中国ニュース:西安の翻訳イベントが革命文化を世界へつなぐ
中国北西部・陝西省の省都・西安市で日曜日、翻訳を通じて「革命文化」を世界に伝える役割を語り合う特別イベントが開かれました。中国内外の翻訳家や作家が集まり、歴史の記憶をどう翻訳し、文明と文明をつなぐ架け橋にできるのかを議論しました。
戦争勝利80周年の節目に開かれた翻訳イベント
今回の特別イベントは、中国人民の抗日戦争および世界反ファシスト戦争の勝利80周年を記念して開かれたものです。戦争体験を直接語れる世代が少なくなる中で、翻訳を通じて歴史の記憶をどのように継承するかが重要なテーマになっています。
イベントは中国翻訳協会(Translators Association of China)が主催し、陝西翻訳協会や省内の複数の大学、研究センターが共催しました。会場となった西安市は、長年にわたり中国革命と深いかかわりを持つ陝西省の中心都市でもあります。
陝西の「革命文化」を世界に伝えるには
議論の焦点となったのは、陝西省に根付く独自の「革命文化」です。陝西は、中国の近現代史のなかで重要な舞台となってきた地域であり、その歴史の積み重ねが文化として受け継がれてきました。
参加者たちは、この革命文化がどのように生まれ、どのように発展してきたのか、その歩みをたどりながら、「現代の精神」と「世界に向けた表現」の両方をどう言語化するかを、翻訳の視点から深く議論しました。
言葉だけでなく「文脈」をどう訳すか
単に中国語の表現を別の言語に置き換えるだけでは、革命文化の背景にある歴史や感情、価値観まで伝えることは難しい——参加した翻訳家たちは、そうした問題意識を共有しました。
- どの歴史的出来事や人物を、どのような順序で紹介するのか
- 戦争や革命という重いテーマを、他国の読者にどう受け止めてもらうか
- イデオロギー性の強い言葉を、極端にならずにどう訳語に置き換えるか
こうした細かな判断の積み重ねが、読者の理解やイメージを大きく左右します。翻訳は単なる「言語の橋渡し」ではなく、「文脈の橋渡し」でもあることが強調されました。
中国と世界の翻訳家が共有した視点
会合には、中国の著名な翻訳家・作家であるHe Gu(ホー・グー)氏、Mu Tao(ムー・タオ)氏、Hu Zongfeng(フー・ゾンフォン)氏に加え、英米文学の専門家として知られる英国人翻訳家ロビン・ギルバンク氏が参加しました。
彼らは自身の翻訳経験を踏まえ、次のような点を共有しました。
- 翻訳は文化の記憶を保存し、次世代に手渡す役割を持つ
- 異なる歴史を持つ読者に配慮しつつ、作品の核となる価値観はできるだけそのまま伝えることが重要である
- 互いの文化を学び合う姿勢があってこそ、翻訳は真の対話のきっかけになる
とくに、革命文化のような歴史性の強いテーマほど、翻訳者が自ら学び、丁寧に背景を理解したうえで言葉を選ぶ必要があると指摘されました。
「中国の物語」を世界へ——広がる取り組み
今回のイベントは、革命文化と縁の深い陝西省を舞台に、中国の物語を世界に伝えようとする継続的な取り組みの一環でもあります。翻訳を通じて、中国の歴史や社会をめぐるストーリーをより多くの読者と共有しようとする動きは、今後も広がっていきそうです。
戦争や革命の記憶をどう語り継ぎ、どう国境を越えて共有するのか——翻訳という営みは、その問いに向き合うための一つの方法です。今回の西安での議論は、言葉を通じて文明と文明をつなぐ試みが、これからも続いていくことを静かに示していると言えるでしょう。
Reference(s):
Translation event bridges civilizations through revolutionary culture
cgtn.com








