福州・煙台山が若者に愛される理由 第12回シルクロード映画祭の舞台裏 video poster
第12回シルクロード国際映画祭が開かれている福州で、スクリーンの外側から静かに注目を集めている場所があります。閩江沿いの歴史文化街区・煙台山です。かつて17の領事館が並び、福州の近代教育にも大きな影響を与えたこのエリアは、いま若い世代にとっての新たなお気に入りスポットになっています。
映画祭の熱気とともに注目される歴史文化街区
映画祭期間中、最新の作品やスターに視線が集まります。その一方で、上映会場の外側で静かに存在感を放っているのが、煙台山歴史文化街区です。ここは、映画祭の会場やイベントから少し足を伸ばした先にある、もう一つの主役といえる場所です。
世界建築博物館としての顔
閩江沿いに広がる煙台山は、かつて17の領事館が置かれ、福州の近代教育のかたちをつくってきた場所でもあります。外交と教育の拠点として培われた記憶が、この街区の空気の中に今も静かに残っています。
現在の煙台山は、西洋風の洋館と地元の中庭式住宅が入り交じる、いわば世界建築博物館のような場所になっています。通りを歩けば、異なるスタイルの建物が次々に現れ、国や時代の境界をまたぐような感覚を味わうことができます。
西洋の意匠が取り入れられた邸宅と、地域に根ざした伝統的な住宅が隣り合う風景は、福州がたどってきた近代化の歩みをそのまま映し出しているかのようです。歴史と現代が自然に溶け合うことこそが、この街区のいちばんの魅力だといえます。
若者に人気の撮りたくなる街
煙台山は、いまや福州の若い世代にとってトップクラスのフォトスポットとして知られています。レトロな洋館や路地の雰囲気は、そのまま写真や動画に収めたくなる舞台装置のようです。
その人気を支えているのが、丁寧にセレクトされた書店や、個性のある文化マーケット、映画祭と連動したポップアップイベントなどです。本を手に取りながら建物の歴史を想像したり、市場で文化に触れたりしながら、訪れた人は福州の過去と現在を鮮やかに感じ取ることができます。
煙台山で味わえる体験の一例
- 異なるスタイルの建物を眺めながら、街をゆっくり歩く
- 書店で本とともに歴史や文化のストーリーに触れる
- 文化マーケットやポップアップで、現代のクリエイティブな表現に出会う
映画祭が映し出す、街と人の関係
映画祭が開催される期間、さまざまな物語がスクリーンに映し出されます。その外側で、煙台山は福州という街そのものの物語を静かに語っています。領事館が置かれた時代から、近代教育の拠点としての役割を経て、いまは若者が集まる文化スポットへ。場所の表情は変わっても、外の世界とつながり続けるという点では、一貫した軸が見えてきます。
若い世代が歴史的な空間に足を運び、本を読み、市場を歩き、写真を撮る。その日常的な行為の積み重ねが、過去の記憶と現在の生活をゆるやかにつなぎ直しているようにも見えます。映画祭と煙台山は、それぞれ別のかたちで、福州のいまを映し出しているのかもしれません。
静かに記憶を更新する場所として
煙台山歴史文化街区は、派手なアトラクションがあるわけではなくても、建物と本と人の流れが折り重なり、訪れる人の記憶に残る風景をつくり出しています。歴史と現代、ローカルとグローバルが交差するその空間は、福州という街を理解するうえで、映画館とはまた違った入口になっているようです。
シルクロード国際映画祭のニュースに触れるとき、その舞台の一角で、こうした歴史文化街区が若者たちの日常と静かに結びついていることを思い浮かべると、福州という都市の奥行きが少しだけ立体的に見えてきます。
Reference(s):
cgtn.com








