中国で進む労働者の健康保護 新雇用向け保険と職業病対策のいま
中国で、労働者の健康保護を強化する動きが加速しています。職業病の予防と職業傷害保険の拡大を通じて、新しい働き方で働く人も含めた安全網づくりが進んでいます。<\/p>
新しい働き方を支える職業傷害保険の拡大<\/h2>
中国の人力資源・社会保障部は最近の記者会見で、新たな形態の雇用に従事する労働者向けの職業傷害保険の対象が、すでに2,000万人超に達していると明らかにしました。<\/p>
この職業傷害保険制度は2022年に始まり、現在までに17の省級地域に拡大しています。人力資源・社会保障部は、2026年までに中国全土のすべての省級地域に制度を広げる方針です。<\/p>
拡大の対象となるのは、プラットフォーム企業で働く人々です。とくに次のような分野が想定されています。<\/p>
- 配車サービス(ライドヘイリング)<\/li>
- 料理や商品などの即時配達(ラピッドデリバリー)<\/li>
- 同一都市内の貨物輸送(市内物流)<\/li>
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さらに当局は、2027年までに、これら以外の産業のプラットフォーム企業も、順次この仕組みに取り込む可能性があるとしています。プラットフォーム経由で働く人びとも、従来型の雇用と同様に、職業上のけがや事故に備えられるようにする狙いです。<\/p>
職業病予防を支える法制度と技術基準<\/h2>
職業病の防止に向けては、法制度の整備も進んでいます。中国国家衛生健康委員会(NHC)職業衛生部の副主任である李軍氏は、今年4月の記者会見で、職業病予防のための包括的な法的枠組みが構築されていると説明しました。<\/p>
李氏によると、中国では現在、職業病の予防に関する法律や行政法規が6本、省庁レベルの規則が10本あり、これらが土台となって制度運用が行われています。<\/p>
660件超の技術基準で現場をガイド<\/h3>
さらに、職業安全に関する技術基準が660件以上制定されています。その内訳として、<\/p>
- 職業病の危険要因を監視し、評価するための基準が300件超<\/li>
- 換気や遮蔽など、作業環境そのものを改善する工学的対策に関する基準が100件近く<\/li>
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とされています。こうした技術基準は、現場レベルで具体的にどう測定し、どの水準を守ればよいのかを示す役割を担っており、職業病の予防と管理に重要な指針となっています。<\/p>
法律が保障する労働者の健康権<\/h2>
中国の職業病予防・治療法は、労働者の健康を守るために複数の保護措置を定めています。とりわけ、職業病と診断された労働者について、雇用主に具体的な責任を課している点が特徴です。<\/p>
法律に基づき、雇用主は次のような措置を取る義務があります。<\/p>
- 職業病にかかった労働者に対して、必要な治療を受けさせること<\/li>
- リハビリテーション(機能回復のための支援)を手配すること<\/li>
- 定期的な健康診断を実施し、経過を確認すること<\/li>
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こうした仕組みにより、単に発病を防ぐだけでなく、職業病が確認された後も、継続的なフォローアップを行うことが制度上求められています。<\/p>
これからの論点:多様な働き方と健康保護<\/h2>
プラットフォームを通じた仕事や、従来の枠組みに当てはまりにくい新しい働き方が広がるなかで、健康や安全のリスクをどうカバーするかは、多くの社会で共通する課題になりつつあります。<\/p>
中国では、法制度の整備と技術基準の策定、そして新たな雇用形態の労働者を射程に入れた職業傷害保険の拡大によって、こうした課題に応えようとしています。<\/p>
日本を含む他の国や地域でも、フリーランスやギグワーカーの保護のあり方が議論されています。中国の取り組みは、多様な働き方と健康保護をどう両立させるかを考えるうえで、一つの参考例になりそうです。<\/p>
Reference(s):
cgtn.com








