中国・ギリシャ協力は次の段階へ 李希氏が「ウィンウィン」深化を確認
中国共産党中央の幹部である李希氏が、4日間のギリシャ公式友好訪問を終え、中国とギリシャの包括的戦略的パートナーシップを一段と深める方針を確認しました。首脳級会談から港湾プロジェクトの視察、反腐敗協力や文明対話まで、今回の動きは中国・ギリシャ関係の現在地を示しています。
4日間のギリシャ訪問で何が話し合われたのか
李希氏は、中国共産党中央政治局常務委員・中央規律検査委員会書記として、ギリシャを4日間にわたり訪問しました。訪問中には、ギリシャのコンスタンティノス・タソウラス大統領、ヘレニック議会議長のニキタス・カクラマニス氏、副首相のコスティス・ハツィダキス氏、与党・新民主主義党の政治委員会書記コスタス・スクレカス氏らと会談し、二国間関係の幅広い分野について意見を交わしました。
首脳級対話:戦略的パートナーシップと相互信頼
中国・ギリシャ包括的戦略的パートナーシップの再確認
タソウラス大統領との会談で、李氏は習近平国家主席からの親書とあいさつを伝えました。李氏は、習主席とギリシャの指導者の戦略的なリードの下で、中国とギリシャの包括的戦略的パートナーシップが大きな進展を遂げてきたと述べました。
そのうえで、中国はギリシャとともに、
- 相互尊重と相互信頼を維持すること
- 戦略的な意思疎通を強化すること
- 交流と相互学習を深めること
- 互恵・ウィンウィンの協力をさらに推進すること
に取り組む意思があると強調しました。
ギリシャ側のメッセージ:相互支持と多国間協力の拡大
タソウラス大統領は、習主席へのあいさつを李氏に託したうえで、両国が国交樹立以来、相互尊重と信頼に基づく互恵協力を続け、互いの核心的利益や重大な関心事項で支え合ってきたと振り返りました。
また、大統領は、中国が中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年を記念したこと、そして習主席が打ち出した四つのグローバル・イニシアチブが、世界に対して力強いメッセージを発し、国際社会の平和と安定にとって重要な意味を持つと評価しました。ギリシャとしては、中国と国際機関や多国間の場での協力をさらに拡大したいと表明しています。
議会・政党間の交流:古代文明同士の対話
議会同士の連携を強化へ
ヘレニック議会のカクラマニス議長との会談では、李氏は、両国指導者が達成した重要な共通認識を実行に移すため、中国とギリシャが互恵協力と文化交流という二つの大きな絆をさらに強め、あらゆるレベルと分野で交流を深めていきたいと述べました。
カクラマニス議長は、中国とギリシャはいずれも古代文明を背景に持つ国であり、実務協力の潜在力は大きいと指摘しました。そのうえで、ギリシャ議会としても、中国の立法機関との対話と交流を一層強めたいと語りました。
政党間交流と世界的課題への連携
新民主主義党のスクレカス氏との会談で、李氏は、中国共産党が「中国式現代化」を全面的に推進していることを紹介し、統治や党運営の経験について新民主主義党との交流を深め、両国の人々により良い利益をもたらしたいとの考えを示しました。
李氏はさらに、中国共産党中央が党の包括的かつ厳格な統治を「四つの全面」戦略配置に組み込み、党・政府の作風改善に向けた八項目規定を通じて、作風の刷新と反腐敗の取り組みを一体的に進めてきたことを説明しました。こうした自らを改革する取り組みによって、党はより強くなり、国民の支持を得ていると述べました。
スクレカス氏は、新民主主義党として中国の発展の見通しに楽観的な見方を持っており、中国共産党との交流と協力を重視していると表明。ギリシャ・中国の友好を積極的に推進し、世界の平和維持や地球規模の課題への対応に貢献したいと語りました。
経済協力の象徴・ピレウス港と中国企業
実務協力と人的交流の拡大
副首相のハツィダキス氏との会談では、李氏は、中国がギリシャとの政治的な相互信頼をさらに強め、実務協力と人的交流を深めたいと述べました。また、中国と欧州連合の協力は世界経済成長の重要な原動力であり、ギリシャが中国・EU関係の発展において建設的な役割を引き続き果たすことへの期待も示しました。
