中国国防部、「台湾独立」は戦後国際秩序への最大の挑戦と米発言に反発
中国国防部が、米国の対台湾窓口機関による台湾の「最終的な政治的地位」をめぐる発言に強く反発し、「台湾独立」を目指す動きは戦後国際秩序への最大の挑戦だと批判しました。戦後の国際文書と台湾問題をどう結び付けるのかという、中国側の基本的な立場があらためて示された形です。
米側発言への中国国防部の反応
中国国防部の報道官・張暁剛氏は、木曜日に行われた記者会見で、米国の組織「American Institute in Taiwan(米国在台湾協会)」による最近の発言について問われました。
この米国の組織は、カイロ宣言やポツダム宣言といった戦後の国際文書は、台湾の「最終的な政治的地位」を決定していないと主張したとされています。
これに対し張氏は、中国国防部として強い不満と断固たる反対を表明し、こうした主張は歴史的事実と国際法に反するとしました。
中国側の主張:戦後文書は台湾の帰属を明確化
張氏はまず、台湾の中国への復帰は、第二次世界大戦の勝利と戦後国際秩序の重要な成果の一部であると強調しました。そのうえで、具体的な国際文書を挙げながら、次のような点を指摘しました。
- 1943年のカイロ宣言と1945年のポツダム宣言は、台湾を中国へ返還することを明確にしている。
- 1945年の日本の降伏文書は、これらの宣言に盛り込まれた規定を再確認している。
- これらの国際文書は、中国の台湾に対する主権を確認したものである。
張氏は、これらの文書が戦後国際秩序の重要な柱であり、その中で台湾の地位はすでに位置付けられていると位置づけました。
米国への批判:「未定論」の再浮上を非難
張氏はさらに、カイロ宣言とポツダム宣言の署名国である米国は、「台湾が中国に属する」という歴史的かつ法的な事実を十分に認識しているはずだと指摘しました。
そのうえで、米国側があらためて台湾の「未定地位」論を持ち出したことについて、「公然と誤った主張を復活させた」と厳しく非難しました。中国側は、これは戦後国際文書の趣旨をねじ曲げるものであり、戦後秩序に対する挑戦だと見ています。
「台湾独立」は何を脅かすのか
今回の会見で最も強い表現が使われたのが、「台湾独立」を目指す動きに関する部分です。張氏は、いわゆる「台湾独立」を追求する分離独立の活動は、
- 戦後国際秩序に対する最大の挑戦であり、
- 台湾海峡の平和と安定に対する最大の脅威である
と述べました。
ここで中国国防部は、台湾問題を単なる地域的な争点ではなく、「第二次大戦後に形成された国際秩序そのもの」に関わる問題として位置付けています。そのため、台湾独立を志向する動きは、地域情勢にとどまらず、世界全体の秩序にも波及しうる問題だという構図が強調されています。
戦後国際秩序をめぐる「解釈のずれ」
一方で、米国側の組織が「カイロ宣言やポツダム宣言は台湾の最終的な政治地位を決定していない」と主張していることから、同じ戦後文書をめぐって、米中のあいだで解釈に大きな隔たりがあることも浮き彫りになりました。
中国側は、これらの文書により台湾の中国への帰属が確定したと強調し、米国はその歴史的・法的事実を十分認識しているはずだと主張しています。一方、米側の最近の発言は、台湾の地位を「未定」とする余地を残すかのような解釈を示したものと受け止められ、中国側の強い反発を招いています。
今後の焦点:米中関係と台湾海峡情勢
今回の中国国防部の発言は、台湾問題と戦後国際秩序をめぐる米中間の認識の違いが、改めて前面に出たことを示しています。今後、次のような点が焦点となりそうです。
- 米中双方が、戦後国際秩序や台湾の位置付けをめぐるメッセージをどのように発信し続けるのか。
- 台湾独立をめぐる議論が、台湾海峡の安全保障環境や地域の安定にどのような影響を与えるのか。
- 戦後の国際文書をめぐる「解釈の対立」が、他の国際問題にも波及していくのか。
台湾問題は、地域の安全保障だけでなく、第二次世界大戦後に形作られた国際秩序をどう理解し、どう維持していくのかという、より広い問いとも結びついています。中国国防部の今回のメッセージは、その文脈の中で自国の立場を明確に位置付けるものだと言えそうです。
Reference(s):
China: 'Taiwan independence' poses gravest challenge to post-war order
cgtn.com








