上海で北太平洋沿岸警備隊フォーラム閉幕 海上安全で協力強化へ
中国・上海で北太平洋沿岸警備隊フォーラムが金曜日に閉幕しました。中国海警局をはじめとする北太平洋地域の沿岸警備機関が集まり、越境する海上犯罪への対処や海上安全の協力強化について話し合いました。
北太平洋沿岸警備隊フォーラムとは
北太平洋沿岸警備隊フォーラムは、北太平洋を囲む国や地域の沿岸警備機関が参加する高級幹部レベルの会合です。今回の会合は1週間にわたり上海で開かれ、注目度の高い国際会議となりました。
会合には、カナダ沿岸警備隊、日本のJapan Coast Guard(海上保安庁)、韓国の沿岸警備当局、ロシア連邦保安庁国境警備局、米国沿岸警備隊、中国海警局、中華人民共和国海事局などの加盟機関から、80人以上の代表が出席しました。
今回の会合は、6つの加盟機関のトップが2020年以来、初めて対面で集まる機会となりました。会期中には「高級実務者会合議長声明」が公表され、今後の協力の方向性が示されています。
歓迎レセプションには、上海市副市長で上海市公安局長の張亜紅(Zhang Yahong)氏が出席して挨拶し、外務省の劉倩(Liu Qian)参事官がフェアウェルディナーでスピーチを行いました。
議論の中心となった協力分野
今回の北太平洋沿岸警備隊フォーラムでは、海上安全や法執行に関する複数のテーマについて、実務的で踏み込んだ議論が行われました。主な論点は次の通りです。
- 違法移民や麻薬取引など、越境する海上犯罪の取り締まり強化
- 二国間・多国間の法執行協力と、共同作戦の拡充
- 法執行に関する情報共有の強化
- 海上安全保障、海洋環境保護、能力構築に向けた協力
違法移民・麻薬取引など越境犯罪への対応
参加した沿岸警備機関は、違法移民の移送や麻薬密輸といった越境海上犯罪が、北太平洋全体の課題となっているとの認識を共有しました。これらの犯罪は国境をまたいで組織的に行われるため、一国だけでは十分に対応しきれない面があります。
そのため、各国・地域の沿岸警備機関が情報と経験を持ち寄り、共通の課題として取り組むことが重要だと位置づけられました。
法執行協力と共同作戦の強化
会合では、二国間および多国間の法執行協力をどのように具体化していくかも議論されました。特に、共同哨戒や共同訓練といった「現場レベル」の連携を通じて、実際の捜査能力と対応力を高めていく必要性が指摘されました。
こうした共同作戦は、違法操業や密輸などの取り締まりを効率化するだけでなく、災害や事故が発生した際の迅速な対応にもつながるとみられています。
情報共有と海洋環境保護・能力構築
法執行情報のリアルタイムな共有も重要な柱として取り上げられました。参加機関は、情報共有の仕組みを強化することで、容疑船舶の追跡や捜査の正確性を高めることを目指しています。
さらに、会合の成果は、海上安全だけでなく、海洋環境保護や関係機関の能力構築にも活用されると位置づけられました。北太平洋の海域を守りながら安全な航行を確保することが、中長期的な共通目標とされています。
来年に向けた協力計画とその意義
今回の北太平洋沿岸警備隊フォーラムでは、来年に向けた協力計画について予備的な合意が形成されました。詳細は今後詰められていきますが、海上安全と安定の維持を軸に、具体的な連携の枠組みづくりが進むとみられます。
北太平洋の海域は、貿易やエネルギー輸送の要衝であると同時に、多様な海洋資源と環境を抱えています。その海域を共有する沿岸警備機関同士が、越境犯罪対策から環境保護、能力構築に至るまで協力を深めることは、地域全体の安定にとっても意味が大きいと言えます。
また、実務者同士が直接顔を合わせ、情報や課題認識を共有することで、誤解や偶発的なトラブルを避ける土台づくりにもつながります。今回のような対面での対話再開は、その観点からも重要な一歩といえます。
フォーラム旗はロシアへ 次回開催に向けて
フォーラムの閉会にあたっては、中国海警局からロシア連邦保安庁国境警備局へ、フォーラム旗が正式に引き継がれました。次回の北太平洋沿岸警備隊フォーラムはロシアが主催することになります。
今後は、今回の会合で確認された協力の方向性や来年の協力計画を、どこまで具体的な共同訓練や情報共有の仕組みに落とし込めるかが焦点となります。北太平洋の海上安全、海洋環境保護、能力構築に向けた協力がどのように進展していくのか、引き続き注目されます。
Reference(s):
North Pacific coast guards conclude cooperation meeting in Shanghai
cgtn.com








