中国の核融合装置BEST、2030年までの発電実証へ前進 video poster
中国の最先端核融合装置「BEST」が、2025年12月8日(月)にデュワーベースをつり上げて据え付け、主機(メインマシン)の組立段階に正式に入りました。2030年までに核融合による発電を実証することを目指す、この国際ニュースの意味をコンパクトに整理します。
国家戦略級プロジェクト「BEST」とは
中国の核融合装置「BEST」は、「核融合で電気をつくる」ことを最終目標とする国家戦略級の大型プロジェクトです。世界の核融合分野でもランドマーク(節目)となる計画と位置づけられており、実用的な規模での核融合発電を世界で初めて検証・実証する装置になることを目指しています。
従来の実験装置が「核融合反応をどこまで安定して続けられるか」を探ってきたのに対し、BESTは「そのエネルギーを電力として取り出し、発電システムとして成り立つか」を確認することに重心を置いている点が特徴です。
デュワーベースの据え付けが意味するもの
今回据え付けられたデュワーベースは、極低温で動作する機器や真空容器など、装置の「心臓部」を支える基礎となる構造物です。この土台が完成したことで、BESTは主機の本格的な組立フェーズに入りました。
プロジェクト側にとって、デュワーベースの設置は以下のような節目といえます。
- 大型部品の据え付けが本格的に始まる合図
- 設計段階から建設段階への移行がほぼ完了したことの象徴
- 2030年までの発電実証スケジュールに向けた重要なマイルストーン
2030年までに「実用発電」の実証を目標
プロジェクトの目標は、2030年までに核融合を使った実用的な規模の発電を検証・実証することです。これは単に「反応を起こす」段階を超え、電力システムとして意味のある出力を安定して得ることを意味します。
もしこの目標が達成されれば、BESTは次のような役割を果たす可能性があります。
- 核融合発電が技術的に実現可能であることを示す「世界初の実証例」
- 大型の商用炉に向けた設計や運用ノウハウの基盤
- クリーンエネルギー政策や産業戦略における重要な選択肢
世界の核融合開発の中での位置づけ
BESTは「世界の核融合分野におけるランドマークプロジェクト」とされています。各国・地域が競い合いながらも協力し合う形で核融合研究を進めるなか、2030年までに発電実証を狙う動きは、国際社会にとっても大きな意味を持ちます。
特に注目されるポイントは次のとおりです。
- 「実用規模」での発電をターゲットにした、少数の先進プロジェクトの一つであること
- 設計・建設・運用データが、世界の研究者や技術者にとって貴重な参照例となる可能性
- 将来の国際協力や標準化議論において、重要な比較対象となりうること
これから数年の「チェックポイント」
2025年末の時点で、BESTは主機組立の新しいフェーズに入ったばかりです。2030年までの道のりで、今後は次のようなタイミングに注目が集まりそうです。
- 主機の組立完了と、システムとしての初期試験
- 核融合反応を伴う初期運転の開始
- 発電システムを含めた統合試験の実施
- 「実用規模」の発電が達成されたと公式に検証・発表されるタイミング
核融合は、技術的なハードルが非常に高い分野であり、一つ一つのマイルストーンに時間と検証が必要になります。その意味で、今回のデュワーベース据え付けは、2030年の目標に向けた「静かだが重要な一歩」といえるでしょう。
化石燃料に依存しない新しいエネルギー源として、核融合は長期的な選択肢の一つとされています。中国のBESTプロジェクトが2030年までにどこまで到達するのか。今後数年の進捗は、エネルギー政策やテクノロジーに関心を持つ多くの人にとって、フォローしておきたい国際ニュースになりそうです。
Reference(s):
China's nuclear fusion device aims to generate electricity by 2030
cgtn.com








