中国と国連、GGI実施で協力へ 李強首相が連携強化を表明
中国の李強首相は、2025年の国連総会第80回会期の一般討論にあわせて国連のアントニオ・グテーレス事務総長と会談し、グローバル・ガバナンス・イニシアチブ(GGI)を国連と協力して実行に移す考えを示しました。より公正で公平な国際秩序づくりに向け、中国と国連がどのような役割を担おうとしているのかが注目されています。
国連総会の場で、中国と国連が連携強化を確認
李首相は現地時間の水曜日、国連総会第80回会期の一般討論の機会に、グテーレス事務総長と会談しました。会談の中で李首相は、中国は国連とともにGGIを実施し、より公正で公平なグローバル・ガバナンス(国際的なルールや制度の運営)の構築を進めていく用意があると強調しました。
李首相によると、習近平国家主席は最近、天津で開かれた上海協力機構(SCO)サミットでGGIを提唱し、国際社会がグローバル・ガバナンスをどう強化し改善するかについて、中国としての知恵と解決策を示したといいます。
同サミットにはグテーレス事務総長も招かれ、習主席との間で、世界が直面する変化に国際社会がどう対応すべきかについて踏み込んだ意見交換を行ったとされています。
GGIが目指すもの:より公正で公平な国際秩序
李首相が言及したGGIは、国際社会のルールづくりや運営のあり方を見直し、より公正で公平なグローバル・ガバナンス体制を築くことを目指す構想です。中国側は、国連を中心とする多国間主義の枠組みを重視しつつ、各国が対等に発言し、協力できる仕組みづくりを強調しています。
李首相は、中国が今後も国連や関係国とのコミュニケーションと調整を強め、世界の平和と発展にいっそう貢献していく姿勢を示しました。自国の発展と世界の発展を「常に緊密に結びつけてきた」としたうえで、中国は高水準の対外開放を続け、他国と発展の機会を分かち合い、世界経済の「安定装置」であり「成長エンジン」となりたいとの考えを示しています。
80年の国連を評価しつつ、単独主義と保護主義に懸念
李首相は、過去80年間にわたり、国連が国際の平和と安全を維持し、経済・社会開発を促進し、人権を守るうえで「代替不可能な役割」を果たしてきたと評価しました。そのうえで、中国は今後も国連の地位と権威を揺るぎないものとして支持し、各国が国連を対話と協力の場として最大限に活用できるよう後押しすると表明しました。
一方で李首相は、現在、一部の単独主義(自国だけで物事を決める姿勢)や保護主義的な動きが世界経済を損ない、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の実行を深刻に妨げていると警告しました。こうした状況を踏まえ、国際社会、とくにグローバルサウスの国々が、より力強い「公正の声」を上げる必要があると呼びかけています。
グローバルサウスに「より強い声」を要請
李首相は、グローバルサウスの国々をはじめとする国際社会に対し、「いじめや覇権主義」に共同で反対し、すべての国の正当な権利と利益を守るべきだと訴えました。ここには、途上国を含む多くの国の立場やニーズを国際ルールによりよく反映させたいという問題意識がうかがえます。
さらに、世界はより具体的な行動を通じて、開発協力を強化し、自由貿易と経済のグローバル化を守り、共通の発展と繁栄を後押しすべきだと述べました。貿易や投資の流れを妨げるのではなく、協力によって互いの利益を広げようというメッセージといえます。
気候変動とAIガバナンスでの役割も強調
李首相はまた、気候変動や人工知能(AI)のガバナンスなど新たな課題への対応において、国連がより大きな役割を果たすことへの期待を示しました。国連が各国の取り組みを束ね、政策の方向性を共有することで、地球規模の課題に対する協力が進むことを重視しているとみられます。
中国としても、国連や関係国と連携しながら、こうした分野での協調行動を強め、グローバルな課題に対する解決策づくりに貢献していく方針です。
日本の読者への視点:ガバナンスをめぐる静かな再編
今回の中国と国連の動きは、国際ニュースとして、グローバル・ガバナンスの主導権をめぐる「静かな再編」が進んでいることを示しています。単独主義や保護主義への懸念、グローバルサウスの声の重視、気候変動やAIといった新たな課題への対応など、日本を含む各国に共通する論点が含まれています。
今後、GGIが具体的にどのような協力の枠組みとして形づくられ、国連の場でどのように議論されていくのかは、日本の外交や企業活動にも影響しうるテーマです。ニュースを追いながら、自国の立場や国際社会全体の利益をどう両立させるのかを考えていく必要がありそうです。
Reference(s):
China pledges joint efforts with UN to implement GGI, says Premier Li
cgtn.com








