ユネスコが26の生物圏保存地域を新規指定 中国本土の2カ所もネットワーク入り video poster
国際ニュースを日本語で読みたい読者に向けて、環境分野の明るい話題です。国連教育科学文化機関(ユネスコ)は土曜日、生物多様性と人間の暮らしの両立を目指す「生物圏保存地域」に、新たに26カ所を加えると発表しました。このうち2カ所は中国本土の地域で、同国の持続可能な発展への取り組みが国際的に評価された形です。
26の新たな生物圏保存地域が誕生
ユネスコは、世界21か国にまたがる26の地域を、新たな生物圏保存地域として指定しました。生物圏保存地域は、自然環境と人間社会がどのように共存できるかを試し、学ぶための国際的なネットワークです。
- 新たに指定された地域数:26カ所
- 参加する国と地域:21か国
- うち中国本土にある地域:2カ所
今回の指定により、生物圏保存地域のネットワークはさらに拡大し、各地域が互いに経験や知見を共有する機会が広がります。
生物圏保存地域とは? ユネスコMAB計画の要
生物圏保存地域は、ユネスコの「人間と生物圏(MAB)計画」に基づいて指定される地域です。この計画は、人間が自然と調和して生きるという考え方を土台としています。
ユネスコは、生物圏保存地域を「持続可能な発展のための学びの場」と位置づけています。ここでは、
- 生物多様性(多様な生き物や生態系)の保全
- 森林や水、土壌などの生態系サービスの持続可能な利用
- 地域社会の暮らしや経済活動との両立
といった要素をひとつの枠組みの中で統合していくことが重視されます。単なる「手つかずの自然保護区」ではなく、人々が暮らしながら自然との新しい関係を模索する場であることが特徴です。
中国本土の2カ所指定が示すもの
今回、26の新規指定のうち2カ所が中国本土の地域でした。これは、中国本土が進めてきた持続可能な発展の取り組みが、国際的な枠組みの中で成果として認められたことを意味します。
生物圏保存地域に選ばれることは、その地域が次のような役割を期待されていることでもあります。
- 自然環境を守りながら地域の暮らしを成り立たせるモデルになること
- 環境教育や研究の拠点として、知識やデータを蓄積すること
- 国内外の他地域と経験を共有し、協力関係を築くこと
中国本土に2つの新たな拠点が加わることで、アジア地域における生物多様性保全と持続可能な発展のネットワークも一段と厚みを増すと考えられます。
世界規模のネットワークが持つ意味
21か国に広がる今回の新規指定は、単に保護区の数が増えたというだけのニュースではありません。気候変動や生物多様性の損失など、国境を越える課題に対して、世界各地が連携して取り組むための「実験と学びのインフラ」が拡充された、と見ることもできます。
生物圏保存地域では、
- 農業や林業、観光などの産業と環境保全をどう両立させるか
- 地域の伝統的な暮らしや知恵をどう生かすか
- 行政、研究者、住民がどう協力してルールづくりを進めるか
といった問いが、現場レベルで具体的に試されます。その成果や失敗の経験が共有されることで、他の地域の政策づくりやプロジェクトにも生かされていきます。
日本の私たちにとってのヒント
日本にも、自然と人間の共生をテーマにした地域づくりの取り組みが各地にあります。ユネスコの生物圏保存地域ネットワークの動きを追うことは、次のような問いを自分ごととして考えるきっかけにもなります。
- 自分の住む地域で守るべき自然や景観は何か
- 観光や地域ビジネスを、環境負荷を抑えながら育てるにはどうすればよいか
- 行政だけでなく、市民や企業、学校がどう役割を分担できるか
国際ニュースとしてのユネスコの発表は、一見遠い世界の話のように見えますが、足元の暮らしや仕事のあり方を見直すヒントにもなり得ます。
これから注目したいポイント
今回の指定をきっかけに、今後注目したい視点をいくつか挙げておきます。
- 中国本土を含む新たな26地域で、どのような具体的プロジェクトが進むのか
- 各地域の経験が、他国・他地域にどう共有されるのか
- 都市部と地方、先進国と途上国といった違いを超えた連携が生まれるのか
生物圏保存地域は、世界のどこかで「自然との付き合い方のアップデート」が進んでいることを教えてくれる仕組みでもあります。2025年を生きる私たちにとって、その動きを追いかけることは、これからの社会や経済の方向性を考えるうえでも重要になってきそうです。
Reference(s):
Two more reserves in China join UNESCO world biosphere network
cgtn.com








