国連気候サミット2025で習近平国家主席がビデオ演説 中国の新たな気候目標とは
中国の習近平国家主席は、国連気候サミット2025のビデオ演説で、地球温暖化対策をめぐる新たな行動計画を発表し、各国が責任を果たして温室効果ガス排出を抑えるよう呼びかけました。今年はパリ協定採択から10年の節目であり、各国は新しい国別目標 NDC を提出することが期待されています。
国連気候サミット2025とパリ協定10年
今回の演説は、国連総会第80回会期のハイレベルウィークの一環として開かれた気候行動に関する特別ハイレベル会合で行われました。会合はグテーレス国連事務総長が主催し、気候変動対策を加速するため、各国首脳級が相次いで発言しました。
習主席は、パリ協定の10年を振り返りながら、今こそ各国が自信を持ち、責任を引き受け、協力を強化することで、地球規模の気候ガバナンスを前に進める必要があると強調しました。
中国の新しいNDC目標とは
演説の中心となったのは、中国が新たに提示した国別目標 NDC の主要な数値です。習主席は、中国が次のようなターゲットを掲げると述べました。
- 国全体のネット温室効果ガス排出量を、排出ピーク時から7〜10パーセント削減する
- エネルギー消費に占める非化石燃料の割合を30パーセント超に引き上げる
- 風力発電と太陽光発電の設備容量を2020年の6倍超に拡大し、合計で3600ギガワットを目指す
- 森林蓄積量を240億立方メートル超に増やす
- 全国炭素排出量取引市場を主要な高排出部門にまで拡大し、気候変動への適応力が高い社会の構築を目指す
習主席は、これらの目標はパリ協定の要請に基づく中国の最大限の努力を示すものであり、達成には中国自身のたゆまぬ努力と、開かれた支援的な国際環境の両方が必要だと述べました。
自信・責任・協力の三つの柱
習主席は、今後の気候ガバナンスの方向性として三つのポイントを提示しました。
1 自信を強める
習主席は、グリーンかつ低炭素な転換は時代の大きな流れだと位置づけました。一部の国がこの流れに逆行する動きを見せているとしつつも、国際社会は正しい方向性を堅持し、新たなNDCを通じて前進し、地球規模の気候ガバナンスにより多くの前向きなエネルギーを注ぎ込むべきだと呼びかけました。
2 責任を果たす
次に習主席は、公平と公正を重視し、途上国の発展の権利を十分に尊重する必要があると強調しました。そのうえで、共通だが差異ある責任という原則を守ることが重要だと指摘しました。先進国は排出削減で主導的役割を果たすとともに、途上国に対して資金面・技術面でより多くの支援を提供するよう求めました。
3 協力を深める
三つ目のポイントは国際協力の強化です。習主席は、各国がグリーン技術やグリーン産業での協調を強め、世界的なグリーン生産能力の不足に対応する必要があると述べました。また、質の高いグリーン製品が世界中を自由に流通できるようにし、グリーンな発展の果実を世界の隅々にまで届けるべきだと訴えました。
今回の演説が示すもの
パリ協定から10年となる2025年は、各国が改めて中長期の気候戦略を見直し、新たなNDCを国連に提出する重要なタイミングです。その中で中国が数値目標と制度整備の方向性をまとめて打ち出したことは、今後の国際交渉や協力の流れに影響を与える可能性があります。
とくに、風力・太陽光発電の大幅な拡大や、全国炭素市場の対象拡大、気候変動への適応社会の構築といった方針は、エネルギー、産業、金融など幅広い分野に波及効果をもたらすテーマです。
習主席は、国際社会に対しても自信・責任・協力という三つのキーワードを提示し、気候変動という共通の課題に向き合うための枠組みづくりを呼びかけました。今後、各国がどのようなNDCを提出し、それに向けてどこまで実行を伴う政策を進めていくのかが問われる局面に入っています。
Reference(s):
cgtn.com








