中国が国連でパレスチナ問題の早期解決を提唱 ガザ情勢と二国家解決を強調
中国の国連代表部の耿爽・副常駐代表が、国連安全保障理事会の会合でパレスチナ問題の早期解決を訴えました。ガザの戦闘が続くなか、中国がどのような立場を示したのかを整理します。
国連安保理で「パレスチナ問題は中東の核心」と強調
2025年9月23日、ニューヨークの国連本部で開かれた安全保障理事会のハイレベル会合で、中国の耿爽・国連副常駐代表は、パレスチナ問題が「中東の混乱の核心」にあると述べました。パレスチナ問題は中東の平和と安定に直結する最重要の課題だと位置づけたかたちです。
耿氏は、70年以上にわたりパレスチナとイスラエルの状況が繰り返し混乱と戦争に陥り、国際秩序の形成にも影響を与えてきたと指摘しました。そのうえで、この問題の解決を加速させることが不可欠だと強調しました。
ガザの惨状と広がる地域緊張
現在のガザ戦争の勃発以降、パレスチナの人々が深刻な苦難に直面していると、耿氏は述べています。ガザは荒廃し傷ついたままであり、イスラエルは軍事作戦をエスカレートさせ、さらなる民間人の犠牲と避難を生んでいると指摘しました。
中国はイスラエルに対し、ガザでのあらゆる軍事行動を直ちに停止し、占領権力としての国際人道法上の義務を果たし、人道支援へのアクセスを全面的に回復するよう求めています。
また、レバノン、シリア、イエメン、イランで緊張が高まり、カタールまでもが攻撃を受けるなど、中東全体の不安定化が進んでいると警鐘を鳴らしました。こうした対立と不安定さは、世界の安全保障環境を悪化させ、世界経済の見通しを暗くし、国際社会の共通の利益に反するとしています。
入植地問題と「二国家解決」への支持
耿氏は、イスラエルがヨルダン川西岸地区で入植地を拡大し続けていることにも強い懸念を示しました。パレスチナ人の建造物の強制的な破壊、頻発する突入や逮捕、攻撃、そして入植者による暴力を容認していると批判しました。
特に、イスラエルが最近承認・推進したE1入植計画について、これは国際法と安全保障理事会決議に対する重大な違反であり、将来のパレスチナ国家の領土的一体性を損ない、独立国家樹立の土台を侵食する「危険な行動」だと指摘しました。
中国はイスラエルに対し、あらゆる入植活動を即時に停止し、入植者による暴力を抑え、パレスチナ側の経済活動への制限を撤廃するよう求めています。
そのうえで、パレスチナ問題の解決には「二国家解決」以外に現実的な道はないと明言しました。最近、一部の欧米諸国がパレスチナ国家を承認した動きに触れつつ、国際社会はこの流れを維持し、二国家解決の展望を立て直すべきだと主張しました。独立したパレスチナ国家の早期樹立と、国連への完全加盟を支持するよう各国に呼びかけています。
中国が示す中東秩序へのビジョン
現在のガザ紛争の始まり以来、「無謀な軍事行動」と「力の乱用」が繰り返され、中東の地域情勢に深い変化をもたらしていると耿氏は分析しました。
中国は、中東のすべての当事者に対し、各国の主権・安全・領土一体性を尊重することを求めています。また、イスラエルには、中東地域の人々の生存と発展の権利を真摯に尊重するよう呼びかけました。
さらに、中国は中東諸国に「共通の安全」というビジョンを掲げ、公平と正義にもとづく地域秩序をともにつくり、平和と発展の未来を築くよう提案しています。
耿氏は、中国が一貫してパレスチナ問題に関して「公平と正義」を重んじ、パレスチナの人々の「正義の事業」を揺るぎなく支持してきたと強調しました。今後も国際社会と協力し、停戦の推進、人道危機の緩和、二国家解決の実行を進め、パレスチナ問題の包括的で公正かつ持続可能な解決を目指すとしています。
今回の発言から読み取れる3つのポイント
- パレスチナ問題を中東情勢の「核心」と位置づけ、国際社会に解決の加速を呼びかけたこと
- ガザでの軍事行動の即時停止と、人道アクセスの全面回復を具体的に求めたこと
- 入植活動の停止と二国家解決、そしてパレスチナ国家の国連加盟を支持する立場を明確にしたこと
パレスチナ問題が中東だけでなく、世界の安全保障や経済にも影響する課題として語られたことで、国連の場での議論は一段と重みを増しています。今後、二国家解決やパレスチナ国家承認をめぐる国際的な議論がどのように展開していくのか、注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
China calls for accelerated resolution of Palestinian question
cgtn.com








