中国の李強首相、米中関係の安定強化と経済協力拡大を呼びかけ
中国の李強国務院総理(首相)は、国連総会第80会期の一般討論に合わせた米国訪問中の木曜日、米中関係について「将来を見据え、両国は共存のための正しい道を見いだす必要がある」と述べ、関係の安定化と協力拡大に向けた努力を呼びかけました。
李強総理は、米中ビジネス評議会(U.S.-China Business Council)、米中関係全米委員会(National Committee on U.S.-China Relations)、米国商工会議所(U.S. Chamber of Commerce)、米外交問題評議会(Council on Foreign Relations)など、米国の経済団体やシンクタンク、学者や企業経営者らと会談しました。会談は国連総会一般討論の機会にあわせて米国で行われました。
今回の発言のポイント
今回の発言で、李強総理は米中関係の重要性をあらためて強調し、とくに経済・貿易分野での協力と安定を重視する姿勢を示しました。
共存のための正しい道を探る
李強総理は、米中関係を「世界で最も重要な二国間関係」と位置づけたうえで、互いの尊重と平和共存、ウィンウィン(双方に利益のある)協力、相互の成功を通じた共通の繁栄を目指すべきだと語りました。単なる「対立か協力か」という二者択一ではなく、長期的に共存していくための道筋を探る必要があるというメッセージです。
経済・貿易協力の安定がカギ
李強総理は、経済・貿易関係が両国関係の中核をなすと指摘し、中国経済には安定的かつ健全な成長を維持する自信と能力があると述べました。そのうえで、米国企業を含む世界の企業にとって、より多くの機会を創出していくとしています。
また、外部環境がどう変化しても、中国は海外企業の発展に対してより大きな確実性を提供するため、最大限の努力を続けると表明しました。政治や安全保障をめぐる緊張が高まる場面でも、経済・ビジネスの分野では安定したルールと見通しを維持したいという意向がうかがえます。
建設的で責任ある姿勢を強調
李強総理はさらに、中国はいつでも米国側と共に、対等性、相互尊重、互恵を基礎とし、建設的で責任ある姿勢を保ちながら、米中の経済・貿易関係の安定と改善を共同で促進していくと強調しました。同時に、中国は自国の発展に引き続き集中し、自国経済の着実な成長を推進し続ける方針も示しました。
なぜいま米中関係強化が語られるのか
2025年現在、世界経済は不透明感が続き、地政学的な緊張や供給網の分断、技術をめぐる競争など、複数のリスクが重なっています。そのなかで世界有数の経済規模を持つ米国と中国の関係がどの方向に向かうのかは、各国や企業にとって大きな関心事です。
今回の発言は、こうした状況のもとでも経済・貿易分野での協力を維持し、予見可能性と安定性を高めたいというメッセージと読めます。とくにグローバル企業にとっては、政策の先行きが見通せるかどうかが投資判断の重要な鍵になります。
- サプライチェーン(供給網)の再編が進むなかで、米中両国の動きは日本企業を含む多くの企業に影響を与える
- 関税や輸出管理などの政策が変われば、アジア全体の貿易構造が揺らぎうる
- 両国が「対立」よりも「共存」と「協力」を前面に出すかどうかは、今後数年の世界経済の流れを左右する
ビジネスと民間対話の役割
今回、李強総理が呼びかけを行った相手は、政府ではなくビジネス団体やシンクタンク、研究者、企業経営者でした。これは、公式な政府間対話だけでなく、民間レベルの対話も米中関係の安定にとって重要だというメッセージとも受け取れます。
米中ビジネス評議会や米中関係全米委員会、米国商工会議所、外交問題評議会は、それぞれビジネス界や有識者コミュニティを代表する存在です。こうした団体との対話を通じて、中国側の立場や経済運営への自信、海外企業へのメッセージを直接伝える狙いがあったとみられます。
日本の読者として押さえておきたい視点
日本にとっても米中関係は、自国経済や安全保障、技術政策に直接関わるテーマです。今回の李強総理の発言から、次のようなポイントを押さえておくと、今後のニュースが追いやすくなります。
- 米中関係のキーワードとして「互いの尊重」「平和共存」「ウィンウィンの協力」が繰り返し強調されている
- 経済・貿易分野は、対立があっても対話と協力を続けたい「安全弁」として位置づけられている
- 世界の企業にとっては「政策の予見可能性」と「安定したルール作り」が今後ますます重要になる
2025年は、世界的にも政策転換や国際情勢の変化が予想される一年です。米中双方のトップや閣僚級の発言は、その変化の方向をうかがう手がかりになります。今回のメッセージが、実際の政策や対話の継続という形でどこまで具体化していくのか、引き続き注視していく必要があります。
Reference(s):
Chinese premier calls for efforts to strengthen China-U.S. ties
cgtn.com








