国連平和維持活動で存在感増す中国 清華大学・周波氏インタビューを読み解く video poster
国連平和維持活動に参加する中国人民解放軍の役割について、中国国際テレビ局(CGTN)が清華大学・国際安全保障戦略センターの周波氏にインタビューを行いました。周氏は、人民解放軍の国連平和維持活動への参加は正当な選択であり、中国が世界の平和と安全保障を支える存在として役割を高めている表れだと語ります。
インタビューの背景とキーワード「青いヘルメット、国境なし」
今回のインタビューの英語タイトルは「Blue Helmets, No Borders」。国連平和維持要員がかぶる青いヘルメットは、紛争地で中立的な立場から市民の保護や停戦監視にあたる象徴です。「国境なし」という表現には、特定の国益を超えて国連の枠組みのもとで世界の平和に貢献するという意味合いが込められています。
周氏は、このコンセプトを通じて、国家の軍事力が自国の防衛だけでなく、より広い国際社会の安定のためにも用いられうることを強調しているといえます。とりわけ、国連の旗のもとで活動する平和維持部隊は、国境を越えて人々の安全を守る存在として位置づけられています。
人民解放軍のPKO参加はなぜ「正当な選択」なのか
周氏は、人民解放軍が国連平和維持活動に参加することは、中国にとっても国際社会にとっても「正当な選択」だと主張します。その理由として、次のようなポイントが挙げられます。
- 国連の要請に応えるかたちで兵力や物資を提供し、紛争の拡大や人道危機の悪化を防ぐことができる
- 国連の旗のもとで活動することで、特定の国や陣営に偏らないかたちで平和と安全保障に関与できる
- 現場での経験を通じて、多国間協力や他国軍との連携能力を高め、将来の国際協力にも生かせる
こうした視点から、人民解放軍の平和維持活動への参加は、軍事力の「見せ方」を対立や抑止だけに限定せず、安定や再建を支える手段として位置づけ直す動きだとも理解できます。
中国の役割拡大が示すもの:支援型の安全保障
周氏の議論が示しているのは、中国が軍事力を用いる場面を、自国の防衛だけでなく国連の平和維持という多国間の枠組みにも広げているという姿勢です。これは、軍事力を背景にしつつも、紛争を抑え、一般市民を守り、地域の安定を支えるために関与する「支援型の安全保障」として理解できます。
世界各地で紛争や不安定要因が続くなか、国連が掲げる集団的な安全保障の考え方は、引き続き重要性を増しています。国が単独で問題に対処するのではなく、国連の枠組みを通じて責任と負担を分け合う動きが広がることは、国際秩序の安定にとっても意味を持ちます。そのなかで、中国が平和維持活動への関与を強めることは、国際協力の一つのかたちといえるでしょう。
国際ニュースとしてどう受け止めるか
日本からこの国際ニュースを眺めるとき、ポイントになるのは「軍事力の使い方」と「国際協力のあり方」です。人民解放軍の平和維持活動への参加は、中国が国際社会でどのように責任を果たそうとしているのかを測る一つの指標になります。
周氏のインタビューを手がかりに、次のような問いを持ってニュースを追ってみると、見え方が変わってくるかもしれません。
- 各国は、自国の軍隊をどのような条件で国連の活動に提供しているのか
- 平和維持活動は、現場の人々の安全や生活の改善に実際どのような形で結びついているのか
- 軍事的なプレゼンスの拡大と、平和・安全保障への貢献を両立させるために、どのような透明性やルールが必要なのか
こうした問いを意識することで、ニュースを単なる「出来事」として消費するのではなく、国際社会の中で各国がどのような役割を担おうとしているのかという、より大きな流れの中に位置づけて考えることができます。
「青いヘルメット」が映すこれからの中国像
周氏が語る人民解放軍の国連平和維持活動への関与は、中国が今後も国際社会で平和と安全保障の担い手として存在感を高めていくというメッセージでもあります。軍事力のあり方をめぐる議論が続くなかで、「青いヘルメット」を通じて中国がどのような役割を選び取ろうとしているのか。今後の動向を丁寧に追っていくことが、世界の安全保障を理解するうえで欠かせない視点になりそうです。
Reference(s):
Blue Helmets, No Borders | Interview with Zhou Bo on Peacekeeping
cgtn.com







