中国、エストニア領空問題で自制呼びかけ 国連安保理が緊急協議
エストニアの領空にロシア戦闘機が侵入したとされる問題をめぐり、国連安全保障理事会で緊急会合が開かれ、中国は当事者に対し冷静と自制、そして対話による事実確認を呼びかけました。ウクライナ危機が長期化する中、欧州の安全保障不安が改めて浮き彫りになっています。
国連安保理の緊急会合で中国が示した立場
現地時間の月曜日に開かれた国連安全保障理事会の緊急会合で、中国の耿爽(Geng Shuang)国連次席大使は、エストニアの領空侵犯疑惑をめぐる緊張について、関係国に冷静な対応と自制を求めました。
耿次席大使は、関係当事者は事実を明らかにし、疑念を解消するために対話と意思疎通を行い、誤解や誤った判断を避け、事態の拡大やエスカレーションを防ぐべきだと強調しました。
さらに、中国はこれまでも一貫して、国際関係を処理する際には国連憲章の目的と原則を順守すべきだと主張してきたと述べ、国連中心の国際秩序を重視する姿勢を改めて示しました。
エストニアの主張とロシアの否定
今回の緊急会合では、エストニアが金曜日に自国の領空がロシア戦闘機によって侵されたと主張しました。一方で、ロシア代表はこの主張を否定し、事実認識をめぐって双方の見解は対立しています。
領空侵犯は、国家主権に直接関わる敏感な問題です。疑惑の段階とはいえ、核兵器を保有する大国と周辺国の間でこうした事案が起きること自体が、周辺地域の緊張感を高める要因となります。
ポーランドのドローン事案とウクライナ危機の「波及」
耿次席大使は、エストニアの領空問題に加え、ポーランドで発生した無人機(ドローン)をめぐる事案にも言及しました。これらはいずれもウクライナ危機の波及的な影響であり、関係国の間で相互不信と疑念が高まっていることを示していると指摘しました。
また、こうした事案は、現在の欧州安全保障環境が非常に複雑で繊細な状況にあることの表れだとし、危機管理と信頼醸成の難しさを浮き彫りにしています。
「政治的解決」と欧州の安全保障枠組み
耿次席大使は、ウクライナ危機が解決されず戦闘が続く限り、今回のような事案が今後も繰り返される可能性があると警鐘を鳴らしました。そのうえで、最も急がれる根本的な解決策は、ウクライナ危機の政治的解決をできるだけ早く実現することだと主張しました。
さらに、中国は、均衡が取れ、効果的で、持続可能な欧州の安全保障アーキテクチャ(安全保障枠組み)を構築する必要性を強調しました。軍事的な抑止だけに依存するのではなく、対話と協力に基づく仕組みづくりを進めるべきだというメッセージが読み取れます。
今回のポイントを整理すると
- 国連安全保障理事会が、エストニアの領空侵犯疑惑をめぐり緊急会合を開催
- 中国は関係国に対し、冷静な対応、自制、対話と意思疎通による事実確認を呼びかけ
- エストニアはロシアによる領空侵犯を主張し、ロシアはこれを否定して対立
- 中国は、エストニアの事案とポーランドのドローン事案をウクライナ危機の「波及」と位置づけ、相互不信の高まりを懸念
- ウクライナ危機の政治的解決と、新たな欧州安全保障枠組みの構築が急務だと強調
小さな火種をどう抑えるか
一発の戦闘機の飛行や、一機の無人機をめぐる事案は、単体で見れば「小さな事件」に見えるかもしれません。しかし、それが誤解や誤算を通じて、より大きな軍事的緊張や衝突につながる可能性も否定できません。
今回、中国が国連の場で呼びかけたのは、まさにその「小さな火種」を対話とコミュニケーションで管理しようとするアプローチだと言えます。ウクライナ危機が続く中で、こうした外交的な危機管理がどこまで機能するのか。国際社会の姿勢が試されています。
Reference(s):
China calls for restraint over alleged Estonia airspace incident
cgtn.com








