三星堆遺跡の祭祀坑、紀元前1200〜1000年ごろと特定 新たな年代研究 video poster
2025年、四川省徳陽市で開催中の「2025年三星堆フォーラム」で、三星堆遺跡の祭祀坑の正確な年代が発表されました。国際ニュースとしても注目されるこの新しい考古学研究のポイントを、日本語で分かりやすく整理します。
2025年三星堆フォーラムで発表された最新研究
今回の研究結果は、四川省徳陽市で現在開催中の「2025年三星堆フォーラム」で公表されました。発表によると、三星堆遺跡の祭祀坑の年代が、放射性炭素年代測定によって精密に絞り込まれました。
- 場所:四川省徳陽市・2025年三星堆フォーラム
- 研究機関:四川省文物考古研究院と北京大学の共同研究
- 対象:三星堆遺跡の第3・第4・第6・第8号祭祀坑
- 方法:放射性炭素年代測定
- 結果:埋葬年代は紀元前1201〜1012年の範囲に入る確率が95.4%
研究チームは、この年代範囲が中国古代の商王朝(殷)の後期に相当すると位置づけています。つまり、三星堆遺跡の祭祀活動は、商王朝後期とほぼ同時代に営まれていた可能性が高い、という見方が強まりました。
年代が特定されると何が分かるのか
国際ニュースとしても、考古学の「年代」がここまで具体的に示されることには大きな意味があります。年代がはっきりすることで、次のような議論がしやすくなります。
- 同時期の他地域の遺跡と、時間軸をそろえて比較できる
- 祭祀や社会構造の変化を、より細かい年代ステップで追える
- 東アジア全体の古代史年表を精緻化するための基礎データになる
特に、商王朝後期という具体的な時期に結びついたことで、三星堆遺跡をめぐる議論は、「いつの文化か」という抽象的な話から、「どの時代のどの社会と並行して存在していたのか」という、より具体的な比較へと進みやすくなります。
放射性炭素年代測定とは
今回の成果を理解するうえで鍵になるのが「放射性炭素年代測定」です。これは、木片や骨、布などの有機物に含まれる炭素のうち、放射性をもつ炭素14の量を調べることで、その資料がいつごろのものかを推定する方法です。
炭素14は時間とともに少しずつ減っていきます。その減り方の法則を利用し、現在残っている炭素14の量を精密に測定することで、資料が地中に埋められたおおよその年代を計算できます。
三星堆遺跡の祭祀坑については、この放射性炭素年代測定の結果を統計的に解析したところ、埋葬年代が紀元前1201〜1012年の範囲に収まる確率が95.4%と示されたとされています。こうした高い確度の年代推定は、考古学において重要な根拠となります。
日本の読者にとっての意味
一見すると、遠く離れた四川省の遺跡の話に思えるかもしれませんが、東アジア古代史という視点で見ると、日本にとっても無関係ではありません。
- 日本列島や周辺地域の古代遺跡と、同時代性を検討する手がかりになる
- 東アジアにおける祭祀や信仰のかたちを、広い視野で比較できる
- 学校教育やリベラルアーツとしての世界史理解をアップデートできる
特に、グローバル志向の読者や、歴史や社会について考えることが好きな人にとっては、今回の三星堆遺跡の年代研究は、東アジアの古代を立体的にイメージするきっかけになりそうです。
これからの注目ポイント
2025年の三星堆フォーラムで示された今回の成果は、むしろ新しいスタートラインとも言えます。今後、次のような点に注目が集まると考えられます。
- 他の祭祀坑や周辺エリアにも同様の年代測定が広がるのか
- 商王朝後期との関係を、文物や遺構の分析からどこまで具体的に描けるのか
- 国内外の研究者による共同研究が、どのように展開していくのか
三星堆遺跡の祭祀坑が、紀元前1201〜1012年という具体的な時間帯に位置づけられたことは、古代東アジア像を描き直すうえで重要な一歩です。今後の続報や詳細な研究成果にも、引き続き注目していきたいところです。
Reference(s):
New findings: Exact dating of Sanxingdui sacrificial pits announced
cgtn.com








