中国宇宙ステーションの神舟20号、4回目の船外活動へ CMSAが発表
中国の宇宙ステーションで任務中の神舟20号クルーが、4回目となる船外活動(EVA)を近日中に実施する見通しです。中国有人宇宙工程弁公室(CMSA)が水曜日に発表しました。
4回目の船外活動へ 神舟20号クルーの現在地
今回の発表によると、中国の宇宙ステーションに滞在している神舟20号の3人の乗組員は、まもなく4回目の船外活動(スペースウォーク)に臨む予定です。船外活動とは、宇宙飛行士が宇宙服を着て機体の外に出て行う作業のことで、設備の点検や組み立て、新しい実験装置の設置などに欠かせない工程です。
神舟20号に搭乗しているのは、陳冬(チェン・ドン)、陳忠瑞(チェン・ジョンルイ)、王傑(ワン・ジエ)の3人です。CMSAによれば、クルーはこれまでに5月、6月、8月と3回の船外活動を行ってきました。
神舟15号に並ぶ「4回の船外活動」という節目
今回の船外活動が完了すると、神舟20号クルーは、軌道上滞在中に4回の船外活動を行った神舟15号クルーと同じ「ベンチマーク」を達成することになります。複数回の船外活動をこなすことは、宇宙ステーションの長期運用に必要な作業手順や機器、宇宙服の信頼性を確認するうえで重要です。
国際的に見ても、船外活動の経験値は、その国の宇宙ステーション運用能力や有人宇宙技術の蓄積を示す指標の一つとされています。中国の宇宙ステーション計画でも、連続したミッションごとに複数の船外活動が組み込まれ、運用ノウハウの蓄積が進められています。
宇宙ステーションで進む4分野の実験
CMSAによると、神舟20号クルーはこれまでに、宇宙ステーション内で次のような分野の実験を進めてきました。
- 宇宙生命科学:微小重力環境での生命現象や生物の変化を調べる実験
- 有人研究:長期滞在中の睡眠、運動、作業負荷など、人の体や行動への影響を探る研究
- 微小重力物理学:重力の影響がほとんどない環境で、流体や材料などの物理現象を調べる実験
- 新しい宇宙技術とその応用:将来の宇宙機器や地上利用につながる技術の試験
こうした実験は、宇宙で人が長く暮らすための基礎データになるだけでなく、地上の医療や材料開発などにも応用される可能性があります。
医療救助訓練と全システムの緊急対応訓練も実施
神舟20号クルーは、実験だけでなく、安全確保のための訓練にも取り組んでいます。CMSAによると、クルーは軌道上での医療救助訓練や、宇宙ステーション全体を対象にした緊急対応の総合訓練を完了しました。
宇宙空間では、地上のようにすぐに病院へ搬送することができないため、その場での応急処置や判断力が特に重要になります。訓練を重ねることで、予期せぬトラブルが起きた際の対応力を高めているとみられます。
環境監視や設備点検など、日常業務も継続
クルーはそのほかにも、宇宙ステーション内部の空気や温度、微粒子などをチェックする環境監視、各種装置の点検や保守、物資の在庫管理といった日常的な業務も続けています。宇宙ステーションを「長く、安全に使い続ける」ためには、こうした地道な作業が欠かせません。
CMSAは、宇宙ステーションが安定して運用されており、クルー3人も身体的・精神的に良好な状態にあり、次の船外活動に向けて十分な準備ができているとしています。
これからの注目ポイント
神舟20号クルーによる4回目の船外活動は、今後の中国の宇宙ステーション運用や有人宇宙技術の方向性をうかがううえで重要な節目となりそうです。国際ニュースとしては、次のような点に注目が集まりそうです。
- 4回目の船外活動で、どのような設備の点検や作業が行われるのか
- 今回までのミッションで蓄積された船外活動のノウハウが、今後の運用にどう生かされるのか
- 宇宙生命科学や微小重力物理などの実験結果が、地上の科学技術や産業にどのようにつながっていくのか
中国の宇宙ステーション計画は、国際宇宙開発の中でも存在感を高めつつあります。神舟20号クルーの4回目の船外活動がどのような成果をもたらすのか、今後の発表に注目が集まります。
Reference(s):
cgtn.com








