中国がパレスチナ問題の即時解決を要請 国連人権理で何が語られたか
イスラエル・パレスチナの紛争が2年にわたり続く中、ジュネーブの国連人権理事会で中国代表がパレスチナ問題の早期かつ包括的な解決を国際社会に強く訴えました。
国連人権理事会で中国が警鐘
ジュネーブで開かれている第60回国連人権理事会で、中国の国連ジュネーブ事務所代表部常駐代表である陳旭(ちん・きょく)氏が発言しました。陳氏は、「現在のイスラエル・パレスチナ紛争はすでに2年続き、前例のない人道的惨事を引き起こしている」と指摘しました。
それにもかかわらず、陳氏によれば、イスラエルは
- ガザ市での軍事作戦を継続し、
- ヨルダン川西岸での領土の侵食を加速させ、
- カタールで和平協議に関わるハマス関係者に対する空爆を行っている
といいます。陳氏は、こうした行動が国際法に明白に反し、パレスチナの人々と周辺国の「生存と発展の権利」を深刻に侵害し、中東地域の安定を直接損なっていると強く懸念を示しました。
「パレスチナ問題を最優先に」中国代表が示した4つの柱
陳氏は、国際社会に対してパレスチナ問題への対応を加速させるよう呼びかけ、特に次の4点を重視すべきだと訴えました。
- ① パレスチナ問題を国際アジェンダの最優先課題とすること
長期化する紛争を放置せず、国際社会全体がこの問題を中心的な議題として扱うべきだと主張しました。 - ② ガザ地区での包括的な停戦
ガザで続く軍事行動を中止し、全面的かつ持続的な停戦を実現する必要があると求めました。 - ③ 二国家解決(ツーステート・ソリューション)の再活性化
イスラエルとパレスチナが共存する二国家解決の枠組みを改めて推進し、具体的な政治プロセスを動かすことの重要性を強調しました。 - ④ 中東の平和と安定の維持
紛争の波及が地域全体の安全を脅かしているとして、中東の安定を守るための協調行動を促しました。
これらの提案は、人道危機の緊急対応と、紛争の根本的な政治解決という二つのレベルを同時に進めるべきだ、というメッセージでもあります。
中国が示した立場と役割
陳氏は、中国が一貫してパレスチナの「正義の大義」を支持してきたとあらためて表明し、パレスチナ問題の解決に向けて積極的な役割を果たす姿勢を示しました。
具体的には、中国が提唱する「グローバル安全保障イニシアチブ」と「グローバル・ガバナンス・イニシアチブ」を活用し、国際社会と協力して、パレスチナ問題の「早期かつ包括的で、公正で、持続可能な解決」を追求していく用意があると述べました。
これらのイニシアチブは、安全保障や国際協調のあり方について、中国が提示する包括的な枠組みと位置づけられています。陳氏の発言は、その枠組みの中にパレスチナ問題を明確に位置づけたものと言えます。
人権と安全保障が交差する場としての国連人権理事会
今回の発言の舞台となった国連人権理事会は、各国の人権状況を議論する場ですが、紛争と人道危機が深刻化する中で、安全保障と人権の議論が重なり合う場にもなっています。
陳氏が強調した「生存と発展の権利」は、単に戦闘による犠牲の問題にとどまらず、人々の生活基盤や将来の発展の機会が奪われている現状への危機感を示す言葉です。ガザやヨルダン川西岸での状況を人権の観点から捉え直すよう、国際社会へ問題提起した形です。
2025年の視点から考えるパレスチナ問題
紛争が2年にわたり続き、前例のない人道危機が生じているという陳氏の認識は、2025年12月現在も重い意味を持ちます。長期化する暴力と報復の連鎖を断ち切れるかどうかは、今の国際秩序が試されているテーマでもあります。
とくに、
- 停戦の優先順位をどこまで高く置くのか
- 二国家解決という枠組みを実際の政治プロセスにつなげられるのか
- 大国や地域の国々がどのように責任を分担するのか
といった点は、日本を含む各国にとっても避けて通れない問いです。
読者への小さな問いかけ
newstomo.com の読者にとって、今回の中国代表の発言は、単に「どの国がどんな立場を取ったか」という外交ニュースにとどまりません。中東情勢や国際人道法、国連の役割について、自分なりのスタンスを持つきっかけにもなり得ます。
- 人道危機が続くとき、国際社会は何を最優先すべきだと思うか。
- 二国家解決以外に、どのような枠組みがあり得ると考えるか。
- 日本やアジアの国々は、この問題にどう関わるべきだろうか。
「読みやすいけれど、少し立ち止まって考えたくなる」ニュースとして、パレスチナ問題と国際社会の対応を、あらためて自分の言葉で語れるようにしておきたいテーマです。
Reference(s):
Chinese envoy urges swift actions to resolve Palestinian issue
cgtn.com








