第12回シルクロード映画祭 ロン・ディエンスが語る国境を越える物語 video poster
第12回シルクロード国際映画祭で、アニメーション部門の審査員を務めるフランスの映画プロデューサー、ロン・ディエンス氏が、中国の国際ニュースメディアCGTNの張暁禾(Zhang Xiaohe)氏のインタビューに応じました。テーマは「どうすれば物語は国境を越え、世界の観客の心に届くのか」。国際ニュースとしても、映画ファンにとっても注目したい視点です。
第12回シルクロード国際映画祭で語られた「物語の力」
シルクロード国際映画祭は、その名のとおり、かつて人・モノ・文化が行き交ったシルクロードにちなんで、多様な国や地域の作品が集まる場です。そうした場で、ロン・ディエンス氏は「優れた物語は国境を越え、世界の観客に響く」という考え方について、自身の経験を踏まえて語りました。
インタビューでは、特定の国や文化に閉じない、より普遍的な視点を持ったストーリーテリングが、いかに多様な観客をつなぎ得るかが焦点となりました。特にアニメーションは言語に頼りすぎずに感情を伝えられるため、国際的な共感を生みやすい表現形式として位置づけられています。
ユニバーサル・ストーリーテリングとは
「普遍的な物語」と聞くと、抽象的に感じるかもしれません。インタビューのキーワードとなったのは、文化の違いを超えて共有できる感情や体験です。例えば、
- 家族や友情など、誰もが身近に感じるテーマ
- 成長や喪失、希望といった人生の転機
- 善悪や選択、責任といった倫理的な問い
こうしたテーマは、どの国の観客にとっても理解しやすく、作品の背景となる文化が異なっていても、感情の「芯」の部分で共感を生みます。ロン・ディエンス氏が語る「国境を越える物語」とは、特定の国のステレオタイプや説明に頼るのではなく、共通する感情にフォーカスしたストーリーテリングだといえます。
アニメーション審査員としての視線
ロン・ディエンス氏は、第12回シルクロード国際映画祭でアニメーション部門の審査に携わっています。審査員という立場から見れば、「何を基準に作品を評価するのか」は、世界中のクリエイターにとって大きな関心事です。
インタビューの文脈から浮かび上がるのは、単なる技術的な完成度だけでなく、「物語がどれだけ多様な観客に届きうるか」という視点です。映像美や作画の巧みさはもちろん重要ですが、それだけでは国や言語の壁を超えることはできません。キャラクターの感情が伝わるか、観客が自分の体験と重ね合わせられるか、といった要素が重視されていることがうかがえます。
言語を超える映像表現
アニメーションは、セリフだけでなく、色彩、動き、音楽、テンポなど、さまざまな要素で意味を伝えられるメディアです。そのため、
- セリフに頼りすぎない視覚的な語り
- 誰が見ても理解しやすい感情表現
- 文化背景を知らなくても追えるストーリーライン
といった点が、国際映画祭で評価されやすいポイントになっていきます。ロン・ディエンス氏がアニメーション審査員として語る「普遍性」は、まさにこうした視覚と感情のバランスに関わっていると考えられます。
なぜ今「普遍的な物語」が重要なのか
現在、世界の映画やアニメーションは、配信プラットフォームや国際映画祭を通じて、一気にグローバルな観客へ届く時代になっています。その一方で、政治や社会の分断がメディアをにぎわせる場面も少なくありません。
こうした状況のなかで、「国境を越える物語」が持つ意味は大きくなっています。作品を通じて、異なる背景を持つ人同士が、
- 同じシーンで笑い
- 同じ瞬間に涙を流し
- 同じ問いについて考える
という経験を共有できれば、それは小さくても確かな「文化の橋」になります。シルクロード国際映画祭の場で語られたロン・ディエンス氏の視点は、カルチャーやエンタメを単なる娯楽として消費するだけでなく、「世界とつながるための窓」として捉え直すきっかけを与えてくれます。
日本の視聴者へのヒント
日本の視聴者にとって、こうした国際ニュースは、遠い場所の出来事のように感じられるかもしれません。しかし、スマートフォン一つで世界中の作品を観られる今、「普遍的な物語」を意識して作品を選び、味わうことは、日常の中でできる身近な「国際交流」でもあります。
例えば、次のような見方が考えられます。
- 国や地域ではなく、「どんな感情が描かれているか」に注目して観る
- 自分の体験に一番近いシーン、遠いシーンを意識して振り返る
- XやInstagram、友人との会話で「どこが心に残ったか」を言語化してシェアする
ロン・ディエンス氏が語る「国境を越える物語」が、日本にいながら世界の観客とつながるためのヒントにもなりそうです。
おわりに:物語がつなぐシルクロード
第12回シルクロード国際映画祭でのCGTNによるインタビューは、アニメーションという表現を通じて、物語がどのように文化と文化をつなぐのかを改めて問いかける内容でした。ロン・ディエンス氏が示したのは、「文化の違いを消す」のではなく、「違いがあっても共有できる感情」を見つける視点です。
ニュースとしての出来事を追うだけでなく、その背後にある価値観に目を向けると、国際ニュースはぐっと自分ごととして立ち上がってきます。シルクロードの名を冠した映画祭で語られた「普遍的な物語」の力は、これからのコンテンツづくりや、私たち一人ひとりの作品の受け取り方にも静かな影響を与えていくかもしれません。
Reference(s):
Ron Dyens speaks on bridging cultures through universal storytelling
cgtn.com







