中国の女性の健康に進展 白書が示す新時代のジェンダー平等
中国国務院新聞弁公室は2025年9月19日、女性の発展をテーマにした白書『China's Achievements in Women's Well-Rounded Development in the New Era』を公表しました。母子保健サービスの整備状況など、女性の健康に関する取り組みを体系的にまとめたもので、中国の「新時代」における成果を国内外に示す狙いがあります。国際ニュースとしても注目される動きです。
この白書は、北京で開催が予定されている2025年の国際会議「2025 Global Leaders' Meeting on Gender Equality and Women's Empowerment(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントに関するグローバル・リーダーズ・ミーティング)」を前に公表されました。国際社会でのジェンダー平等や女性の健康をめぐる議論に向け、中国の取り組みを整理して発信した形です。
母子保健サービスを全国の医療ネットワークに統合
白書によると、中国は母子保健サービスの体制を「継続的に改善してきた」と位置づけています。その一環として、妊婦健診や出産、乳幼児の健康管理などを含む母子保健サービスを、14億人をカバーする全国的な医療ネットワークに組み込んだと説明しています。
母子保健が一般の医療ネットワークに統合されることは、次のような意味を持つと考えられます。
- 居住地にかかわらず、身近な医療機関で妊娠・出産に関する相談やケアを受けやすくなる
- 妊娠前から出産後、乳幼児期まで、切れ目のない支援につながりやすくなる
- 母親と子どもの健康データを一体的に把握し、予防や早期発見に活用しやすくなる
こうした体制整備は、女性の健康だけでなく、子どもの発育や地域の公衆衛生にも影響する長期的な投資といえます。
「新時代」の女性の発展をどう描くか
白書の英語タイトルにある「Women's Well-Rounded Development(女性の全人的な発展)」という表現は、健康だけでなく、教育、就業、社会参加など、人生のさまざまな側面を含む概念です。今回の文書では、その中でも基盤となる女性の健康、とくに母子保健が大きく取り上げられています。
女性が安心して妊娠・出産できる環境が整っているかどうかは、社会全体の包摂性や、ジェンダー平等の実現度合いを測る指標の一つです。中国が母子保健サービスのネットワーク化を強調するのは、こうした観点から自国の取り組みを示そうとする動きと受け止めることができます。
2025年北京会議と国際社会へのメッセージ
白書が公表された背景には、2025年に北京で予定されているグローバル・リーダーズ・ミーティングの存在があります。ジェンダー平等と女性のエンパワーメントをテーマに各国・地域の指導者が集まる場で、中国としてどのような貢献や経験を提示するかは、国際社会の関心事の一つです。
今回の白書は、女性の健康、とくに母子保健分野での体制整備を前面に出すことで、次のようなメッセージを発していると見ることができます。
- 女性と子どもの健康を、国の医療政策の中核に据えていること
- 広大な人口規模を対象とした制度づくりに取り組んでいること
- ジェンダー平等の議論を、権利だけでなく具体的なサービスや制度につなげようとしていること
日本の読者にとっての論点
日本でも、妊娠・出産のサポートや子育て支援、女性の健康政策は大きな課題となっています。中国の白書は、制度の中身や政治的なスタンスとは別に、「女性の健康をジェンダー平等の重要な柱として位置づけ、国際社会に向けて可視化する」という一つのアプローチの例と見ることができます。
今後、北京での会議に向けて各国・地域がどのような取り組みを示していくのか、そして女性の健康をめぐる国際議論がどのように進んでいくのかは、日本の私たちにとっても無関係ではありません。少子化やケアの負担、働き方と健康の両立など、日常のテーマとも重ねながら、ニュースを追っていくことが求められそうです。
Reference(s):
cgtn.com