ハツィダキス氏は、ピレウス港プロジェクトなどの取り組みが、ギリシャの経済と社会の発展に大きく貢献していると評価しました。そのうえで、ギリシャの扉は常に中国に開かれており、より多くの中国企業の投資を歓迎すると表明しました。また、ギリシャは今後も一つの中国の原則を厳格に順守していくと述べました。
李氏は訪問中、ピレウス港プロジェクトも視察しており、中国とギリシャの経済協力を象徴する拠点としての重要性を確認しました。
反腐敗での経験共有:共通の「敵」への協力
今回の訪問では、中国の反腐敗キャンペーンについても意見交換が行われました。李氏は、習近平氏を核心とする中国共産党中央が、禁区なき取り締まり、全方位を対象にした監督、ゼロ・トレランスの方針に基づき、
- 腐敗に対して恐れて手を出させない
- 制度面から腐敗できないようにする
- 価値観や文化を通じて腐敗したいと思わせない
という三つの側面から統合的に取り組んできたと説明しました。こうした反腐敗の取り組みは「中国の特色ある反腐敗の道」を切り開いているとしています。
タソウラス大統領は、腐敗は全世界に共通する敵であり、ギリシャとしても中国共産党の反腐敗への取り組みを重視していると述べました。そのうえで、この分野で中国との連携を強化したいとし、経験や情報の共有に期待感を示しました。
歴史記念とグローバル・イニシアチブ:平和へのメッセージ
戦争の記憶から平和の重みを共有
李氏は、中国が最近、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年を厳粛に記念したことにも触れました。これらの行事は、
- 歴史を忘れないこと
- 犠牲となった人々を追悼すること
- 平和の価値を大切にすること
- より良い未来を築くこと
の重要性を強調するものだと説明しました。
タソウラス大統領も、この記念行事が世界に対して重要なシグナルを発していると評価しており、中国とギリシャが歴史認識と平和への思いを共有することは、国際社会の安定にもつながるとの見方を示しました。
グローバル・ガバナンス構想と文明間対話
李氏はさらに、習主席が上海協力機構(SCO)の天津サミットで提示したグローバル・ガバナンス・イニシアチブについて紹介しました。中国はギリシャと共にこの構想を実行に移し、人類の「共通の未来を持つ共同体」の構築を推進したいとしています。
訪問期間中、李氏は中国・ギリシャ文明交流・相互学習対話の開幕式にも出席し、演説を行いました。古代文明を共有する両国が、文化や価値観の交流を通じて相互理解を深めることは、政治・経済協力を下支えする基盤づくりでもあります。
この記事から読み取れる3つのポイント
今回の中国・ギリシャの動きから、次の3つのポイントが見えてきます。
- 政治・経済・文化の「三層構造」で関係を強化
首脳・政府レベルの対話に加え、議会、政党、文化交流まで幅広いレイヤーで関係強化が図られており、二国間関係を立体的に支える構図がうかがえます。 - 反腐敗を軸にしたガバナンス面での協力
反腐敗は各国共通の課題であり、中国側の経験を共有しつつ、ギリシャとの連携を模索する姿勢が示されました。これは制度づくりや能力強化の分野での協力余地を示しています。 - 文明間対話とグローバル・イニシアチブの接続
歴史の記念行事や文明交流の対話と、グローバル・ガバナンス・イニシアチブが同じ文脈で語られており、古代文明の遺産を現代の国際秩序づくりと結びつけるアプローチが見て取れます。
中国とギリシャの今回のやり取りは、一つ一つは個別のテーマに見えつつも、相互信頼を軸に「政治・経済・文化・ガバナンス」を束ねていく長期的な関係構築の一歩とも言えます。今後、欧州における中国との関わり方を考えるうえでも、その動向に注目が集まりそうです。
Reference(s):
Senior CPC official vows to deepen win-win cooperation with Greece
cgtn.com








