき、単なる消費や写真映えだけではなく、「どのような対話が生まれる場所か」という視点を持つことで、旅の意味は変わってきます。同時に、観光地側も「どのような対話を生み出したいか」を意識した受け入れ方を考えることで、より豊かな交流が生まれる可能性があります。
これからの観光をどうデザインするか
Silk Road (Dunhuang) International Cultural Expo は、その名称が示す通り、シルクロードをキーワードに文化と観光を結びつける国際的な対話の場として位置づけられています。そこで交わされる議論は、観光を通じた人と人の対話、そしてグローバルな観光コミュニティのあり方を考えるうえで重要な意味を持つでしょう。
観光は、単なるレジャーから、社会や世界をどうつなぎ直すかを考える「実験の場」に変わりつつあります。Dai Bin 氏が提起した、観光を人と人の対話の架け橋とする視点と、観光事業者の連帯、そして中国がアイデアと解決策を提供する役割が、今後どのような形で具体化していくのか。Expo の動向とともに、引き続き注目していく必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








